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【「仮面ライダーギーツ」SPインタビュー】「浮世英寿じゃない時でも、簡はヒーローでした」――ライバルとして高め合ってきた簡秀吉と杢代和人が作品を振り返る2023/08/24

【「仮面ライダーギーツ」SPインタビュー】「浮世英寿じゃない時でも、簡はヒーローでした」――ライバルとして高め合ってきた簡秀吉と杢代和人が作品を振り返る

 テレビ朝日系で放送中の「仮面ライダーギーツ」。街の平和をかき乱す謎の存在・ジャマトと戦うリアリティーライダーショー「デザイアグランプリ」を舞台に、「黎明編」「邂逅編」「謀略編」「乖離編」「慟哭編」「慕情編」、そして「創世編」を経て、物語はいよいよ最終話を迎えます。

 創世の力を手にした主人公・浮世英寿/仮面ライダーギーツ(簡秀吉)は、「誰もが幸せになれる世界」を作るため、デザイアグランプリ創設者・スエル(声・松岡禎丞)の仕掛ける「終幕のデザイアグランプリ」を止めるべく奮闘。桜井景和/仮面ライダータイクーン(佐藤瑠雅)、鞍馬祢音/仮面ライダーナーゴ(星乃夢奈)、吾妻道長/仮面ライダーバッファ(杢代和人)をはじめとし、英寿の思いに共鳴する仲間たちが各地でデザグラ運営に立ち向かいます。しかし、第48話の終盤では変身を強制解除させられた英寿に、ツムリ(青島心)がマグナムシューター40Xを向けるという予想外のラストで幕を閉じ、最終話を前にどんな結末を迎えるのか、期待が高まっています。

 TVガイドwebでは、最終話を前に本日から3日間にわたってキャストのインタビューをお届けします。本日は、浮世英寿を演じる簡秀吉さん、吾妻道長を演じる杢代和人さんが登場。「仮面ライダーギーツ」を語る上では欠かせない2人の存在。長い撮影期間を振り返ってもらうと、最終オーディションでの出会い、そして撮影を通して生まれた“絆”が見えてきました。

【「仮面ライダーギーツ」SPインタビュー】「浮世英寿じゃない時でも、簡はヒーローでした」――ライバルとして高め合ってきた簡秀吉と杢代和人が作品を振り返る

――「仮面ライダーギーツ」もいよいよ最終話を迎えます。「創世編」を迎えてからは英寿も道長にもさまざまな展開が起こっていますが、脚本を最初に読まれた時はどんなことを感じましたか?

杢代 「もうクライマックスに差し掛かってきたんだなと思いました。『デザイアグランプリ』だったのが、主催側が変わって『ジャマトグランプリ』になって、その時はまだゲームをしていたじゃないですか。そこから『慕情編』を経て『創世編』という感じですよね。『ジャマトグランプリ』が終わった時に『あ、佳境だな』と率直に思いました。英寿本人にも変化があったけど、道長にも、景和にも、祢音にも変化とドラマがあったので、クライマックスに向かっていくとなって、より覚悟を持っていこうと思いました」

 「僕は、第38話でずっと探し求めていたお母さんが消滅して、英寿が『誰もが幸せになる世界をかなえる』ことを決意した瞬間から『ああ、もう佳境に入ってきているな。クライマックスに入ってきているんだな』と感じました。英寿としては、誰もが幸せになる世界をかなえるためにどう行動したらいいのかを試行錯誤しながら、第45話でツムリの創世の力を受け継いで白英寿になって、そこから英寿本来の力を発揮していったので、『創世編』の英寿の行動や存在というのは大きかったと思います」

――作品全体を通して、英寿と道長は他の登場人物と比べて共演シーンも多かったのではないかと思うのですが、お互いの第一印象はどうでしたか?

杢代 「僕はオーディションの時に『あ、この人が主演だな。主演になる』と思いました。今でも覚えているのですが、道長を想定したライバルのような役の台本があって、他の役もあって、そして主演のような役があって。僕がライバル役をやって、(簡が)主演の役をやった時に、『たぶん今回の作品は、この方が主演を務めるんだろうな』と思ったのと同時に『だったら、僕も決まるかな』ということをなんとなく感じていたんです」

 「僕は会う前から杢代くんのことを存じていたので『うわ、本物だ』と思いつつ、最終オーディションで一緒にお芝居をさせてもらって、相乗効果で僕の芝居を引き出してくれたというか」

杢代 「確かに相乗効果は分かるかも。最終オーディションはいい芝居ができたんです。僕もまだまだ演技経験が浅かったので、一つ一つのオーディションが必ず上出来とは言えない、不完全燃焼感があったけど、最終オーディションの時だけはやりきったというか。いいオーディションができたなと思えたんです。『これで落ちたら、仕方ないよな』と思えるようなオーディションでした」

【「仮面ライダーギーツ」SPインタビュー】「浮世英寿じゃない時でも、簡はヒーローでした」――ライバルとして高め合ってきた簡秀吉と杢代和人が作品を振り返る

――そこから約1年間共演されてきましたが、今だから思う、お互いの「ここがすごい」と思うポイントを教えてください。

杢代 「僕は、やっぱり“簡秀吉”という存在がいるからこそ周りが変わっていけるというか。今回は簡が座長だったけど、簡が座長というポジションではなくてもそれは変わらないものなのかなと思いました。簡は『引っ張っていくぞ!』という感じではなくて、どちらかというと客観的に見て場を盛り上げたり、1人でも気持ちが欠けていたらそこを修正する力を持っていたりするから、僕たちはそれに助けられたし、それが良さだと思います。『座長だから』とかではなく、単純に“カ”として素でやっていると思うから、今後、座長ではなかったとしてもその良さを発揮できると思うので。浮世英寿じゃない時でも、簡はヒーローでした」

 「芝居に取り組む姿勢は見ていて学ぶことも多かったですし、みんなでいる時とか裏でわちゃわちゃしていたら、本当に的確なツッコミを入れてくれるんですけど、何より“杢代和人”という男がいるから場の雰囲気もすごく盛り上がるし、面白くなる。友達にも『なんとなくこいつ誘いたいな』って人がいるじゃないですか。当たり前かのようにその場にいるようなタイプというか、人に嫌われたことがない、本当にいいやつだなと、みんなでいる時に感じながら過ごしていました」

――ちなみに、もう撮影は終えられているとのことですが、プライベートで2人で遊びに行くなら行きたい場所というのはありますか?

簡・杢代 「2人ではないですね!」

 「ないよな?」

杢代 「それはハードルが高いな〜」

 「『ディズニー行きたい!』とか言っとく?(笑)」

杢代 「ないでしょ(笑)。長い時間一緒にいたからこそ、プライベートで新しい一面を知りたくなるみたいなことがないんです。僕は親友とは逆にあまり遊びに行かない、あまり連絡を取らないので、それと一緒で、現場で会うからその時に起きたことを楽しもうという感覚です。会わなくても分かるという感じです」

【「仮面ライダーギーツ」SPインタビュー】「浮世英寿じゃない時でも、簡はヒーローでした」――ライバルとして高め合ってきた簡秀吉と杢代和人が作品を振り返る

――お二人の共演シーンの中で、特に印象に残っているものはありますか?

 「僕は…闘牛ゲームですね」

杢代 「僕も一緒かもしれない。闘技場までの通路のシーン?」

 「そう! (第30話頃の時点で)英寿ってあまり怒らなくて、感情を表に出さなかったんですけど、ナーゴがベロバ(並木彩華)のせいでいろいろとさらされて初めて感情的になったところ」

杢代 「通路のところで(英寿が)助けに行こうとして、道長が『行くな、行っても意味ねえよ』って対峙(たいじ)するシーンね。僕もあそこだな」

簡 「あとは、バラを持ってTシャツにサインしたところ(第10話)とかかな」

杢代 「なんで!?」

 「あそこめっちゃ好きなんだよ。普段は絶対にそんなことはできないじゃないですか。すごくいいシーンだよ」

杢代 「闘牛ゲーム以外だと、僕はすき焼きのシーン(第36話)だな」

 「あぁ、いいね!!」

杢代 「あそこも思い出です。あのシーン、撮影は真冬だったんですよ。凍えるくらい寒かったんですが、『え、撮影ですき焼きが食べれるの…!?』と思って。楽しかったなぁ、思い出深いです」

――すき焼きのシーンでふと思い出したのですが、道長がデザイアロワイヤルで残ったライダーをボードに絵で描かれるところもありましたよね。あのシーンは杢代さんが描かれたんですか?

杢代 「あれは僕じゃないです! 美術部さんが描いてくれました」

 「あ、パンクジャックの絵は僕ですよ」

杢代 「そんなわけないだろ!(笑)」

【「仮面ライダーギーツ」SPインタビュー】「浮世英寿じゃない時でも、簡はヒーローでした」――ライバルとして高め合ってきた簡秀吉と杢代和人が作品を振り返る
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――(笑)。第36話でアルキメデル(春海四方)を前に2人で共闘するシーンも、視聴者にとってはかなり予想外の展開だったかと思います。

 「いやぁ、胸アツでしたね」

杢代 「とうとう来たなと。やっぱり、主人公とライバルが一緒に戦うって男の中で一番熱いシーンなので、いつか絶対に来てほしいと思っていたんです。『いつなのかな、いつなのかな』とソワソワしていたらあの瞬間に来たので『ついに来たか』と思いました」

 「あそこの戦闘シーン好きなんだよね。『お前最強なんだろ?』って、中田裕士さんと縄田雄哉さんのアドリブもあって」

杢代 「アフレコでびっくりしちゃいましたよ(笑)。『あ、こんなことしてたんだ!』と」

――そんな“かりそめの共闘”を経て、第44話では景和とぶつかり合った道長が「俺はギーツを信じる」というセリフもありましたが、あのシーンは演じていて心にくるものもあったのではないでしょうか?

杢代 「ありましたね、それまでは一番言ってはいけないくらいのセリフだと思っていたので。それを言う心境の変化は、道長の中では計り知れないものだったんだろうなと思います。でも、いつ死んでもおかしくないという状況で、ダークサイドに行ってしまった人を止める言葉だったら一番響く言葉だよなとも思えたので、それをしっかり落とし込めて演じられた、いいシーンになったのではないかと思います」

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