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「どうする家康」織田信長を演じる岡田准一、いよいよ迫る本能寺の変に「天下人の中に住まう寂しさを表現できたら」2023/07/17

「どうする家康」織田信長を演じる岡田准一、いよいよ迫る本能寺の変に「天下人の中に住まう寂しさを表現できたら」

 大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合ほか)の前半の最大の山場ともいる「本能寺の変」が7月23日に放送されます。それに先立ち、7月16日に、安土城のおひざ元・滋賀県近江八幡市で、織田信長役の岡田准一さんのトークショーが開催。イベント後に取材会が行われました!

――織田信長ゆかりの地・近江八幡でのトークショーを終えていかがですか?

「近江八幡はとても好きな街で、大河ドラマで来させていただいたのは、最初なので、来られてよかったです。以前、石田三成を演じたこともあって滋賀は身近に感じていて、とても好きな場所でもあるし、縁があるなと思っています」

――信長を演じ終えた率直な感想をお願いします。

「家康が主人公で信長の役割が限られていたのですが、松本くんも喜んでくれたので、やりきれたかなと。でも、信長としてはすべてを演じ切れているわけではないし、演じていて信長さんに嫌われてる感じはしなかったので、いつかまた役として出会えるように役者人生を進めていきたいです」

――今作の信長は家康のほほをつかんだり、たたいたりとスキンシップが多い印象ですが、どういう感情で出てきた動きだったのでしょうか?

「松本くんは後輩で、僕の愛情が漏れ出たのかもしれないですね(笑)。というのは冗談ですが、今回は僕が動くことによって周りの感情を揺さぶることが必要だと感じてやっていました。動かないですむなら、その方がいいと思っているんですけど、1話でワンシーン、多くて4シーンくらいの出番なので、その中で圧を見せていくためには、少し強めにやっていくことが必要だと思い、ちょっとスキンシップを多めにしていたのが本当のところです」

――第14回(4月16日放送)で、言い合いとなった家康から「お前の心の内など分かるものか!」と言い放たれた信長が泣くシーンがありましたが、なぜ泣かれたのでしょうか?

「多くの人に裏切られて、それでもそれをのみ込んで、たくさんの人をあやめてきた中で、家康という存在は、どこか自分の肉親や弟のように思っているところがあって。素直さを持っている家康は、自分が戦国大名として選択ができなかったことをやり続けている。それが甘くも見えるけど、芯を通している家康に対して、まぶしさも感じていて、どこか信じているところもあったと思うんです。そんな信長の背景などを考えて感情を受けて演技をしていたら、なぜか泣けたんです。NGになるかなと思っていたのですが、OKが出ました。泣いちゃったので、ちょっと顔を隠しながら演じていたんですけど、それもよかったというか。視聴者にも『ここで泣くんだ』と信長の心の動きが届くものになっていたので、いいシーンになったと思っています」

「どうする家康」織田信長を演じる岡田准一、いよいよ迫る本能寺の変に「天下人の中に住まう寂しさを表現できたら」

――織田家のメンバーについても伺いたいのですが、ムロツヨシさんが演じる豊臣秀吉や、顔をつかんだことで話題になった五徳役の久保史緒里さんとの撮影エピソードを教えてください。

「ムロさんは昔から知っている役者さんで、芝居のクオリティーを研究されていて、すごく愛情がある方なんです。僕のクランクップの時にも『上様が終わりなので』とわざわざ来てくださって、隠れ愛情がすごい。信長と秀吉が一緒にずっと笑い合うシーンでは、大体の尺が分かっているのに、僕がずっと笑っていたら、それに付き合って笑い続けてくれて、一切怒らないとても優しい方です。信長がいなくなってから秀吉は暴れると思うので、ムロさんの芝居をとても楽しみにしています」

――久保さんはいかがでしたか?

「アイドルの枠に関係なく、素晴らしい芝居をされていて、一緒につくっていけました。顔をつかむことは台本に書かれていないので、『嫌だったら言ってね』と言ったら『全然大丈夫です』と答えてくれて。信長として、これ以上しゃべるなという意味や馬のハミみたいに、手綱はこっちだという意味で、顔をつかんだんです。それに対してものすごく素直に合わせてくださるとても上手な方でした。実は信長として乱暴にしたら優しくする、アメとムチを与えると決めていたので、乱暴にした後、優しくしたんですよ。『大丈夫だ、大丈夫だ』となでる信長におびえた顔がとてもよくて。編集でカットされていましたが、その時の顔を使ってほしかったですね。うまい女優さんだと思いました」

――信長を全うできたと思いますか?

「(家康と信長という)2人の関係に特化した信長については演じ切り、全うできたかなと。今作は2人の関係がどうなっていくのかを中心に描かれていて、家康から見た信長の側面しか出せていないので、僕が思う信長像をいつか演じてみたい気持ちもあります」

――現在、安土城に天守はありませんが、岡田さんがもし現代によみがえらせるとすれば、どんな形の安土城にしたいですか?

「僕が思う安土城は、防衛するための場所という要素ももちろんあるんですが、世界で初めてライトアップをしたり、天守閣を豪華絢爛(けんらん)なものにしたり、たくさんの人を呼んで、権力を示し、西洋のものを取り入れて、新しい最先端のものを作っていこうと見せたパフォーマンスの場所であったことは間違いないありません。だからといって、信長が日本の文化をむげにしていたわけではないとも感じていて。西洋かぶれとよく言われますが、信長を調べれば調べるほど、そういう人ではなかったんじゃないかと思っているので、それを大事にした造りで、ぜひ復刻してもらいたいですね」

――信長が好きな方々へメッセージをお願いします。

「今回の役割として、濃いめにお芝居をしていく選択をしました。それがいいと思ってくださる方もいれば、やりすぎだという方もきっといらっしゃるでしょう。いつか、自分の思う信長にまた出会えたらいいなと思っていますし、皆さんが愛する人物を演じることを心に持って、銅像が立っている人を演じることを肝に命じて演じていきたいです」

――いよいよやって来る「本能寺の変」について、ここを大事にして演じたという部分を教えてください!

「セクシーで悲しさがある覇王を演じたいと思ってプランを練っていたところがあります。今回は孤独な死に方をしていくので、天下人の中に住まう寂しさを表現できたらいいなと思って演じました。それが詰まった信長の最期になっていると思います」

――ありがとうございました!

「どうする家康」織田信長を演じる岡田准一、いよいよ迫る本能寺の変に「天下人の中に住まう寂しさを表現できたら」

【番組情報】

大河ドラマ「どうする家康」
NHK総合 日曜 
午後8:00~8:45ほか 
NHK BS4K 
日曜 午後0:15~1:00ほか 
NHK BSプレミアム 
日曜 午後6:00~6:45

NHK担当/K・H



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