中川大輔、「この素晴らしき世界」の撮影現場では「マキタさんが冗談言って、若村さんと僕が笑っている感じ」2023/07/19
若村麻由美さんが主演を務めるなりすましコメディードラマ「この素晴らしき世界」(フジテレビ系)。スーパーマーケットで働く主婦・浜岡妙子(若村)が、ある日を境に大女優・若菜絹代(若村=2役)としてなりすまし生活を送るさまをコミカルに描く。
本作で妙子とマキタスポーツさん演じる陽一の一人息子・浜岡あきらを演じるのは、フジテレビ系のドラマに2作続けて出演する中川大輔さん。社会人1年目ながら会社には出社せず、公園などで時間をつぶす日々をおくるあきらは、「中川大輔味がある」のだとか…?
――「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明」(関西テレビ制作)から連続でフジテレビ系のドラマに出演されますが、オファーを受けた時の心境はいかがでしたか。
「木曜劇場ってすげえなって!(笑)。個人的にすごいすてきな作品をやっているイメージがあったので、出られて光栄です。周りのキャストの方々は実力者ぞろいで。その中でこんな濃厚なお芝居体験ができるっていうのは役者としてもぜいたくだなって思って、すごく気合が入りました」
――本作は完全オリジナルストーリーですが、脚本を読んだ感想をお願いします。
「全話、めっちゃ好きでした! きっと脚本家さんの伝えたいことがあって、それを形にしていった脚本だと思うんですけど、『オリジナルだな』『ほかに読んだことない台本だな』と思うと同時に、いろいろとアイデアが出てくる脚本だなと思いました。演じていてすごく楽しいです。本当にこの世界にいる人のように演じることができています。テーマやメッセージ性のあるドラマなんですけど、テイストとしては笑えるコメディーになっていて。笑って見ているけど、ふとした瞬間に気付かされるものがあるというか、メッセージが伝わってくるというか…そういうドラマになっている脚本だなと思いました」
――浮かんだアイデアを監督と話し合ったりされるのでしょうか。
「テストでやってみる感じです。家族(浜岡家)との会話の中で、台本上では『うん』とか『えー』とかになっているんですけど、もっと何を言っているか分かんないような『あー』とか『うー』とかに変えてみたりして。そういうのをテストでやったら、(監督らが)笑ってくれてそのまま使ってくれたりしたので。(あきらというキャラクターをよりリアルにするための)アイデアをテストでやって、面白がってくれていたらいいなっていうスタンスでやっています」
――今回、台本が全話分出来上がっているため、同じ場所のシーンはある程度まとめて撮影していると伺ったのですが…。
「直前の感情とかがそのまま次のシーンで生きてきたりするので、僕はすごくやりやすいなと思っています。これまでにやっていたドラマだと、裏切りものだと知らずに演じていて、次の台本をもらって読んだ時に『あ、裏切り者だったんだ』って知ることがあったりしたんですけど(笑)、全話あると手探りの部分がないというか、逆算してお芝居できるので、より完成度の高いものになっているんじゃないかなと思います」
――演じる浜岡あきらは、どんなキャラクターだと捉えていらっしゃいますか。
「いろんな面があると思うんですけど、妙子さんや陽一さんの前だと食べた後のお皿も片づけないような、本当に甘やかされて育った一人息子、一人っ子という感じです。でも、中盤以降は結構頼りがいのある人なのかなって思っているので、成長の様子を軸に演じていけたらいいなと思っています」
――役作りは大変ではなかったですか。
「そうですね。あきらくん自身が自分に近いというか。柔らかくて、ちょっと頼りない感じっていうのは、素のままの自分でやったら出るのかなって思いながらやっています。“浜岡あきら”ですけど、“中川大輔”味を強く出したら、それが作品のためになりそうだなと思ったので、本当にそのままいようかなと思っています。ただ、会社に行っていない部分はちょっと想像するのが必要で。会社に行っていないって自分に置き換えてなんだろうなって考えた時に、ドラマの現場サボっているのと同じかって。だったら結構やばいでしょって思いました。焦りとか、いろんなことにビビっていたりしそうだなみたいな。そういうことはいろいろと自分に置き換えて想像しました。恋愛の面では、あきらくんは蒼井蛍(永瀬莉子)との関係とかもすごくうぶな部分があるので、そういう部分もちょっと想像しながらやっていきました」
――若村さん、マキタさんとは初共演になりますね。
「最初に本読みであいさつした時から、若村さんはもう母親に見えました。個人的に自分の母親と近い空気感がありまして。そのおかげで一瞬で親子の空気感が作れた感じはします。マキタスポーツさんはダメな父親役なんですけど、本当にダメな父親としていてくれるので役作り不要というか(笑)、2人とも一瞬で親子の空気感になりました」
――靴下を半分脱いで土踏まずに丸めるようなお父さんですが…。
「演じていて親子なんだなって思う瞬間があるんです。お父さんがしているようなことをあきらくんもしていたりするので、そこは親近感が湧きますけど……嫌ですね(笑)。あのお父さんだったらあきらくんみたいな態度になるだろうな(笑)」
――中川さんの表情からすごく楽しく撮影されているのかなという印象を受けたのですが、若村さん、マキタさんとどんなお話をされましたか。
「事前にお二人の作品を見ていたりしていたので、『あの時どうだったんですか』と聞いたりしています。マタスポーツさんとは共通点が多いんです。住んでいた場所が近かったりして、『あそこのあの店知ってる?』みたいなお話したりとかしています。この前、『あさイチ』(NHK総合)に出たんですけど、そこで紹介していた『槇田商店』という日傘屋さんがマキタさんの親戚の方がやっているお店で、そのお話をしたりしました! 確かに、あのVTRに出ている方がすごくマキタさんに似ていて見ながら思ってはいたんですけど、まさか親戚だと思わなくて(笑)。意外といろんな話題があって、お話させてもらっています。若村さんとはよくセリフ合わせをしています。自然に始まるというか…僕が1人で練習しているとスッと入ってきて、そのままセリフを合わせながら現場に行くみたいなことはよくありますね。本当に自然な流れでセリフ合わせとかはしますけど、でも、打ち合わせとかはテストまでしないかもしれないですね」
――本当に楽しい現場なんですね。
「そうですね。マキタさんが冗談言って、若村さんと僕が笑っている感じです。実際のドラマの家族(浜岡家)より仲いいかもしれないです(笑)。注目ポイントとしては、家族3人のシーンとかは本当にすごくリアルな空気感が描かれていると思うので、僕たち浜岡家のシーンを見てほしいです。後半には蛍さんとの関係が結構急速に進んでいって、2人の仲がぎゅっと縮まるシーンが出てきます。そこの撮影をした後に、プロデューサーさんとか監督さんが『いいシーンだったよ!』って褒めてくれて。僕も撮影していてすごくキュンとしたというか、ドキッとできたシーンなので、後半のコインランドリーでの蛍さんとのシーンもぜひ注目してください!」
【番組情報】
「この素晴らしき世界」
7月20日スタート
フジテレビ系
木曜 午後10:00~10:54
取材/Y・O、M・M 文/Y・O(フジテレビ担当)
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