【WATCH的イケメン図鑑】Vol.59 キット・コナー2023/09/24
けなげな魅力を放つ体育会系男子
世界23カ国以上で翻訳されたアリス・オズマンのベストセラーコミックを原作に、悩める高校生たちの日常を追った「HEARTSTOPPER ハートストッパー」。恋や友情にもんもんとする姿がとてもキュートな登場人物たちの中でも、とりわけ放っておけないのがキット・コナー演じるニック。同じ学校に通うチャーリーに恋心を抱いたことから、自身の性的志向やアイデンティティーの問題、それらに伴う高校生活のあれこれに悩むニックがけなげな魅力を放っている。
そもそもニックはどんな男の子かというと、一言で言うなら爽やかなスポーツマン。ラグビー部に所属していて仲間からの信頼も厚く、穏やかで優しい彼の周りにはいつも大勢の友達がいる。そんなニックが授業で隣になったチャーリーと仲良くなり、やがて友情以上の感情を抱くようになったことから物語が大きく動き出し…。「この気持ちはなんだろう?」「自分は彼のことが好きなんだろうか?」といったクエスチョンが、ニックの頭の中をぐるぐると回り始め、心のどこかを揺さぶるようにもなっていく。
大好評を博したシーズン1では、今までは自覚したことのない感情の訪れに戸惑いながらも、その気持ちと実直に向き合うニックの姿が丁寧に描かれていた。もちろん、ニックがチャーリーのことを思うのと同じくらい、ニックのことを思うチャーリーの気持ちも。チャーリーにはゲイの自覚があるが、そのことが原因で傷ついた過去を背負っている。そんな2人のモヤモヤやソワソワ、そして最も大切なドキドキを経て、シーズン2では彼らの関係がより確かなものに。ただし、自分の中にある「好き」と向き合うのが最大の課題だった前シーズンに対し、“関係”を築いた彼らの悩みには、今や他者が絡んでくることも。修学旅行先のフランスでイチャイチャするのは…とてもかわいいとして(第4話以降をお楽しみに!)、ニックがカミングアウトに悩むこともあれば、チャーリーの過去の傷の深刻さが浮き彫りになるような局面も訪れる。
ニック役のキット・コナーは9歳から子役として活動しており、複雑な心情を演じるのにも長けた実力派。澄んだ瞳の輝き一つ、キュッと上がった口角一つで、ニックのピュアな恋心を表現している。悩みの一つ一つと誠実に向き合おうとする姿も、チャーリーを見つめる優しいまなざしも…よいのです❤︎ そして、キットがチャーミングに演じるニックだからこそ、彼の青春を応援したくなるのも必然。大いに悩みながらすてきな高校生活を送ってね、ニック!
【プロフィール】
キット・コナー Kit Connor
2004年3月8日生まれ。イギリス出身。ジム・ブロードベントらと共演した「ゲット・サンタ! 聖なる夜の脱獄大作戦」(14年)でスクリーンデビュー。映画「ロケットマン」(19年)では10代の頃のエルトン・ジョンを演じ、高い評価を得た。そのほかの出演作に「戦争と平和」(16年)、「SS-GB ナチスが戦争に勝利した世界」(17年)、「喜望峰の風に乗せて」(17年)、「レディ・プレイヤー1」(18年)、「ガーンジー島の読書会の秘密」(18年)、「リトル・ジョー」(19年)など。ドラマ「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」(19~22年)では、主人公ライラの守護精霊である“パンタライモン”の声を担当している。
【番組情報】
Netflixシリーズ「HEARTSTOPPER ハートストッパー シーズン2」(全8話)
Netflixで独占配信中
文/渡邉ひかる
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