「新しいカギ」演出が明かす「番組の空気感を象徴しているのが霜降り明星」。岸優太&やす子を迎えた「学校かくれんぼ」沖縄ロケの舞台裏も2023/08/12
チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)、霜降り明星(せいや、粗品)、ハナコ(菊田竜大、秋山寛貴、岡部大)が出演する総合お笑いバラエティー番組「新しいカギ」(フジテレビ系)。8月12日放送の2時間SPでは、大人気企画「学校かくれんぼ」に岸優太、やす子を迎えて真剣勝負を繰り広げる。
公式サイトでかくれんぼに挑戦したい学校を募集すると、応募数は1万5000件以上。「新しいカギ」メンバーが学校を訪れ、生徒全員とかくれんぼで本気の勝負をするというシンプルな企画だが、コント美術スタッフの力を駆使した結果、一筋縄ではいかないかくれんぼが展開されている。回を重ねるごとに両者の「かくれんぼ」に対するレベルも上がり、汗と笑いがあふれる壮大なコーナーとなりつつある。
ここでは同番組の演出を手掛ける田中良樹さんにインタビューを行い、沖縄ロケのエピソードや、本企画に込める思いを聞いた。
「カギ」メンバー&岸優太&やす子の登場に「もう、地鳴りです(笑)」
初の沖縄での「学校かくれんぼ」には岸とやす子が参加。「新しいカギ」メンバーとともに生徒の前に姿を現すと、かつてないほどのどよめきが起こり、とにかく喜んでくれたそう。
「もう、地鳴りです(笑)。パニック状態というか、うそみたいな状況になってます。でも怖いパニック状態ではなくて、そんな生徒たちを見ていて、ちょっとグッとくるものがありました。120%の喜びを人はこう表現するんだ、と。生徒さんがアツい歓迎をしてくれて、本当にうれしかったです」。
岸とやす子は初参加。「無邪気で、子ども心を忘れていない、すてきなお二人。これは『カギ』メンバーもそうなんですけど、お二人も、カメラが回っていない時と回っている時とのテンションの差が全然ないんです。心からかくれんぼを楽しんでくれました。ビクビクしながら隠れている姿もかわいらしかったです。適任のお二人だったなと思います」とロケを振り返る。
関東近郊の学校への訪問が続いていたが、全国の学校から「うちの学校に来てほしい!」と熱い応募が殺到。そんな中、初の沖縄ロケが実現した。
「明らかにみんなのテンションが高くて(笑)。海もめちゃくちゃ奇麗だし、ゆったりした空気感のある町で、夏休みみたいなノリでロケを楽しんでくれているのがうれしかったです。皆さん多忙なので、当日入り、日帰りの演者さんも多かったのですが、みんなで旅行に来たような雰囲気で集まってくれて。映像を編集していても、『テンション高いな』って分かるんです(笑)。このタイミングでみんなでロケができてよかったです」。
チョコプラ、霜降り、ハナコと「今、非常にいい空気感」
2021年春からレギュラー番組として走り出した「新しいカギ」。チョコレートプラネット、霜降り明星、ハナコという人気者3組を迎えてコロナ禍にスタートしたが、「距離を縮めるのに時間がかかった」と明かす。
「コロナ真っただ中だったというのもあって、これまでのこういう“総合バラエティー番組”と比べて、演者さんと制作が距離を縮めるのに時間がかかった気がしています。従来なら、立ち上げのタイミングで大きな飲み会を開いたりとか、収録の後に毎回反省会として食事に行ったりとか。そういうふうにしていっぱいコミュニケーションを取っていたという話を聞いていたんですけど、全くできなかったです。あとは、3組とも結構シャイなんです(笑)。僕も、一緒にやっている同期のディレクターも、スタッフもシャイ。この年代のテレビマンは、なんとなく昔のテレビマンの印象とはたぶんちょっと違うのかなと思います。いわゆる“ザ・フジテレビのバラエティー”という、いつもハイテンションなノリではない気がします」。
そこから2年間、ともに番組を作っていく中で、「今、非常にいい空気感でやっています」と笑顔を見せる。
「距離を詰めるのに時間はかかったんですけど、少しずつ、演者さんと制作が一緒に番組を作っている、連帯感が生まれてきたと思います。『学校かくれんぼ』も、チョコプラの長田さんが『もっとゲストも連れてってあげたいよね。そしたら学生のみんなももっと喜んでくれるんじゃないか』と提案してくださってから、ゲストを迎えるようになって。コントを撮る時も、演者の皆さんと『こんな展開にしていきたい』と積極的に話せる関係になってきたなという印象があります。コロナによってトップスピードではできなかったし、徐々に時間をかけながらですが、今、非常にいい空気感でやっています」。
「番組の空気感を象徴しているのが霜降り明星」
チョコプラ、霜降り明星、ハナコと、2年間ともに番組を作ってきた田中さんに、3組の印象を聞いた。
「チョコプラのお二人はもう、僕の中では“選手兼監督”みたいなイメージです。番組の方向性について長田さんと相談することも多いです。ただ長田さん自身は、『新しいカギのフォワードは霜降りだろ』という気持ちもあるみたいで。チョコプラが司令塔だとしたら、霜降りはめちゃくちゃ得点を挙げるツートップ。ハナコは、コントで秋山さんの受け芝居がめちゃくちゃ多いのは僕らの信頼の証しです。新しいキャラを作る時も相手役に秋山さんを置きがちなんですけど、秋山さんが受けてくれたらコントに深みが出ますし、キャラの面白さも粒立つなと。そういう意味では、ディフェンダーっぽいのかな。岡部さんは、感情表現やリアクションがピカイチ。“攻めの受け”というか、受け芝居でも笑いが作れる人で。菊田さんみたいな人が1人いるのもいいなと思うんです。菊田さんはずっと『バチェ田バチェ男』というコントでバンドウさん役をやっているのに、一向に『バチェラー・ジャパン』を見てくれないんですよ(笑)。でも収録では一番楽しそうにしていて、そういう人がいるのも非常にいいなって。本当に、いい座組なんです。それぞれに明確な役割があって、かついいバランスの7人だなと思っています。7人のキャラクターが、ちゃんと時間をかけて、確固たるものになってきたなという手応えがあります」。
霜降り明星に対しては「2人ともやんちゃ」と印象を明かす。
「『学校かくれんぼ』でも、学生からダントツで人気があるのが霜降り。学生にドンピシャにハマっている感覚があります。僕の印象では、2人ともやんちゃ。すごく真面目だけど、やんちゃ。だけど真面目。言葉で言い表しづらいんですけど、『新しいカギ』という番組の空気感を象徴しているのが霜降り明星だと思っています。今、『学校かくれんぼ』のほかにも学生の企画をいくつか考えているんですけど、僕の中で、あんまり“汗と涙の感動学生青春バラエティー”にはしたくなくて。やんちゃな中にどこかグッとくる瞬間があるような描き方をしたいなと思っているんですけど、その方向性の鍵になっているのが、まさに霜降り明星だなと思います。2人とも、めちゃくちゃ面白いです。編集しながらも、いつも『めちゃくちゃ面白いな』って笑いながら仕事しています」。
最後に、今後の展望を聞いた。
「土曜の夜8:00って、すごくいい時間を任せてもらえていると思うんです。テレビマンである以上、やっぱり“家族みんなで見る番組”“週明け、学校で話題になる番組”を作りたい気持ちがあります。昔に比べたら“お茶の間でみんなでテレビを見る”という時間は減っているかもしれないですけど、やっぱり、共通の話題になるような番組を作りたいです。チョコプラ、霜降り、ハナコの7人は、老若男女から愛される雰囲気がある。彼らの個性をちゃんと引き出しながら、僕らがそういう番組を作っていくのが、僕らの課題です。あとは、番組の代名詞になるような人気キャラクターをもっと作っていきたいです。松尾さんの『バチェ田バチェ男』や、長田さんの『力見力』など、子どもたちが喜んでくれるキャラクターも浸透している実感はあるので、もっとそういうキャラクターを作っていきたいなと思います」。
【番組情報】
「新しいカギ 学校かくれんぼin沖縄! 岸優太&やす子が参戦! 真夏の真剣勝負SP」
フジテレビ系
8月12日 土曜 午後7:00~9:00
取材・文・撮影/宮下毬菜(フジテレビ担当)
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