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「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」。難題に真摯にぶつかり作り上げた自信作「時をかけるな、恋人たち」取材会リポート2023/10/10

「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」。難題に真摯にぶつかり作り上げた自信作「時をかけるな、恋人たち」取材会リポート

 10月10日スタートの連続ドラマ「時をかけるな、恋人たち」(フジテレビ系=関西テレビ制作)の合同取材会に、吉岡里帆永山瑛太が出席した。

「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」。難題に真摯にぶつかり作り上げた自信作「時をかけるな、恋人たち」取材会リポート

 ヨーロッパ企画・上田誠のオリジナル脚本となる本作は、吉岡演じる主人公・常盤廻(ときわ めぐ)と、永山演じるタイムパトロール隊員・井浦翔(いうら かける)が、違法に時をかけてくる恋人たちを取り締まりながら、時空を超えた本気の恋に落ちていく姿を描く、タイムパトロール・ラブコメディー。

「今まで俳優をやってきた中で、一番難しかった役」

「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」。難題に真摯にぶつかり作り上げた自信作「時をかけるな、恋人たち」取材会リポート

 「恋をした時のエネルギーが湧いてくるような、パワーを込めたドラマにしたいよね」と、監督と話し合いながら作り上げたと明かす吉岡。続けて「ぜひ第1話を! 本当に見てほしいなと思います」と心を込めて呼びかける。

 一方、永山は「今まで俳優をやってきた中で、一番難しかった役です。それは“つじつま合わせ”をしないといけないということが、人間にとってどれだけ窮屈かということ。そして、“人の気持ちを動かすのはこんなに難しいんだ”ということを、演じている時にあらためて考えていて。僕は毎回『この役、難しい』と思うのですが、今回は本当に超難解な台本で。自分がどこまで理解できているか、分からなかったんです。でも、一つだけ。一貫して、“吉岡里帆さんという人を信じてやる”ということ。それだけを貫き通して僕は現場に向かって、毎日、翔という人物を演じました。でもカメラが回った時、初めて『俺、ここにいていいのかな』って思ったんです」と胸の内を語る。

 そこから「この違和感は、僕が未来人を演じているからこそなんだと。『そっか、この現実の中にいちゃいけない人間を演じているからこそ、こんなに違和感があるんだ』って、途中から気づいて。第1話から、その“バグ”がちゃんと切り取られていると思います」と、自分なりにその違和感をひもといた様子を見せつつ、作品への自信をのぞかせた。

「吉岡里帆さんって、人間能力のレベルが違うんです」

「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」。難題に真摯にぶつかり作り上げた自信作「時をかけるな、恋人たち」取材会リポート

 初共演の2人。永山は、吉岡に対する絶大な信頼と尊敬を真正面から言葉にする。「吉岡里帆さんって、人間能力のレベルが違うんです。僕はどうしようもない気持ちになっちゃいました。お芝居よりも“人”を大事にしている。お芝居はもちろんしっかりやられているのですが、“人としてどういるか”というところに重きを置いている方だなと。こんなに人格者の女優さん、ほかにいないです。初めましてのスタッフさんも多い中、すごく和ませてくれて…。柔軟性と、包容力と、柔らかい、優しい思いがあるから、ゲストの方はみんな吉岡さんに癒やされて帰っていくんです。僕は最終回まで一緒にいられて。本当に吉岡さんだから、この現場を最後までクリアできました。吉岡さんの人柄がすごく表れている、ピュアなドラマだと思います」。

 廻と翔は、かつては恋人同士。時を超えて、未来から再び会いに来た翔だが、廻は全く覚えていない――。そんな関係性を演じた吉岡は「翔は一挙手一投足、全部が気になるんです。ずっと見てたいし、目が離せない人。それが翔の最大の魅力です。あとは、ずっと愛を伝えてくれるんです。言葉はもちろんなのですが、視線の一つ一つにも愛があって。こんな人ほかにいないし、絶対に離しちゃいけない人。廻がそう思ったように、私も翔のような人に出会ったら、びっくりしちゃうと思います」と、永山が演じる翔というキャラクターのいとおしい一面について話し、柔らかな笑顔を見せる。

「これは吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」

「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」。難題に真摯にぶつかり作り上げた自信作「時をかけるな、恋人たち」取材会リポート

 すでに撮了を迎えている本作。撮影の日々を振り返り、「僕は、座長の吉岡さんの船に乗ってただけです。僕がどこに行こうとしても、うまく引き戻してくれる」と永山。すると吉岡は「私のイメージはちょっと違って。私が船だとしたら、瑛太さんは面白い島に連れて行ってくれる人。『こっちだよー!』って言ってくれている瑛太さんに、私は操縦を、焦点を合わせていくような作業をしていました。第1話から11話までいろんな島に行くんですけど、どの島も面白くなったのは、やっぱり瑛太さんのパワーとお芝居の力だと思います。私1人じゃどうしようもできなかったこのSFラブコメという難しい物語を、最高の場所に連れて行ってくれた方だなと思います」と目いっぱいの感謝を言葉で返す。

 難しいジャンルの作品に、真摯(しんし)に向き合った2人。最終回での大事なセリフは、永山が「全部自分で書いた」という。「『翔は廻に対して、こんなこと言わない』と思って、自分で書いて、監督とプロデューサーさんにぶつけました。吉岡さんも『そっちでもいいよ』って言ってくださって。上田さんには内緒です(笑)」という永山に、「たぶんバレてます(笑)」と吉岡。2人で一緒に考えた部分もあるそうで、吉岡も「違和感があるところは2人で(セリフを)直した」と明かす。

 最後には「これは吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる。役者人生の中で、一番の作品」と言い切る永山。そんな永山の隣で吉岡は笑いながらも、「今は1クール、ドラマが30本以上あると聞いて。差別化を図らないといけない時代ですが、このドラマは“全部違う”んです。頭から終わりまで、全部違います。これまでの歴代のドラマと比較しても、見たことがないものになっていると思います。大人たちが面白がりながら、いろんな知識と経験を費やして作ったドラマなので、きっとこの思いが届くと信じています」と柔らかくも強く、真っすぐなまなざしで取材会を締めくくった。

「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」。難題に真摯にぶつかり作り上げた自信作「時をかけるな、恋人たち」取材会リポート
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「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」。難題に真摯にぶつかり作り上げた自信作「時をかけるな、恋人たち」取材会リポート

【番組情報】

「吉岡里帆と永山瑛太の代表作になる」。難題に真摯にぶつかり作り上げた自信作「時をかけるな、恋人たち」取材会リポート

「時をかけるな、恋人たち」
10月10日スタート
フジテレビ系
火曜 午後11:00~11:30

取材・文・撮影/宮下毬菜(フジテレビ・関西テレビ担当)



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