山本千尋、初めての連ドラ主演現場は「周りの人が楽しんでくださっているかどうかを考える帰り道が多かった」――「埼玉のホスト」インタビュー2023/07/25
TBS深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」では、7月25日から「埼玉のホスト」がスタート。本作は、“何もかも中途半端な埼玉のホストたち”と“ある秘密を持つ歌舞伎町トップホスト”、そして、“男だけでなく人間全般を信用しない女”が、目標のために時にぶつかり合い、時に励まし合い、絆を深め合う新しいラブストーリー&青春コメディーです。
ここでは、武術太極拳の元選手で世界一の経歴も持ち、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」やNetflixオリジナルドラマ「今際の国のアリス」シーズン2出演でも注目を浴びた山本千尋さんにインタビュー。連続ドラマ初主演を務める山本さんに、本作出演の思いや撮影でのエピソードを語っていただきました。
――初めに出演にあたっての思いをお聞かせください。
「今までありがたいことにアクションがメインの役柄を演じることが多かったのですが、(演じる)荒牧ゆりかはこれまでと真逆なキャラクターです。これだけ長いセリフをいただけたのも初めてだったので、自分にとって挑戦が多い作品になりました。私は関西出身なので、埼玉を舞台にした作品で主演を任せてもらえると思っていなかったので、すごくうれしかったです」
――埼玉での撮影はいかがでしたか?
「私も兵庫県出身で、埼玉が“ダ埼玉”と言われる理由があまりピンとこないんです。だからこそ偏見なく新鮮な気持ちで本作に携わらせていただきました。作中にも、『十万石まんじゅう』や『コバトン』などの埼玉名物が出てきます。私も神戸のグッズを愛着持って使っているので、埼玉の皆さんの地元への思いも大切にしながら臨みたいと思いました」
――現場の雰囲気はいかがでしたか?
「本作は岩槻キセキを演じる福本大晴さんを含め年下の男の子が多い現場で、その中で自分が座長として周りを気にかけることも初めての経験でした。でも、主演だからといって気負いすぎることなく、キャストのみんなと一緒に成長できたと思います。木村了さんや守谷日和さんというベテランの方々もいらっしゃったので、先輩方にも甘えさせていただきました」
――ゆりかを演じる上で苦労したことや意識したことがあれば教えてください。
「これまで演じさせていただいた役柄は人間味がないキャラクターが多かったのですが、ゆりかは冷酷だけど、人間味がある役です。言葉の一つ一つに間違いがない正論人間で、その説得力を表現するにはまず自分が知識を持たないといけないなと思いながら演じていました」
――ホストという職業に対しての新たな発見や、イメージに変化があった部分があれば教えてください。
「ゆりかはホストクラブ経営のコンサルタント役ということもあり、役作りの勉強でホストクラブに行かせていただいたのですが、百貨店で接客をされているような心地良さがあって感動しました」
――ポジティブな経験になったんですね!
「はい。皆さんがすごく丁寧に対応してくださって、ずっと楽しい気持ちにさせてくれるんです。すてきな接客をしていただいたので、本作に協力してくださった方をはじめとしたホストの皆さんのためにも、より良い作品を届けたい思いが強くなりました」
同じ関西出身の福本との共演、「2人してしっかり録音部さんに『イントネーションが違う』って言われていました(笑)」
――キセキを演じる福本さんの印象をお聞かせください。
「福本さんはとても真面目で、作品に対して誰よりも真っすぐでした。ご自身では『そこまでドラマの経験がないから…』と謙遜されていたのですが、その姿勢であらためて私たちにお芝居を作る環境と原点を教えてくれていました。一方で、オフの時はバリバリ関西弁の男の子で現場が明るくなりました」
――赤坂ゲンジ役を演じる楽駆さんはいかがですか?
「楽駆さんはキャストの中でも一番大人な方です。ちょっと抜けている部分もありますが(笑)、ゆりかとの人生の半分を支えてくれている大事な役どころを演じてくださって、その落ち着き具合はお芝居をしていても安心感がありましたし、楽駆さんの繊細な表情が、ゆりかのゲンジに対しての思いを自然と引き出してくださいました」
――ちなみに、同じ関西出身の福本さんと話す際は関西弁なのでしょうか?
「福本さんと話す時は完全に関西弁です。関西弁で返されたのに標準語で返すのもおかしいので、2人の会話は基本関西弁でしたね」
――撮影に影響はありませんでしたか?
「2人してしっかり録音部さんに『イントネーションが違う』って言われていました(笑)。これは方言あるあるなのですが、標準語だと思っていたイントネーションがカタコトの日本語になっていることがあるんです。お互いに指摘し合う環境でもあったので、それがネタになっていい空気感になっていました」
――撮影で特に記憶に残っていることはありますか?
「やはり初めての連ドラでの主役をやらせていただいたことです。今までは自分のお芝居に集中することだけを考えていたのですが、今回は初めて自分以上に周りの人が楽しんでくださっているかどうかを考える帰り道が多かったなと。ホスト役の皆さんも同じ課題や目標を持つ人たちが集まっていて、熱意ある皆さんと一緒に作品を作ることができたことで、一層思い入れが強くなりました」
――またコメディー作品に挑戦したい気持ちはありますか?
「もちろん出たいです! やっぱり撮影していて楽しいですし、特に本作はみんなで作っていくという思いが強い作品でもあったので、地上波での放送はまだ始まっていないのにもかかわらず、個人的にはしっかりシーズン2か映画化を狙っています(笑)」
――後半に向けて胸キュンも期待できる作品かと思いますが、そういったシーンを演じる上で意識していたことはありますか?
「話数を重ねるごとにときめいていくような役は初めてで、慣れていなかったので難しかったです。そんな中でも福本さんと楽駆さんが同じ目線に立ってくださったので助けられました。どうやったら視聴者の人がキュンとしてくれるかを話しながら撮影するのはとても楽しかったです」
――キャスト同士での話し合いも行われていたんですね。
「アクションの手合わせを一緒にしているかのように意見を言い合っていました。お互い胸キュンシーンに慣れていないからこそ、気を使わずにお芝居できたんだと思います」
――ゆりかはホストクラブ経営を改革していく役柄ですが、山本さんが最近プライベートで“改革”されたことはありますか?
「この1年で実施したのは食生活の改革です。自分に合うルーティンを見つけて食事を取るようにしていたら体調もよくなりましたし、風邪をひくことが少なくなりました」
――改革しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
「一番はコロナ禍で料理をするようになったことです。2022年にはプロボクサーのライセンスを取得したのですが、その際に『健康を意識されているということは、自炊もされますか?』と質問されて、『しないです』と答えるのが恥ずかしいと思うようになって。それ以来は自分で作るご飯を食べるようになりました」
――具体的にどういうバランスで食事をされていますか?
「基本は和食メインで、季節の食材をいただくように心掛けています。そういえば、本作の撮影で久しぶりにカップラーメンを食べたのですが、いつの間にかカップラーメンのすすり方の加減を忘れてしまっていたようで、思いっきり吸い込んだ結果、咳き込んでNGに…。みんなにも『そんなことある?』とツッコまれました(笑)」
――お話を聞いていると、本当に仲のいい現場だったことが伝わります。
「実は今まで年下の子たちと接する機会が少なかったので、ちゃんとみんなと仲良くなれるかどうかは本作の一番の課題でもありました。女性が私1人だったこともあって、そこに対して気を使わせることは絶対したくないと思っていました。そのためにも現場で率先してボケていたら、撮影の後半頃に『女優さんなのに気を使わなくてよかった』と言ってもらえたんです。課題が成功したうれしい瞬間でした!」
――では最後に、視聴者の皆さんにメッセージをお願いいたします。
「数字にとらわれるような今の社会に対して『そうじゃないんだよ』という優しいメッセージが込められていますし、一人一人にスポットを当てた青春ドラマにもなっています。ゆりかと同じように、私自身も成長できた作品になりました。ぜひ皆さんにも放送で楽しんでいただけたらうれしいです!」
【プロフィール】
山本千尋(やまもと ちひろ)
1996年8月29日、兵庫県神戸市生まれ。2015年に第3回ジャパンアクションアワード ベストアクション女優賞を受賞。主な出演作品は、映画「キングダム2 遥かなる大地へ」、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、Netflixシリーズ「今際の国のアリス シーズン2」など。
【番組情報】
ドラマストリーム「埼玉のホスト」
7月25日スタート
TBSほか
火曜 深夜1:00〜1:30(※一部地域を除く)
※Netflixでは各話地上波放送の1週間前毎週火曜正午に先行有料配信中
※地上波放送後、TVer、TBS FREEにて各話無料1週間見逃し配信あり
【プレゼント】
サイン入り生写真を1名様にプレゼント!
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【締切】2023年8月21日(月)正午
【注意事項】
※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
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※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/松村有咲(TBS担当) 撮影/蓮尾美智子
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