【7月29日発売「KISS&CRY」掲載】町田樹独占インタビュー!「知的な冒険を楽しんで」2020/08/01
7月29日に発売された「KISS & CRY 2019-2020シーズン総括・不屈の魂号(表紙・巻頭特集/宇野昌磨選手)」では、宇野昌磨選手を総力特集。独占インタビューでは、’19-’20シーズンをあらためて振り返るとともに、新シーズンへの意気込み、そしてファンへの感謝の想いなどをたっぷり語っていただきました。
また、「アーティスティックスポーツ研究序説 ── フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論」(白水社)を発表された町田樹さんの独占インタビューも! 今回はその一部を未掲載ショットと併せて公開します!
――著書「アーティスティックスポーツ研究序説」は、町田さんにとってどういった存在なのでしょうか?
「あとがきにも書かせていただいたのですが、フィギュアスケーターだった頃、私は『フィギュアスケートはスポーツか、それともアートか』という問題にとらわれ、苦しみました。その後、早稲田大学大学院スポーツ科学研究科の博士・修士課程で5年にわたって研究を行い、『フィギュアスケートとは、いかなる文化なのか』という問題に対して、自分なりの一つのアンサーを出しました。それが、この1冊となります」
――この本を、どんな人たちに読んでほしいですか?
「この本の特徴の一つは、さまざまな学問の分野を横断し、フィギュアスケートだけでなく、新体操やアーティスティックスイミング、ダンススポーツ、チアリーディング、バトントワリングなど、スポーツとアートの狭間にある“アーティスティックスポーツ”という文化を探究していることです。選手やコーチ、振付師などの立場から読めば、競技の創り手にとってのヒントが得られると思いますし、観戦者や競技を支える方々の視点で読んでも、また違った知見が得られるのではないでしょうか。アーティスティックスポーツに携わるすべての人に、読んでいただきたいです」
――「アートとは、スポーツとは何か」という哲学的な話から、フィギュアスケートにまつわる著作権や経済の話まで、幅広い内容を扱われていますね。読んでいるといろいろと疑問が浮かんで、次の章にはその答えが書いてある。深い内容ながらも、とても読みやすかったです。
「それは、何よりの称賛ですね! ありがたいです。そういう本だということをぜひ、もっと声高に言っていただきたいです(笑)。そこで浮かんだ疑問というのは、私自身が感じた疑問でもあり、本書は私が知的好奇心に身を任せてつづったものです。読者の皆さまにも、ぜひ“知的な冒険”を楽しんでいただきたいと思います。タイトルに『研究序説』とあるように、この本はまだ序章にすぎません。フィギュアスケートを含めたアーティスティックスポーツの文化がいかにあるべきか、今後どう発展していくべきかという議論のきっかけとなるのであれば、これ以上うれしいことはありません」
――新型コロナウイルス感染症拡大は、フィギュアスケート界にも大きな影響を及ぼしています。
「関係者は皆、さまざまな問題を痛感していると思います。トップの選手たちの多くは、海外の振付師にプログラムを作ってもらったり、海外のコーチの指導を受けています。こういった状況を考えると、やはり国内のフィギュアスケート産業を盤石にする必要性を感じます。現在、助成金など選手を育成する制度はありますが、振付師やコーチの育成制度は皆無です。フィギュアスケートは、選手の能力に加え、振付師の創作力とコーチの指導力という+αの力で競うスポーツですので、選手だけではなく、振付師に対する支援や育成も考えた方がいいと思います。国内で人材を育てる、その意識やマネジメント策が必要になるでしょう」
―― 試合の開催が危ぶまれるなど、マイナスの側面が大きいですが、これをきっかけにフィギュアスケート界にいい動きが生まれるといいですね。
「今回のことで、いろいろな問題が噴出しました。問題点が浮き彫りになったのなら、それを一つ一つ解消していくのみです。この逆境を、フィギュアスケート文化をネクストステージに押し上げていくきっかけにしてほしいと私は願っています」
このインタビューの全文は、7月29日発売の「KISS & CRY 2019‐2020シーズン総括・不屈の魂号(表紙・巻頭特集/宇野昌磨選手)」に掲載。ぜひチェックしてみてください!
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