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村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー2023/12/08

村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー

 放送中のドラマ「うちの弁護士は手がかかる」(フジテレビ系)に出演中の女優・村川絵梨さん。主演にムロツヨシさん、共演に平手友梨奈さん、吉瀬美智子さん、戸田恵子さん、江口のりこさんらが登場するリーガルエンターテインメントで、ムロさん、平手さんらとともに弁護士事務所で働くやり手の弁護士・辻井玲子を好演中だ。

村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー

 2005年、NHK連続テレビ小説「風のハルカ」でヒロインを務めて以降、数々のドラマや映画、舞台に出演し、活躍の幅を広げてきた村川さん。20年には舞台「誰にも知られず死ぬ朝」で主演、21年にはNHK大河ドラマ「青天を衝け」、23年には映画「キングダム 運命の炎」に出演するなど常に存在感を示していた彼女だが、「連続ドラマのレギュラーは久しぶりで、すごくうれしかったです」と声を弾ませる。

連続ドラマだからこそ味わえる醍醐味「特別だなと思います」

村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー

「出演が決まった時は、すごくうれしかったです。放送が始まって、あらためてテレビの力を感じています。圧倒的に反響が大きいなって。この作品は本当にリアルタイムで撮影しているので、皆さんの反響を聞きながらドラマを作ることができるのも連続ドラマの醍醐味(だいごみ)だなと感じます。放送日が迫ってきて撮影に追われるのは怖いですけど(笑)、みんなで話し合いながら撮影をしている時間が本当に楽しくって。連続ドラマでしか味わえないことなので、特別だなと思います」。

 個性的なキャラクターが集う「香澄法律事務所」。村川さんのほか、所長・香澄今日子役の戸田さんに、ムロさん、平手さん、日向亘さん、松尾諭さん、酒向芳さんが日々顔を合わせる事務所だが、物語も終盤を迎えた今、「いい化学反応が起きている」とほほ笑む。

「ムロさんのご提案で、最初にリハーサルをしたんですよ。その時に事務所の空気感をつかむことができたので、スタートからいい雰囲気で撮影ができたなと思います。休憩時間は、ムードメーカーな松尾さんを筆頭におしゃべりが止まらなくて(笑)。いろんな話をしていて、日向くんが『最近教習所に通っていたんですけど、ついに免許取りました!』『おめでとう!!』みたいな。すごく平和で、本当にこのメンバーのバランスがいいんです。よく考えたら日向くんは19歳で、平手さんも20代。30代の私に、40代から60代の先輩方と、すごく幅広い年代の人が集まっている弁護士事務所なんですけど、不思議とジェネレーションギャップのようなものは感じません。酒向さんはお互いコーヒーが好きという話から、次の日にコーヒーをプレゼントしてくださったりして。玲子は“枯れ専”という設定で、酒向さん演じる丸屋(泰造)さんにときめいていますが、リアルにキュンとしました(笑)」。

撮影現場は、いい意味での緊張感「ぼーっとしている時間はない」

村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー

 最年少で司法試験に合格した超エリートの新人弁護士・天野杏を演じる平手さんとは初共演。11月17日放送の第6話では「美少女戦士セーラームーン」の有名な決めゼリフ&ポーズを玲子と杏が劇中で披露するなど、撮影現場は遊び心満載だ。

「あれはアドリブでした(笑)。男性に浮気の疑いがあるというシーンで、初めて杏ちゃんと玲子の女子2人が結託するシーンだったのですが、完全に台本にはなかったやりとりでした。第6話の演出の中田博之さんからは、その日に撮影が行われるシーンを抜粋した割本に『女の子のポーズ?』という投げっぱなしの書き込みがあって(笑)。『どうしよう? やっぱりセーラームーンかな…。でも平手さん、セーラームーン知ってるかな?』とか考えながらリハーサルに入ったんですけど、とりあえずポーズだけやってみたんです。そしたら平手さんがすぐマネしてくれて。『早!(笑)。伝わった!』と思っていたら、『何のポーズですか?』と(笑)。『セーラームーンです』と言ったら、ムロさんも『それ面白いね。もう“おしおき”まで言っちゃえば?』と言ってくださって。そこからどんどん膨らんで、最終的にあの形になりました」。

 そんな玲子&杏のコンビは、クライマックスにかけてさらに結束力を強めていくそう。

「以前、平手さんに『年齢、おいくつですか?』と聞かれて『36です』って言ったら、『若いですね!』って言ってくれて。なんだかそれがすごくうれしかったんですよ。『若い子に“若い”って言われるとうれしいんだ!』って、人生で初めて思ってしまいました(笑)。平手さんとはドラマの終盤にかけてさらに一緒にいる機会が増えそうで、とても楽しみです。物語の後半は、お仕事ドラマというよりは、蔵前(勉)さんと杏ちゃんの絆がより描かれていくと思います。香澄法律事務所のメンバーが、そんな2人を支えていくんですけど、みんな弁護士の頭の良さを生かして、それぞれの知恵を結集して立ち向かっていくんです。ふざけるだけじゃなくて、ちゃんと仕事をしている辻井先生が見られます(笑)」。

村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー

 久しぶりの連続ドラマだが「すごく伸び伸びと演じることができている」と、肩肘張らずに撮影に臨めている様子。そんな居心地の良い現場のスパイスとなっているのは、「いい意味での緊張感」。

「周りの皆さんがポンポンアドリブができる方ばかりなので、ぼーっとしている時間はないなと。当たり前ですけど、ちゃんと100%ギアをグンと入れて挑まないと、テンポも速いので取り残されてしまうなって。事務所は熱量の高いシーンばかりなので、いい意味での緊張感を常に感じながら撮影しています」。

大きな自信をくれた「10年に一度の作品」

村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー

 杏との出会いをきっかけに、そして蔵前との出会いをきっかけに、少しずつ変化&成長していく“くらあん”コンビの姿が描かれている本作。映画やドラマのほかにも舞台やミュージカルで活躍する村川さんだが、“自分を変えた出会い”はあるのだろうか。

「ここ数年は舞台のお仕事も多かったのですが、舞台で学んだことが映像の現場でも生かされているなと感じます。潔さじゃないですけど、“解放する”ということがようやくできるようになってきたのは、完全に舞台の経験のおかげだなって。若い時は怖いものが多かったんですよ。失敗を恐れたり、感情を出し切れないことが多かったんですけど、舞台を重ねることで瞬発力が身についたなという手応えもあって。ドラマって、テンポが速いんです。ドライして本番を撮って、また次のシーンをドライして撮って…っていうスピード感なんですけど、それに対応できる体になってきたかなと思います」。

 ベートーベンの人生を描いた舞台「No.9-不滅の旋律-」、ユダヤ人一族の物語「レオポルトシュタット」の日本初演公演、世界的な人気を誇るブロードウェー・ミュージカル「ドリームガールズ」の日本初演公演など、一段と表現力の求められる舞台作品に挑戦を続けてきた。中でも今年の2~3月に上演された「ドリームガールズ」は「10年に一度の作品」と瞳に自信を宿らせる。

「『ドリームガールズ』での経験は、すごく自分の中で大きくて。この作品を乗り越えることができた時、やっと自分に自信を持てるようになった気がしたんです。とにかく歌をちゃんと歌えないといけないミュージカルだったのですが、ミュージカルの経験が浅い私にとってハードルが高くて…。あとは自分が演じた役とこの作品が好きすぎて、自分の中でもハードルを上げて臨んでしまったのもありました。勝手にプレッシャーと戦っていたのですが、それでもなんとかやり切ることができたこと。そして見に来てくださった方に『新しい部分を見ることができた』と言ってもらえたことが、大きな自信につながりました。10年に一度の作品。それくらい大きな存在だったなと思います」。

 さらにこう続ける。

「『これだ!』という作品に出合うことはそうそうないと思うのですが、『ドリームガールズ』は本当に大切な出合い。確実に、ターニングポイントとなる作品でした。そして『この大変な作品を乗り越えた先に、何があるのだろう』と思っていたところに、『うちの弁護士は手がかかる』というこんなにすてきなドラマにも出合うことができて…。『2023年はいい年だな♪』って思ってます(笑)」。

村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー

 仕事はもちろんのこと、プライベートでも大きな刺激と充実感を得たことは、村川さんの柔らかくもキラキラとした表情から存分に伝わってくる。

「今年は『ドリームガールズ』から始まって、『うち弁』で締めくくる1年となりました。キャリアウーマンという役も意外と初めてで、新しい自分を発見させてもらえた作品だなと思うんです。しかもこんなに伸び伸びとさせてもらえる、すごくすてきな環境で。私、今年が本厄だったんですけど、『厄をはねのけたのかな!?』と思うくらい充実していました。空いている時間には久々にいろんな国にも行って。インドに一人旅したり、ニューヨーク、沖縄にも行って、プライベートでも刺激をもらうことが多かったです。2023年、きっと『いい年だったな』って思い返す年になる気がしています」。

村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー
村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー
村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー
村川絵梨、「10年に一度の作品」がくれた大きな自信を手に。久々の連ドラで味わう「いい意味での緊張感」 「うちの弁護士は手がかかる」インタビュー

【プロフィール】

村川絵梨(むらかわ えり)
1987年10月4日生まれ。大阪府出身。2002年、ユニット「BOYSTYLE」として歌手デビュー。04年、映画「ロード88 出会い路、四国へ」で主演を務め、俳優業に進出。05年、NHK連続テレビ小説「風のハルカ」でヒロインを務めて以降、ドラマ「ROOKIES」(TBS系)など、映画、ドラマ、舞台など、活躍の幅を広げている。主な出演作は、映画「花芯」「彼女がその名を知らない鳥たち」「サバカン SABAKAN」「キングダム 運命の炎」、NHK大河ドラマ「青天を衝け」、舞台「No.9-不滅の旋律-」「誰にも知られず死ぬ朝」「レオポルトシュタット」「ドリームガールズ」など。24年2月9日より上演の舞台「テラヤマキャバレー」に出演する。

【番組情報】

「うちの弁護士は手がかかる」
フジテレビ系
金曜 午後9:00~9:58

取材・文/宮下毬菜(フジテレビ担当) 撮影/尾崎篤志



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