Feature 特集

鈴木亮平&黒木華「こんなにも成長に喜びを感じられたことは、このドラマでの財産」――「下剋上球児」インタビュー2023/12/16

鈴木亮平&黒木華「こんなにも成長に喜びを感じられたことは、このドラマでの財産」――「下剋上球児」インタビュー

 TBS系では連続ドラマ「下剋上球児」が放送中。鈴木亮平さんが「日曜劇場」枠で約2年ぶり2度目の主演を務め、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメントです。

 ここでは、主人公・南雲脩司を演じる鈴木さんと、野球部の顧問・山住香南子を演じる黒木華さんにインタビュー。本作での撮影秘話や生徒への熱い思いなど語っていただきました。

鈴木亮平&黒木華「こんなにも成長に喜びを感じられたことは、このドラマでの財産」――「下剋上球児」インタビュー

――これまでの撮影を振り返ってみていかがでしょうか?

鈴木 「テレビで見ていると、自分の知っている子たちの成長を見ている気がする人も多いと思います。僕たちも彼らの成長をずっと見届けてきて、僕自身も南雲としていろいろ乗り越えてきたので、2年ぐらい撮影している気持ちになるくらい濃密でした」

黒木 「こんなことはあまりないのですが、思い出がありすぎて、先生として球児それぞれに思い入れもあるので、グッときてしまいますね。見てくださっている皆さんも大好きになってくれていると思うので、より深く感情移入して見てくださるのかなと」

――今回、たくさんの球場で撮影されたと思いますが、試合シーンでの思い出はありますか?

鈴木 「試合シーンになると本当にみんな目の色が変わるんです。もちろん台本はありますが、本当に入り込んでいるので、泣くシーンではないけど涙が出てしまったり、結果が分かっていても本番をやるたびに号泣して帰ってくる球児たちの姿をたくさん見ました。最終回で描く決勝戦の対戦校である伊賀商業の子たちは、原案の白山高校の当時のメンバーと、対戦校の松阪商業の混合チームなんです。その話を聞いただけで胸が熱くなりました」

黒木 「野球のシーンは“すごい”としか言いようがないのですが、放送されていない部分でもたくさん打ったり投げたりしていて、素晴らしいプレーばかりでした。試合のシーンは越山高校の球児たちはもちろん、相手高の皆さんなしでは成立しなかったと思います。引退していった球児たちの負け試合を見ていた時は『勝たせたかった…!』と先生として思っていました」

鈴木亮平&黒木華「こんなにも成長に喜びを感じられたことは、このドラマでの財産」――「下剋上球児」インタビュー

――球児キャストの成長ぶりはいかがでしょうか?

鈴木 「撮影期間で年齢は変わっていないのに、本当に高校生が2、3年かけて変わっていくというのはドキュメンタリーのような感じでした」

黒木 「皆さんの成長ぶりには本当に驚かされっぱなしでした。キャプテンになった椿谷真倫(伊藤あさひ)は特に」

――お互いに、今回共演してあらためていかがでしたか?

黒木 「好きな俳優さんであり尊敬する先輩でもあり、共演回数も多いので、私自身の成長も見てくださっているような先輩です。今回の作品では特に“現場での居方”が素晴らしく、私も見習いたいなと思いました」

鈴木 「先輩と言ってくださいますが、僕も尊敬しています。テレビで見ていて、自分がいないシーンや、いたけど気づけていなかった華ちゃんのお芝居とかにいつも楽しませてもらっていますし、感動させられています。第9話で言うと、調子に乗る久我原篤史(橘優輝)に『ちゃう!』と間髪入れずにツッコんでいるところが好きです(笑)。ツッコミのタイミングがツボに入ってしまって、何度も見返しています」

黒木 「私は楡伸次郎(生田俊平)が予告ホームランをした時に、南雲監督が『そんなのいらないよ!』と言うところが好きです」

鈴木 「今回、台本にないそういうセリフもたくさん使われていますよね」

きっとまたどこかで思い出す作品に

――このチームならではだったなと思うことはありますか?

鈴木 「脚本で書かれていることですが、普通調子に乗っている球児を見て『調子乗んなよ』と抑えつけるかもしれませんが、南雲と山住は『それは彼らのいいところだから』となるところが面白いなと思いましたし、脚本の奥寺佐渡子さんの愛なんだろうなと思いました。それぞれのキャラクターの心情の描き方がすてきですよね」

黒木 「球児たちも“ザン高感”というものを意識しながらやってくれていたし、最初は“仏の南雲、鬼の山住”だったところから、終盤にかけてミックスされていくところや、球児たちの個性を生かすところがすてきでした。南雲夫婦のチーム感もとてもすてきだなと思って見ていました」

――これまでの話を振り返って、「下剋上球児」はご自身にとってどんなドラマでしたか?

鈴木 「特別なドラマだったなと感じています。たくさんノックもしましたし(笑)。野球がこんなに楽しいものだと知れたことや、“甲子園に行く”ということが思っていた数百倍難しいことで、彼らに特別であることも分かりました。何より“教育”ということも考えて、球児たちに何かを伝える時にはどうやったら、俳優としても役としても彼らの今後の人生に響くかを考えました。どんどん変わっていく彼らを見て、次の世代にどう伝えていくべきか、こんなにもそれぞれの成長に喜びを感じられたことは、このドラマでいただいた財産だなと思います」

黒木 「これまで出演させていただいた作品はもちろんすべて大切で大好きなのですが、その中でもちょっと付箋を貼るような作品がいくつかあって、その中の一つになったと思います。きっとまたどこかで思い出すだろうし、球児たちが別の作品に出ている姿を見ても思い出すだろうし。学園ドラマに出演したことがなかったので、思い出としてブックマークするような作品になったと思います」

鈴木亮平&黒木華「こんなにも成長に喜びを感じられたことは、このドラマでの財産」――「下剋上球児」インタビュー

――最終回の見どころを教えてください。

鈴木 「甲子園に行けるかはもちろん、“部活ってなんだろう”とか、“どうして僕たちはスポーツをするんだろう”とか、その先の人生でこれがどう役に立っていくのか…みたいなところも描いているのが、グッとくるところかなと思います。あと、監督として具体的に一つ言うと、『犬塚翔(中沢元紀)のピッチング』です! これはもう撮影云々ではなく最高のピッチングを見せられると思いますので、ぜひご覧ください!」

黒木 「当初から塚原あゆ子監督や新井順子プロデューサーがそこを描きたいとおっしゃっていましたが、果たして甲子園に行けるのかはもちろん、みんながそれぞれどう成長していくのか“部活のその先”についても見どころかなと思います」

――鈴木さん、最後に視聴者の方へ代表してメッセージをお願いします。

鈴木 「最終話、いよいよ試合開始です! 果たしてザン高野球部は甲子園にいけるのか…! 最終回をまずは存分に楽しんでいただき、俳優としても、これから球児キャストたちの今後の活躍を見守っていただければと思います。最終回、胸が熱くなりますので、ぜひご覧ください!」

鈴木亮平&黒木華「こんなにも成長に喜びを感じられたことは、このドラマでの財産」――「下剋上球児」インタビュー

【プロフィール】

鈴木亮平(すずき りょうへい)
1983年3月29日生まれ。兵庫県出身。主な出演作に、NHK大河ドラマ「西郷どん」、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」「テセウスの船」(ともにTBS系)、「エルピス-希望、あるいは災い-」(フジテレビ系)、映画「エゴイスト」、2024年配信予定「シティーハンター」(Netflix)などで活躍。


黒木華(くろき はる)
1990年3月14日生まれ。大阪府出身。主な出演作に、NHK大河ドラマ「西郷どん」、「ブラッシュアップライフ」(日本テレビ系)、「イチケイのカラス」(フジテレビ系)、映画「キリエのうた」、2024年春には「ゴールド・ボーイ」が公開予定。

【番組情報】

「下剋上球児」
TBS系
日曜 午後9:00〜9:54
※U-NEXTで全話見逃し配信中

文/TBS担当 N.E



関連記事

この記事をシェアする


Copyright © TV Guide. All rights reserved.