「泥濘の食卓」でサレ妻役の戸田菜穂。演じるふみこは「優しすぎて弱くてもろい人。私はなにくそ精神があるので、はねのけちゃいますけど(笑)」2023/12/09
テレビ朝日系で現在放送中の「泥濘の食卓」。SNSで話題沸騰の伊奈子氏の同名漫画をドラマ化した、齋藤京子さん主演でおくる前代未聞のパラサイト不倫ドラマです。抑圧が強い母親のもと、否定され育てられてきた捻木深愛(齋藤)は、不倫関係にあったアルバイト先の店長の那須川夏生(吉沢悠)に突如別れを切り出されたことで、「私は、やっぱり…店長と幸せになりたい」と彼女の“愛”が暴走。那須川だけでなく、彼の妻・ふみこ(戸田菜穂)や息子のハルキ(桜井海音)を巻き込む展開がこれまで描かれてきました。
深愛は、那須川の妻・ふみこの病気が治れば那須川と自分の幸せな結婚生活が待っていると思い込みます。そして、存在しない悩み相談の団体を名乗ってふみこに近づき、一家がそろう食事会にまで招かれるほどの信頼を得ていきます。
原作の漫画を先に読んだというふみこを演じる戸田菜穂さんは、「独特の世界観で、本当にぬかるみのような何か」を感じたといいます。そして「作品のトーンは少し不気味だけど、すごく“人間”が描かれているので、それをリアルに表現できたら」との思いで撮影に臨んだそう。
病気になり、自宅に引きこもってしまうふみこについて、「たぶん打たれ弱い人なんだろうなと。誰よりも優しい人だとも思っています。エキセントリックではなく、ふわんとしている女性で、ちょっとかわいくて弱くてもろい。私はなにくそ精神があるので、はねのけちゃいますけど(笑)、それができない人たちもいるんだと思います」と気持ちをおもんぱかる戸田さん。
さらに、「過食に走って、ますます自分が大嫌いになっていく気持ちにも寄り添いたいし、そういう弱さやもろさが出せたらいいなと。自分のことが嫌いになったらすべてがどうでもよくなって、部屋もぐちゃぐちゃで、汚れた服で人にも会いたくなくなると思う」と、ふみこの心情を表すために見た目にもかなりこだわったそう。確かに、第3話、第4話のふみこは、家事もできず、自分の身だしなみにも気を配れない様子でしたね。
そんなふみこを演じる戸田さんご自身は、役柄とは対照的だとか。「“ぬかるみ”は回避するようにしていて、気持ちがざわざわするようなところに行かずに避けています。人間関係もそうですが、爽やかなところにいたいので、気持ちがいいところや奇麗な澄んでいるところで、すがすがしく生活したいと思っています」と話し、「『今日はここを片付けよう』と決めて片付けるのが大好きなんです。それで『さあ頑張ろう』と思えるので、自分の気分を上げることは簡単。何か楽しいことを見つけて明るく過ごした方が生きやすいし、落ち込んでいる時間がもったいないです」と朗らかに生きる極意も明かします。
夫の不倫や妻の病気、そして息子・ハルキの不登校と、それぞれが問題を抱えている那須川家に対しては「家族なので自分を出してもいいし、取り繕う必要はないけれど、1人不機嫌な人がいると伝染すると思うんです。ふみこさんの家族は、誰がきっかけか分からないけど、ぬかるみにはまっている状態ですね」と彼らに対して思うことも。
また、那須川家だけでなく、深愛の母・美幸(筒井真理子)も娘の人格を否定するなど、いわゆる毒親であることから「お母さんが明るい家庭がハッピーだと思っているんです。なるべく子どもたちには自信が持てるような言葉を言うように心掛けています。子どもの未来は無限大ですし、ポジティブな大人になってほしいんです。私が母に褒められて育ったので、将来を楽しく夢見る、そんな家庭にしたいと思っています」と自身の家庭で意識していることを告白。
最後に、「主人公の深愛さんの名前の通りの深い愛が、時に人を狂わすことも。深愛さんも独特な親御さんに育てられていますが、いろんな要因があってその人たちも存在するので、登場人物の生きてきた過程もしっかり見ていただきたいです」と今後の注目ポイントをアピール。
深愛と出会ったことにより、徐々に前向きな気持ちを取り戻し始めたふみこ。しかし、このままで終わるはずがありません。深愛が夫・夏生と不倫をしていることを知った時、彼女はどうなるのでしょうか?
【番組情報】
土曜ナイトドラマ「泥濘の食卓」
テレビ朝日系
土曜 午後11:30~深夜0:00
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取材/K・K(テレビ朝日担当) 文/K・H 撮影/蓮尾美智子
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