松本潤、山田裕貴、杉野遥亮ら総勢12人の豪華キャストが集結!「どうする家康」ファン感謝祭~皆のおかげじゃ!イベントリポート2023/12/09
残すところ、あと2回の放送となった大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合ほか)のトーク&コンサートイベント「『どうする家康』ファン感謝祭~皆のおかげじゃ!」が東京・NHKホールで開催され、応募総数3万8701件、当選倍率は25.2倍という高倍率のイベントに当選した2844人の観客が集いました。今回は12月10日放送の「『どうする家康』ファン感謝祭~皆のおかげじゃ! Vol.1」に先駆けて、イベントの模様をリポート! ネタバレが気になる方は12月16日に放送される「~Vol.2」の後にご覧ください!
ステージに登壇したのは、徳川家康を演じる主演の松本潤さんをはじめ、酒井忠次役の大森南朋さん、本多忠勝(平八郎)役の山田裕貴さん、榊原康政(小平太)役の杉野遥亮さん、井伊直政役の板垣李光人さん、鳥居元忠役の音尾琢真さん、渡辺守綱役の木村昴さん、阿茶役の松本若菜さん、本多正信役の松山ケンイチさん。しかも、司会を大久保忠世役の小手伸也さんとNHK名古屋放送局の浅田春奈アナウンサーが務めるという豪華な顔ぶれ!
NHK交響楽団による「どうする家康」のオープニングテーマ曲で始まったイベント。観客のクラップ(拍手)が加わり一体となったステージに司会の小手さんと浅田アナが登壇し、イベントタイトル「『どうする家康』ファン感謝祭 皆のおかげじゃ!」のコールレスポンスで幕を開けました。
「殿~!」などと大歓声で迎えられた松本潤さんが「こんばんは!」と言うと、会場のファンも「こんばんは!」と大きな声で呼応。松本潤さんは「声が出せるっていいですね。皆さんとお会いできるのをすごく楽しみにしていました。短い時間になりますが、どうぞ楽しんでください」と笑顔であいさつ。その後、出演者と客席の触れ合いタイムが設けられると伝えられると、さらなる大歓声が。松本潤さんは客席にいた男の子に近づき、しっかり手を握って握手。すると木村さんから「殿、触れ合いすぎ!」とツッコミが。「触れ合いタイムって言うから…」と言いながら「どの武将が一番好きでした?」と尋ね、「徳川家康です」と即答され「やったね!」と満面の笑顔に。
これまで多くの地域をめぐりファンと触れ合ってきたことについて、松本潤さんは「うれしかったです。普段は『松潤~!』って言われる機会はありますけど、この作品をやらなかったら『殿~!』って声を掛けられることもなかったので、そういう意味では本当に特別な時間になりましたし、何より家康公が愛されているんだなとあらためて感じました」としみじみ。
最初のコーナーは、観客が選んだ「もう一度みたい あの名場面Best10」。登場シーンで常に何かを食べていたり、小道具を盗んでいるなど、正信に触れた場面が10位にランクインした松山さんは「正信は食べ物を持ち帰って、友達に『これ、殿からもらった豆。お前だけにやるって殿が言ってた』と渡すと、その人が殿のことが好きになるだろうと思って物色している」とすべては殿のためだと釈明。「いつもモグモグ食べていて太りませんか?」という質問に対しては「ほかの時はご飯を少なめにしています」と会場を笑わせていました。
家康と石田三成(中村七之助)の天体観測のシーンが7位にランクインすると、松本潤さんは「関ケ原の戦いで東軍と西軍に分かれて戦うのは史実上決まっているので、その手前の2人がどういう関係性だったらいいのかと脚本の古沢(良太)さんが考えを巡らせて、同じ方向を見ていた2人の思いが少しずつずれていくというふうに描いてくださいました」と印象的なシーンだったと告白し、「地図を見るところはアドリブでやっていたんですが、そういう会話も普段、僕と七之助がしゃべっているような、あうんの呼吸で芝居がやりやすかったです。それに歌舞伎をやっている人なので、友人ながら所作などで『すごいな』と思う瞬間がたくさんありました。かけがえのない友達と共演できたのはうれしかったです」と思いを打ち明けると会場から拍手が起こりました。
また、4位にランクインした「小牧長久手 徳川四天王」では、山田さんと杉野さんが演じた平八郎と小平太の“平平コンビ”がクローズアップされ、思い出話に花を咲かす山田さんと杉野さん。その際、杉野さんが一緒のシーンが多かった山田さんに「何か一緒にやりましたよね?」と不思議なコメントを繰り出したことから、「えっ!?」と思わず2人で顔を見合わせる場面も。
2位となったのは、「えびすくい」のシーン。モニターに映し出されると、会場から笑い声が。「えびすくいは何種類あったと思いますか?」と聞かれるも、一同答えられず、忠次としてえびすくいを踊りまくってきた大森さんが“えびすくい先生!”と振られるも、「全然分からない」と困惑。すべての「えびすくい」がモニターに映し出され、「現場で何回もやると汗びっしょりですよ」と大森さんが伝えると、松本潤さんも「僕もやったんですけど、1人きりで信長さん(岡田准一)の前で踊りきるから汗だくになって」と同意していました。
ランキング1位に輝いたのは「瀬名の最期」。「築山殿事件」で家康の正室・瀬名(有村架純)が自害したシーン。音尾さんが「実際に撮影現場で見ていても本当に悲しい時間でした。2人とも素晴らしかったです」と絶賛。松本潤さんは「この後、だいぶ引きずりましたね。準備の関係で撮影が1週間空いた時も、家康に起こったことなんだけど、演じている自分自身もすごくダメージをくらって、何日かたって車で移動している時にも思い出していました」としんみり。さらに、現在放送中の場面について、「今は家臣の皆もいなくなって、どんどん孤独になっていく家康が描かれていると思うんですが、今は亡き家臣や家族、友人、信長や秀吉(ムロツヨシ)などの武将に、どこかで『よくやったな』と褒められることがあったらいいのにと願いながら芝居をしていました」と終盤の撮影も振り返ります。
続いて、「どうする家康」テーマ曲の生演奏のために、ピアニストで作曲家の稲本響さんが登場。オファーの経緯を聞かれ、「おととしの夏に聞いて、『ちょんまげとピアノって合うのか?』と思いました。今回、家康公が年をとるとともにピアノの年代も変えているんです」と明かし、3曲を披露。
演奏後には、観客からの質問に直接出演者が答える「出演者への質問」コーナーへ。観客と出演者の架け橋となるのは、木村さん。客席を縦横無尽に駆け巡ります。「みんなが喜ぶ裏話・徳川家臣団への質問」では、アドリブをテーマに質問が繰り広げられました。持ち物について山田さんは「叔父上の忠真(波岡一喜)がひょうたんにお酒を入れて飲んでいたのですが、第19回から身に付けられないかという相談がいわゆるアドリブかなと。また、蜻蛉切(とんぼきり)を持って戦場にいるのが忠勝だと思っているので、セリフにはなかったけれども、ストーリーを崩さないようにセリフに蜻蛉切と入れたことはあります」と熱く語り、ここで木村さんが質問をした方に「山田裕貴のどこが好きですか?」と問いかけます。すると、一瞬詰まってしまい、山田さんは思わず「え? ファンじゃないんですか?」と聞き返して笑いを誘う一幕も。その後、小手さんが口火を切り、真面目なアドリブ談議で盛り上がりを見せました。
そして、次のキーワードは「甲冑(かっちゅう)」。質問されたのはまたもや山田さん。蜻蛉切からトンボが飛び立つシーンを見た感想を聞かれ、「蜻蛉切にトンボが止まった瞬間にスパッと切れたという逸話があるのですが、トンボが飛び立つというのは新たな解釈で、これから上り詰めていく徳川四天王や、殿のことを指しているのかなと自分なりには思っていました」と回答。質問者からは「切れるのかな?と思っていたんです」と返答があり、山田さんは「歴史の真実は一つじゃないと思うんですよ。忠勝は関ケ原の戦いで落馬しているんです。あれだけ重い鎧(よろい)を着ていたら、絶対にあざができていたはず。でも、それをかすり傷と言わなかったから、傷を負っていないことになっているということもあり得ると思うんです」と新たな視点を提案し、質問者をファンにしていました。
続いて、「正信はひょうひょうとしたしゃべり方をしていますが、それは脚本に書いてあるのか、自分で考えたのかどちらですか?」と聞かれた松山さんが「しゃべり方の指定はないけれど、古沢さんの脚本を読んでいると、セリフのチョイスがああいうふうに聞こえたんです。正信は最後まで登場するので、おじいちゃんになった時どうなるのかを試したかったというのもあるんです」と話し、「実際に見た時にどんなふうに思っていたんですか?」と松本潤さんに水を向けると、「エライ人が来たなと(笑)。山田孝之くんが演じる服部半蔵もいて、2人ともすごい独特のリズムでやるから『この2人と芝居するのは大変だな』と思ったけど、それぞれのキャラとどういうふうに芝居を成立させていくかを考えるのが楽しかった」と率直に答え、松山さんも「嫌われ者ということがあったので、とにかくみんなをヒリヒリさせようと思っていた」と役作りの裏側を明かしていました。そして、質問者に「僕のファンですか?」と松山さんが聞くと「松山さんがCMに出られているコンビニが好きなので」と返され、CMでおなじみのポーズをする松山さんでした。
その後、お市と茶々の2役を演じた北川景子さんと豊臣秀吉役のムロツヨシさんがサプライズゲストとして登場! 客席からは「うわーッ!」と歓喜の声が上がり、徳川VS豊臣のスペシャルトークがスタート。第32回の「小牧長久手の激闘」から秀吉が亡くなるまで続いたバトル。ムロさんは「松本“家康”殿から稽古したいと言われて、うちでやりました。松本さんが、病の秀吉が倒れたら家康が支えるという案を出して、それを監督が採用してくれて。ただ、本番はその支え方がラグビーのタックルかと思うくらい強すぎて…」と楽しそうに第39回の「太閤、くたばる」のエピソードの舞台裏を明かします。
一方、北川さんはお市と茶々の演じ分けについて「お市は難しく考えることがなく、尊敬している兄が好きな家康さまを初恋のように好きなったし、真っすぐな女性でやりやすかったです。茶々は、小川真由美さんが演じていらした茶々(大河ドラマ「葵 徳川三代」)のような迫力を出せたらいいなと。顔は変えられないので、声を変えられたらいいなと思いながら演じていました」と心掛けていたことを語りました。
お市をやっていた時から茶々を演じることが決まっていたのかと問われ、「最初から2役でオファーされて、古沢さんからも『1人が2役やるから意義がある』と言われたので、まずは後先考えずにお市を頑張ったのですが、どれだけの人が2役やることを知っているか分からないから、1回終わったふりをしました(笑)。その間に茶々の『ダーン』(鉄砲を撃つふり)を研究して…」と秘密裏に茶々役を準備していたと言います。するとムロさんが、「本当に皆に秘密だったんですよ。なのになぜだか、俺にだけ『茶々なの』って言ってきて」とリーク。1人で秘密を抱えているのがしんどかった北川さんは、誰かに言いたくなってしまったそうで、明かされたムロさんは心底驚いたとか。ほかにも、茶々と阿茶の激しいやりとりの裏話や、秀吉から見た茶々のエピソードなどをトーク。
終盤に向けての見どころを聞かれた松本潤さんは「家康という人物がどうやって乱世を終わらせるのかっていうのを最初からずっと言っていた作品で、ラスボスとなる茶々や秀頼(佐久間龍斗)とどういう思いで戦をし、どうやって天下を取り、どう感じるのかが見どころになります。そこを景子ちゃんを含め徳川家とバシバシやりながら描いていくので、ぜひ楽しんでいただけたら」とアピール。
イベントの最後には、稲本さんによるピアノ生演奏をバックに松本潤さんがあいさつを。「『どうする家康』を1年間楽しんでいただき、ご覧いただき、本当にありがとうございます。僕にとってこの作品に関わった時間は、かけがえのない時間、生涯忘れることのない時間となりました。この時間を経て、これから自分らしく、より表現を突き詰めていけたらと思っています。そして今日、この会場にお集まりの皆さん、全国でご視聴してくださった皆さん、皆さまのおかげでここまでやってくることができました。本当にありがとうございます。また、徳川家康公を愛する東海地方をはじめ、ゆかりの地の皆さま、この作品が放送されたことによって、より家康公が愛され、皆さんの生活がより活性化され、豊かになることを願っております。最後になりますが、全出演者の皆さま含む全スタッフの皆さま、皆さまと一緒に仕事ができて光栄でした。皆さまと一緒に作ったからこそ素晴らしい作品になったと思っています。本当にありがとうございます。残すところあとわずかになりましたが、大河ドラマ『どうする家康』、最後の最後まで楽しんでいただけたらと思います」と感謝の言葉を述べて締めくくり、イベントは幕を閉じました。
【番組情報】
大河ドラマ「どうする家康」ファン感謝祭~「皆のおかげじゃ!」~Vol.1
NHK総合
12月10日(日)午後5:30~6:00
大河ドラマ「どうする家康」ファン感謝祭~「皆のおかげじゃ!」~Vol.2
NHK総合
12月16日(土)深夜0:40~1:40
大河ドラマ「どうする家康」
NHK総合
日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BSプレミアム4K
日曜 午後0:15~1:00ほか
NHK BS・NHK BSプレミアム4K
日曜 午後6:00~6:45
取材・文/K・H 撮影/蓮尾美智子
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