謎に包まれた新ドラマ「何曜日に生まれたの」、いよいよスタート――デビュー15周年を迎えた飯豊まりえが新境地に挑む2023/08/06
ABCテレビが4月から新設し、日曜夜10時の全国ネット連続ドラマ枠の第2弾としていよいよ放送がスタートする新ドラマ「何曜日に生まれたの」。「101回目のプロポーズ」(フジテレビ系)、「高校教師」(TBS系)など、多くの作品を世に送り出してきた野島伸司さんが手掛けるオリジナル作品だ。
「ラブストーリーか、ミステリーか、人間ドラマか、社会派か」――先の読めないドラマがいよいよ幕を開けるが、本作で主演を務めるのは飯豊まりえさん。野島さんとは2017年に放送・配信された「パパ活」(FOD)以来6年ぶりのタッグとなるが、今作への出演は「緊張とプレッシャーも感じます」と語る。そんな中でも、飯豊さんが厚い信頼を寄せる“野島脚本”、そして今回演じる“引きこもり”という今までにない役に見つけた魅力とは。
――今作の主演が決まった時のお気持ちをあらためて教えてください。
「『アルジャーノンに花束を』(TBS系)というドラマで初めて野島さんの作品に出演させていただいたのですが、それがまだ10代の頃だったんです。野島さんの描く世界観がほかのドラマとは違うことは台本からも感じましたし、『演じる人によってドラマの雰囲気が変わるな』という印象があって。そこから『パパ活』というドラマで再びご縁があり、どっぷりと野島さんの世界を経験させていただきました。当時の自分にとってはかなり挑戦的な役柄ではあったのですが、今でも『あの時、飛び込んでよかった』と思える作品です。今回、私は地上波のプライム帯連続ドラマの主役というのは初めての経験なのですが、野島さんの心強い脚本と、野島さんと共に作品を作られてきた監督、プロデューサーさんとスタッフの皆さんに支えていただきながら、日々撮影に臨みたいと思いますし、少しでも恩返しができたらいいなという気持ちです」
――「何曜日に生まれたの」というタイトルを初めて聞いた時は、率直にどんなことを感じましたか?
「『何曜日に生まれたのか』ということを考えたことがなかったので、まずはそこを考えましたし、早速、自分が何曜日生まれなのか調べちゃいましたね(笑)。きっとドラマが始まったら、皆さんも何曜日に生まれたか気になられるだろうなと思いましたし、やっぱり野島さんの書かれる作品のタイトルは本当に印象に残るといいますか、キャッチーなタイトルだと思いました。『パパ活』も、“パパ活”という言葉がはやる前に放送されたんです。あれから“パパ活”という言葉が世の中に流行した印象があるので、野島さんはすごいなと思います」
――「パパ活」もかなり新しい角度で切り込んだドラマでしたが、今回の脚本についてはどんな印象を持たれましたか?
「最初に第1話から3話の台本をいただいたのですが、その時は彼女が引きこもりになる動機があったのか、10年前に起きたバイク事故の全貌も明らかになっていないので、『どうなるのだろう』と思っていました。最初は親子モノのドラマなのかなと思っていたのですが、読み進めていくと『あ、そっちに着地するんだ』と一筋縄ではいかない展開が続いているんですね。今の時代に沿ったものがいくつか入り組んでいて、そういったところも『野島さんはどういうところで取材をされてこの脚本を書かれたのだろう?』とすごく気になりましたし、正直、自分がこの役を演じるにあたって『どうやって演じたらいいのだろう?』という怖さもありました。初めてのジェットコースターに挑戦して乗っている感覚といいますか(笑)。安全装置はバッチリで、緊張とワクワクの状態から今ようやく乗り始めて、『これからどのルートを行くんだろう?」と感じている状況です」
――その感覚は、「パパ活」の時も同じようにあったのでしょうか?
「そうですね。ざっくりと『こういうコンセプトです』とお話があった時に、『私では演じられないのではないか』と思って、いただいたお話を一度お返ししたんです。それでも『どうですか?』と何度もお話をいただいて」
――かなり熱烈なアプローチがあったんですね。
「3、4回ぐらい『いや、私自信ないです!』みたいなやりとりをしました(笑)。でも、脚本は野島伸司さんで、そこに挑戦できたら人生が変わるというか、転機になるだろうなと。きっとたくさんの方に見てもらえるきっかけにもなりますし、難しいかもしれないけど挑戦してみたら何かが変わるだろうと思って、お受けさせていただきました」
――情報解禁時には、今回演じられる黒目すいについて「人の言葉を受け流せない人なのかな。という印象を受けました。決して悪い意味ではなく、優しい人、なんだと感じています」とコメントされていましたが、実際に役を演じて発見した部分はありますか?
「私が演じるすいという役は、言おうとしたことを思うように表現できない、喉元まで出てきているけど言葉に出せないということが多い女性です。高校生時代の話も多いのですが、学生時代に仲がよかった人との溝が次第に深まっていく瞬間も、台本で文字として書かれていると結構強く感じてしまっていたんです。早瀬瑞貴(若月佑美)も『性格の悪い女の子』という印象を受けたのですが、現場で瑞希の役柄に触れてみると、ただ悪い人ではなくて『そういう人もいるよな』と感じて。その人なりの気持ちを伝えてくる人物が今作にはたくさんいます。すい自身も自分とは対照的な人たちから影響を受けるので、台本を読んでいる時は『どんなふうになるのだろう』と思っていたのですが、現場に入って演じてみると、より『心が忙しいな』と感じました(笑)」
――役作りで意識していることはありますか?
「引きこもりの役は初めてなのですが、『どんな見た目なのかな、どういう生活をしているのだろう』といろいろ調べてみたんです。引きこもりといえば、ずっと暗い部屋にいるイメージを勝手に持っていたのですが、意外とそんなことはないのかもしれないなと。すいは、家の中で何不自由なく生活できているので、『気がついたら10年という月日がたっていた』という感覚なのかなと思いました。本読みの時には野島さんから『感じたままにやってくれて大丈夫だから』と安心するお言葉をいただいたので、台本を読んだ時に感じたことも持ちつつ、現場で生まれたものも交えながら演じています」
――「パパ活」の赤間杏里役はもちろん、これまで演じてきた役は活発なものが多い印象があります。そういう意味では、今回のすいは全く違った役なのではないでしょうか?
「台本からはすごく暗いように感じられるのですが、『いつからこんなふうになっちゃったんだっけ?』と、いつのまにかいろんなことが積み重なってしまった女の子だと思うんです。元々暗い性質を持っていたから引きこもりになってしまった子ではないと思うので、私もすごく暗い感じでは演じていないですし、そういった意味では、これまで演じたことがない役柄ではあるのですが、そんなに自分と遠い役ではないのかなと感じています」
――すいに共感できるところはありますか?
「台本をいただいた時に、『どのように演じたらいいのだろう』と思っていたのですが、監督の方々とお話させていただきながら考えてみると、すごく狭い人間関係の環境にいたら自分もそうなり得たのではないかと思うほど、すごく身近に感じました。この役柄もそうですが、どの役にも『当事者になってみたらそうなってしまうよね』と感じるほど、すごく繊細に描かれていると思いました」
――画面を通すと、その部分はより強く伝わってきそうですね。
「『どこまで伝わるのだろう?』ということは感じますね。すいが、悲しい言葉を投げられても笑ってしまうような部分は、私自身も『悲しいということを悟られたくない、自分の感情を相手に知られたくない』と思って、どうしても笑いが出てきてしまう時があるんです。その感じは分かるなと思いながら、(プロデューサー兼監督の)松原(浩)さんとお話してみて、やっとそこで『こうしてみようかな』という考えが浮かびました」
――撮影現場の雰囲気はいかがでしょう?
「今回が初めましての方が多いのですが、皆さんとご一緒できている時間はとても楽しくて、お人柄もとてもすてきで、お芝居に関しても刺激を受けながら演じさせていただいています。今は引きこもりになる前の学生時代のシーンを撮影しているのですが、『これ、野島さんの作品だよね?』と思ってしまうほど、すごく爽やかな学園ドラマになっています(笑)。今回、サッカー部のマネジャー役でもあるのですが、私は部活に入ったことがなかったので『サッカー部ってこういう感じで部活をやっているんだ』と知ることができて面白いです。役を通して学生時代に経験できなかったことを経験することができて『こういうのが青春か』と、顔には出さず心の中でニヤニヤしながら楽しく演じさせていただいています」
――同級生役の井上祐貴さんやYUさんはオーディションで選ばれたと伺いました。ご自身の“オーディションの思い出”は何かありますか?
「私も学生時代からドラマのオーディションを受けていたのですが、すごく特別な時間だったと思います。私はいつも『役を勝ち取りたい』という気持ちよりも『お芝居って本当に楽しい。好きなんだな』と感じて帰っていました。どうすれば皆さんに興味を持っていただけるかということを、たくさん考えて悩むこともありましたが、もし受からなくても『あの時、この役をやってみたいと思えた気持ちを確認できたからよかった』と思いながら受けていましたね」
――そして今年デビュー15周年を迎えました。第1話では、引きこもりのすいをモデルに公文竜炎(溝端淳平)が漫画を描こうと動き始めますが、ご自身の15年を振り返って、漫画の題材にできるようなターニングポイントはありますか?
「9歳の時ですね。私が芸能界に入った時なのですが、人前に出るのが苦手な性格だったので、急に芸能界という人前に出る仕事に飛び込んだことは、ターニングポイントではありましたね。人生がすごく変わりましたし、小説でいう第2章に突入したような感覚です」
――デビューから15年たって、人前に立つことへの意識は変わりましたか?
「まだふわっとしていますね。映像に出ている自分や、インターネットで調べたら出てくる自分に対して、『これって私なのかな?』と思ってしまう時もありますし、街で声をかけてくださる方がいらっしゃって、皆さんが私の顔と名前を知ってくださっていることがいまだに不思議な気持ちになります」
――そんな中で、この現場では座長として作品に臨まれることになりますが、「こんな現場にしたい」という思いはありますか?
「やっぱり、現場にいらっしゃる皆さんにとって、居心地のいい空間になったらいいなと願っています。皆さんとても穏やかな方ばかりですし、カメラ一つにしても、シーンに合わせて『こんなふうに撮ってみようかな』と画角を調整したり、心情に合わせて変えていったりするのがすごく楽しいとカメラマンの方がおっしゃられていて、とてもすてきな現場だなと思います。外のロケではようやくマスクがなくなって皆さんの表情が見えるので、お芝居をしていてもスタッフさんのリアクションがすぐに見られるのもうれしいです。一番最初に生の反応を見ていただけるので、そこで笑ってもらえたり、うなずいてもらえるだけで安心しますし、ようやく活気が戻ってきたなと思います」
――最後に、ドラマの注目ポイントを教えてください。
「野島さんの作品って、最後まで見ないと『このドラマはこうだ』と言い切れないぐらいいろいろな展開があるので、1話ごとに色合いが違うんです。きっと第1話、2話と見ていっても『これは一体どの方向に物語は進んで行くのだろう?』とすごく気になると思います。5、6話からどんでん返しのように急加速していくので、先を予測しながら、ぜひ最初から最後までお楽しみにしていただけたらうれしいです」
【プロフィール】
飯豊まりえ(いいとよ まりえ)
1998年1月5日生まれ。千葉県出身。2012年に「世にも奇妙な物語’12春の特別編」(フジテレビ系)で女優デビューし、13年には「獣電戦隊キョウリュウジャー」(テレビ朝日系)で弥生ウルシェード/キョウリュウバイオレット役で注目を集める。22年はNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で大野愛を演じたほか、「オクトー~感情捜査官 心野朱梨~」(日本テレビ系)では主演を務めた。ほかにも、ドラマ「君と世界が終わる日に」シリーズや、映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」などに出演。
【番組情報】
「何曜日に生まれたの」
8月6日スタート
テレビ朝日系
日曜 午後10:00〜10:54
※放送終了後、TVer・ABEMAで最新話を見逃し配信
※TELASA、U-NEXTでは全話見逃し配信
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【締切】2023年9月2日(土)正午
【注意事項】
※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/尾崎篤志 メーク/星野加奈子 衣装/山本マナ
衣装:黒ドレス¥47,300/エンフォルド(03-6730-9191) 付け襟、ブーツ/スタイリスト私物
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