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「西村京太郎トラベルミステリー72」高橋英樹が語るシリーズが愛される理由2020/07/26

「西村京太郎トラベルミステリー72」高橋英樹が語るシリーズが愛される理由

――40年以上の歴史の中で初めて北海道・新十津川町で、そして廃線となった札沼線を使っての撮影でした。

「札沼線は1車両の電車なんですよね。畑の中をずーっと走っていく様子になつかしさを感じると同時に、廃線になってしまうという寂しさがありましたね。札沼線の関係者の方にも協力していただいて、時間外に走らせていただいたりしたんです。特別にやっていただきました。協力なしには完成しなかったので、ありがたかったです」

――視聴者の皆さんにも、畑の中を真っすぐ走る様子を楽しみにしていただきたいですね。さて、北の大地・北海道で撮影だったとのことですが、南の方で「トラベルミステリー」の撮影は行われないのでしょうか。

「南の方面にも行きたいんですけど…ドラマ的にいうと悲しくないんです! 北は電車が走っているだけで寂しさや心にクゥ~ッとくるものがあるんですけど、南の方はなんというか…ピクニックになっちゃうんです(笑)。のんびりするんですよ。だから犯人は南に逃げちゃダメなんです! 北に逃げてもらわないと(笑)。僕の好みですけどね、ドラマチックになる気がします。雪がチラチラと降って、音楽が流れるだけで悲しさが増すんですよ」

――長年演じられているからこそ、北の方がより作品が魅力的に見えると感じられているんですね。そして、今年で高田純次さんとバディを組まれて8年ほどになりますね。

「西村京太郎トラベルミステリー72」高橋英樹が語るシリーズが愛される理由

「純ちゃん(高田)とは今回も毎晩、監督も交えて食事しました。昔話とかしながら、3時間以上しゃべってましたね。彼は日活のあった(東京の)国領というところで生まれたらしくて、僕が日活の話をすると嬉々(きき)として聞いているんです。昔話、映画の話、舞台の話…芸談みたいになっちゃいますけど、毎日みんなでワイワイしゃべってコミュニケーションをはかってます。最後は『明日もセリフあるから早く寝ようぜ!』って言いながら帰ってましたね」

――それもロケの醍醐味の一つなのかもしれないですね。今作ならではの撮影中のエピソードはあったりしますか?

「撮影中はとにかくバタバタとしてました。せわしない監督でございますので(笑)。8時開始というと、7時45分には『よーい!』と言ってる監督なんですよ!」

――だいぶ早いです…!

「でしょう! 全員が分かっているので早めに行くんですけど、8時には2番手の撮影が始まってたりするんですよ。私は、村川(透)監督のチーフ助監督と言われてましてですね。段取りから何から、監督の意向を聞いたら『カメラこっち~』『照明はここかな?』って伝達する役割も、人よけも全部やってますね」

――高橋さんがすべてされるんですか!?

「全部やりますよ。仕事がスムーズに行くためには伝達することが大切なんです。私は声が大きいので『こういうカットでこういうの撮りまーす!』って言うと、みんなが分かってくれるからね。大チーフ助監督とか監督が言ってくれますけど、こうやって一緒になって作り上げるのは撮影の醍醐味ですから。でもね、監督はすぐ怒るんですよ(笑)。ちょっと遅れるとすぐ怒るから! 監督を怒らせないようにすることも仕事です(笑)」

――すてきなチームであることが伝わってきます。

「冗談はさておいて、本当に今回も町長以下全員が協力してくれて、いろいろな場面で登場してくれているんです。とてもありがたかったです。皆さん、『えー! このシーンすごいね。消防車2台来てるよ!』みたいな感じでしたよ(笑)。普段は2台通ることないんでしょうね。各所で皆さんの協力を得ながら撮影ができて、いい作品になったなと思ってます」

「西村京太郎トラベルミステリー72」高橋英樹が語るシリーズが愛される理由

――最後に、これだけ長く「トラベルミステリー」が愛される理由を教えてください。

「このドラマは日本人の原点なのかなと。日本人の根底にある思いとかを、西村先生がうまく描かれているんです。だから共感しやすいんだと思います。そして、十津川は検挙率100%なんです! 2時間の間にちゃんと検挙できるというストーリーも、安心して見てもらえる要因の一つなんじゃないかなと思いますね」

――72作目の今作も楽しみにしています! ありがとうございました。

【プロフィール】

高橋英樹(たかはし ひでき) 
1944年2月10日生まれ。千葉県出身。61年、高校在学中に日活ニューフェース第5期として、日活株式会社に入社。同年に公開された映画「高原児」でデビューする。68年にNHK大河ドラマ「竜馬がゆく」で時代劇初出演を果たし、時代劇俳優としての地位を確立。芸能生活50周年を迎えた2011年にはアニメーション映画「劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ ビクティニと黒き英雄ゼクロム・白き英雄レシラム」でアニメ声優にも初挑戦した。近年は、ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(テレビ朝日系)、「再雇用警察官」(テレビ東京系)などに出演している。

【番組情報】

「西村京太郎トラベルミステリー72」高橋英樹が語るシリーズが愛される理由

「西村京太郎トラベルミステリー72」
テレビ朝日系
7月26日 午後9:00~10:54

テレビ朝日担当 Y・O

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