「18歳、新妻、不倫します。」初のヒロインに挑む矢吹奈子、自身に訪れた“18歳での大きな変化”を振り返る2023/10/14
藤井流星さんが地上波連続ドラマで9年ぶりの主演を務める「18歳、新妻、不倫します。」(テレビ朝日ほか=ABCテレビ制作)。累計発行部数130万部を突破した本作は、高校卒業と同時にお見合い結婚が決められていた「三条グループ」本家の一人娘・三条明花(矢吹奈子)が、本物の恋を見つけるために幼い頃からボディガードとしてそばにいた藤宮煌(藤井)に、お互いが恋愛OK=不倫OKの“偽装結婚”を持ち掛けることから始まるラブコメディーです。
いよいよ始まる「新妻不倫」こと「18歳、新妻、不倫します。」でヒロイン・明花を演じるのは、今年4月にHKT48を卒業し、女優としての第一歩を歩み始めている矢吹奈子さん。クランクイン前に矢吹さんに話を伺うと、演じる明花には「かわいらしさの中にカッコよさがある子」と笑顔に。ドラマだけでなく、さまざまな現場を通して“変化”が訪れているという矢吹さんに、現在の心境を語ってもらいました。
――「癒やしのお隣さんには秘密がある」(日本テレビほか)に続いて、2クール連続でのドラマ出演になりますね。
「…そう言われるとちょっと緊張しますね(笑)。たぶん、どの現場でも緊張してしまうとは思うのですが、あまり緊張しすぎると自分としてもよくないので。でも、クランクインする前にこうやってスタッフさんや藤井さんとお会いしたことは今までなかったかもしれないです。なので、気持ちとしては少しリラックスできています」
――今回、初のヒロインというだけでなく、令嬢役を演じることになりますが、役にはどんな印象を持たれましたか?
「自分にすごく正直な子だなと思いましたね。よく笑って、よく泣いて、よく怒って、煌に対してもすごくわがままを言って、感じたものを素直に伝えられる。だけど、その中でも明花は明花なりに考えていることもあって、しっかりした部分もあるのかなとも思うので、かわいらしさの中にカッコよさがある子だと思っています」
――これほど喜怒哀楽がはっきりしている役は、矢吹さんにとっても初めてではないでしょうか?
「そうですね、ここまで完全にはっきりしている役はなかったかもしれないです。本当に分かりやすい子ですよね(笑)」
――ご自身との共通点はありますか?
「考えていることは似ているものが多いかもしれないのですが、居酒屋のシーンで、自分の友達に告白してきた男の子が裏で明花に電話番号を聞いてきて『え、私の友達に告白したんじゃないの?』と言う明花に、『あれは間違っちゃったんだよね。明花ちゃんがかわいいと思ったから』と返すんです。そこで『自由に恋愛できるんだから、真剣に恋愛しなよ!』と伝えられる明花はカッコいいですよね。そう思っていたとしても、私は行動に移せなかったりするので、そうやって伝えられる明花ってすごいです」
――逆に「ここは違う」と感じる部分はありますか?
「私は明花のように気持ちをそこまで押し出さないかもしれないです。特に、怒った時は自分なら(気持ちを)押し殺してしまうことが多いので。怒りをぶつけることの方がカロリーを消費してしまうと思うので、だったら自分の中で消化した方が楽だなと思うことも多いんです。時と場合によるのかもしれないのですが、人に言ったら反発される可能性を想像してしまうんですよね。そこが明花とは違うかもしれないです。明花はいい意味で周りの目を気にせず、人前でも普通にイチャイチャできる、思うがままに生きている子なんでしょうね(笑)。でも、それがすごくいいなとは思いましたし、めちゃくちゃ憧れます」
――原作は読まれましたか?
「読みました! いや〜、衝撃でした。まずタイトルを見て、『不倫のお話なんだ』と思って読んでいたんです。そうしたら王道のラブコメが始まったので、『なんだ、こういう感じか。幸せなエンディングが待ってるぞ』と思って安心して読んでいたら…すんなり裏切られましたね(笑)。物語が進むにつれて、煌の過去が明かされた時は本当にびっくりしましたし、明花としての気持ちで読んでいたので、悲しい気持ちにもなりましたね」
――最初にタイトルを見た時と、原作を読み終えた時とでは、作品の印象がガラッと変わりますよね。
「でも、お話自体を客観視するとすごく面白い展開ではありますし、だからこそやっていて絶対に楽しいだろうなと思いました。ただずっと幸せが続いていくだけではない方が、見ていても演じていても面白いのかなと思います」
――既に本読みを行われたとのことですが、いかがでしたか?
「1話の本読みをやった時は、煌と明花のギャップというか、身長も含めて高低差があると思うので、その掛け合いをうまくできたらなと思いました。本読みで何回か繰り返してやらせてもらって、監督からも指示をいただいて、少しずつ『こういう感じかな』とつかめてきましたし、実際に動いてみて、煌とも息ぴったりな掛け合いができたらと思います」
――今回、主演の藤井さんとは初共演になりますね。印象の変化などはありましたか?
「めちゃくちゃ変わりました! もともと煌のようなちょっとクールであまりしゃべらない方なのかと思っていたのですが、『静かに思われがちだけど、めちゃくちゃしゃべる』ということを今日知りました!(笑)。『どんどん抜けているところがバレていくと思う(笑)』とおっしゃっていたので、『あ、こういう方なんだ。意外だな』と思って。クールでサバサバというよりも、ほんわかした方なのかなと思います。柔らかい空気が流れている感じがありますね」
――お二人の掛け合いも楽しみです。藤井さんと「こんな作品にしていきたい」というイメージなどはありますか?
「キュンキュンするシーンがたくさんあるので、マンネリ化させないように、いろいろな見せ方ができたらいいなと思いますね。本当に、驚くくらい(キュンキュンするシーンが)あるんです。『この2人、またやってる(笑)』と思われないように、いろいろな角度から攻めていきたいです」
――ちなみに、矢吹さんもアクションシーンがあるとか。事前に準備されたり、アクション指導などはあったのでしょうか?
「原作を読んでいても一瞬で終わってしまうシーンなので、『どうしよう…』と思っているのですが、カッコいい動作を身につけたいですね。唯一のアクションシーンなので、カッコよく決めたいです。でも、着物も着ているので、アクションもあってキュンキュンもあって…感情がめちゃくちゃになりそうですね(笑)。序盤はそこが一番ハードかもしれないです」
――明花にとっては煌がキーパーソンになっていきますが、矢吹さんから見て、煌の魅力はどのように感じていますか?
「明花がわがままを言っているのに、それをいつも受け止めてくれる煌って本当に優しいと思いますし、たまに見せる笑顔にキュンときちゃいますね。原作を読んでいても…最高でした(笑)。あと、これは撮影で楽しみなところでもあるのですが、煌がちょっと嫉妬しているように見えるシーンがあるんですね。そこは私がめちゃくちゃキュンとくるというか、明花が男の子とデートに行った後に『なんかされた?』と聞く煌に、『いや、何も?』みたいな感じで返事をしたら、『間がありましたね』と返されるんです。そのシーンは『あ、嫉妬してる! 煌も嫉妬するんだ!』と感じましたし、あまりそういう顔を見せないからキュンときて、女性のスタッフさんとも『分かる!』と言い合っています(笑)」
――煌の放つキュンゼリフで、印象に残っているものを教えてください。
「結婚式のシーンで、『は? 俺は好きな女が傷つけられているから怒ってんだけど』と言うセリフがあって、そこで初めて煌が明花に『好き』って言うんですね。そのシーンは原作を読んでいてもハッとさせられました」
――煌が明花に思いを伝えるところから物語も大きく動き始めますが、煌のように「身近な人から好意を寄せられる」というシチュエーションには、矢吹さんはどんなことを感じますか?
「私はお姫様(おひいさま)ではないので、絶対に同じ状況になることはないのですが、まずびっくりして明花と同じリアクションになるかもしれません。一瞬動揺して『いやいや、そんなわけない』と思っちゃいますね(笑)。でも、明花は『好き』と言われてから完全に意識し始めているので、『好き』と言われてからその人のいいところにどんどん気付いていけるという意味では、一度『好き』と言ってみるのもありなのではないかとは思います」
――煌から好意を伝えられても、なかなか素直になれない明花もかわいらしいですよね。そんな明花に矢吹さんから何かアドバイスを送るなら、どんな言葉をかけますか?
「わざわざ『好きになれ!』とは言わないですけど、あることをきっかけに煌のことを求めるシーンで、急にドギマギしてサングラスをかけ始めたりしたところは、『大丈夫だから!』と言ってあげたくなりました(笑)。あのシーンも『あんな格好するの?』と思えて、面白かったですね。ドラマでは、サバサバしている明花、ちょっと変な格好をしている明花、『今日は、初夜を迎えましょう』と言い始める明花、いろいろな明花を見られると思います。自分でもちょっとアホらしいとは思いながらも(笑)、そこも含めてかわいいと思ってもらえるように演じられたらと思います」
――ここからは、ドラマタイトルに入っている“18歳”というワードにかけた質問をさせていただければと思います。矢吹さんにとっての18歳というと、IZ*ONEのメンバーに選ばれたタイミングだったかと思います。
「自分の中でめちゃくちゃ変化が訪れて、ガラッと環境が変わった年でしたね。その年に韓国のアイドルグループのオーディション番組に出て、韓国に引っ越すことにもなって。その前に、AKB48の総選挙で初めて選抜の16位以内にも入ることができたんです。それまではすごく伸び悩んでいた時期だったので、18歳で自分の夢がかなえられたり、新しい夢に向かって一歩踏み出せたりした、変化の年だったと思います」
――18歳で訪れた大きな変化の中での経験が、今生きていると感じることもありますか?
「最近、MCをやらせていただく機会が多くて、韓国語と日本語を織り交ぜながらも話すことも多くなってきたことには生かせているのかなと思います。ラジオでも、ゲストで韓国の方が来てくださる時は通訳なしなので、韓国語でお話された時は、私が簡単に日本語に訳して伝えるということも段々とできるようになっているところです。やっぱり、話すことと通訳することって全く別物なので、通訳しながらしゃべることってすごく難しいです。今はそこも勉強中ではあるのですが、まず韓国語が話せるようになったことはすごく大きいことだったのではないかと思いますね」
――ちなみに、「新妻不倫」では、明花が大学の新入生歓迎会などに憧れるようなシーンもありますが、もし矢吹さんが芸能の道に進まなかった時、18歳という時期にやりたかったことは何かありますか?
「私、美容の学校に行きたかったんです。もともと『美容師になりたい』という夢もあったので、たぶん美容学校に行っていたんじゃないかと思います。クラシックバレエを習っていたのですが、その時から自分で髪をセットするようになって、それがすごく楽しいと思っていたんです。よく妹とも美容師ごっこをやったりして、わざわざドアを開けて『いらっしゃいませ〜』と迎えるところからやっていました(笑)。妹の髪も三つ編みにしてあげたり、 人の髪の毛をセットすることが好きでしたね」
――いつかは美容師役をやってみたいという気持ちも?
「美容師役もやってみたいですし、アクションもやってみたいですね。でも、アクションを含めて経験したことのないものが私にとってはすごく多いんです。アルバイトもやったことがないですし、学校生活もみんなが感じるような青春をそこまで経験してないと思うので、だからこそ何でも楽しくできちゃいそうな気がします。みんなが今までやってきたことを、ちょっと追体験できる感じが楽しそうだなと思います」
――役者ならではの特権ですよね。
「そうですね。いろいろな職業の人を経験できることって、大変なことも多いと思うのですが、そういう方たちの気持ちも分かりたいなと思うので、いろいろ挑戦していきたいです」
――いよいよドラマ「新妻不倫」がスタートします。最後にあらためて、作品の注目ポイントや矢吹さんが感じている見どころを教えてください。
「全体で見ると、やっぱり展開が急激に変わるところ、前半と後半のギャップを楽しんでいただけたらなと思いますね。前半でめちゃくちゃキュンキュンしていただいて、そこから“ある裏切り”を通じて明花にとっては結構苦しくなるかもしれないのですが、みんなそれぞれ過去や嫌な思い出もあると思うんです。“復讐(ふくしゅう)”というワードがある作品が、私自身初めてなので、見るのも楽しみです。原作を読んでいない方も、ドラマを見た後に読むとそのギャップが面白いと思うので、1話たりとも見逃さないでいただきたいです」
◎取材後記
メインビジュアルの着物姿から、可憐なワンピースでの写真撮影に、撮影時には見守るスタッフから矢吹さんに「かわいい…!」という声が続出。そんなほのぼのした雰囲気のまま始まったインタビューも、飾らず自然体な様子が印象的でした。ちなみに、本作が「新妻不倫」と略称されることを知らなかった矢吹さん、「『新妻不倫』っていうんですか!?」と驚きを見せながらも、「どうやって略すのか、すごく気になっていたんです!」と笑顔を見せていました。
【プロフィール】
矢吹奈子(やぶき なこ)
2001年6月18日生まれ。東京都出身。13年にHKT48第3期生オーディションに合格し、翌年からHKT48として活動。18年に韓国で開催されたオーディション番組「PRODUCE48」に参加し、IZ*ONEのメンバーに選ばれる。同年10月からは期間限定の日韓合同グループ「IZ*ONE」として専任活動を開始する。21年5月にHKT48に復帰。今年4月にグループを卒業し、本格的に俳優活動を始動させている。主な出演作に「沼る。港区女子高校」(日本テレビほか)、「癒やしのお隣さんには秘密がある」(日本テレビ)など。IZ*ONE時代に習得した韓国語のスキルを生かし、イベントなどでMCを務めるほか、「レコメン!」(文化放送)ではラジオパーソナリティーとしても活躍している。
【番組情報】
ドラマL「18歳、新妻、不倫します。」
テレビ朝日
10月14日スタート
土曜 深夜2:30〜3:00
ABCテレビ
10月15日スタート
日曜 午後11:55〜深夜0:25
※ABCテレビでの放送終了後、TVerで最新話を見逃し配信。
【プレゼント】
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【締切】2023年11月10日(金)正午
【注意事項】
※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/尾崎篤志 ヘアメーク/征矢杏子
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