結成14年目、ニューヨークの現在地「単独ライブは僕らの一番の本質」「……趣味かも。お笑いが」【ロングインタビュー後編】2023/06/28
7月12日より、全国5都市14公演の単独ライブ「虫の息」を開催するニューヨーク。インタビュー後編では、嶋佐和也さん、屋敷裕政さんに、結成14年目を迎えた今の心境や、多忙な2人の仕事観について聞いた。(前編はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2285599/)
「やっぱりネタを見ていただきたいなって思うんです」
――結成は2010年。結成14年目に突入されましたが、この13年間は長かったですか? それともあっという間でしたか?
嶋佐 「あっという間でしたね、ほんと」
屋敷 「確かにね。なかなかの年月たってますね。でも、芸人で『長かった』って言うやつおんのかな? あっという間でしたよ」
嶋佐 「ビビりますよ、14年って聞いたら」
屋敷 「だって今マネジャーやってくれてる子が13、14歳の時に結成したって考えたら、ゾッとします。マネジャーが小学生とか中学生の頃から芸人やってるわけですから。冷静に考えたら引きますね(笑)」
――ターニングポイントとなった出来事を挙げるなら、何になりますか。
嶋佐 「やっぱり『M-1グランプリ』じゃないですかね」
屋敷 「そうですね。仕事が一気に増えたのは、19年に『M-1』で初めて決勝にいけた時です。でもその前にYouTubeを始めたり、単独ライブの形を変えたりして、そこからちょっと風向きが変わったなって感じがします」
――昨日、「賞レースは出ない」と話している記事を拝見しまして…。
屋敷 「ははは!(笑)」
嶋佐 「昨日、Yahoo!ニュースになってた(笑)」
屋敷 「今年は出やへんっていうのは、もう結構言ってますね」
――この夏は単独ライブにささげる予定ですか?
屋敷 「本当にそうですね。でも、難しいところですね。やっぱり賞レースにバンバン出てる時の方が、ネタも注目されやすいですから。結構ね、いろんな番組でネタはやらせてもらってるんですけど。やっぱりネタを見ていただきたいなって思うんです。単独ライブって、お笑い好きじゃない方からしたらハードルが高いんですよ。でも食わず嫌いというか、単独ライブというものの存在すら知らないという方もたくさんいると思うんで、そういう人に足を運んでもらうにはどうしたらいいかを考える作業は大事やなと思ってます。“今までお笑いの単独ライブに行ったことがない”っていう人を減らすために、できることはしていきたいです」
「趣味:仕事」
――多忙な日々かと思いますが、単独ライブが終わってから、もしくは時間ができた時、やりたいことはありますか?
屋敷 「マヂカルラブリーさんのラジオに出させてもらった時に『みんなで3連休取ろう』ってノリになったんですけど、マジで3連休取ったんです。せっかくなんで、旅行の計画とか立てようかなと思ってますね」
――昨年発売したエッセー「今更のはじめまして」(ワニブックス)に「デビューしてから十数年、コロナ禍を経るまで、3連休を一度も経験したことがなかった」とあって、驚きました。
屋敷 「ははは!(笑)。でもみんなそうですよ。コットン、男性ブランコ、オズワルドとかからもそういう話聞きましたけど、みんな3連休なんてほぼないんじゃないですかね」
嶋佐 「うん。みんな忙しいですから」
――旅行に行きたいところはありますか?
屋敷 「最近仕事でタイとか韓国に行かせてもうて、どこも割と楽しかったんですよ。なんで『どこ行っても楽しいんや』って思ってます(笑)。行ったことないところはテンション上がります」
嶋佐 「うん。どこでも行きたいです」
――嶋佐さんは、時間ができたらやりたいことはありますか?
嶋佐 「俺もそんな感じですね。別にこれといってやりたいことはないんですけど、海外旅行はしたいですね。ロケでも何度か行かせてもらったんですけど、すごい俺、海外好きなんで」
――では、お仕事、プライベートに限らず、今何をしている時が一番楽しいですか?
屋敷 「分かりやすいことでいうと、やっぱりうまいもん食いながら酒飲んでる時が楽しいですね。それ以外だと、ゴルフやってる時かなぁ。ゴルフして、その後に仕事がない日は最高です。1カ月に1回か2回行けるかなっていうペースでやってますね」
――嶋佐さんはいかがですか?
嶋佐 「難しいですね~。俺も飲みに行くとかになっちゃいます。仕事してる時間も、全然楽しいんですよ。テレビも劇場の出番も、全部。全部楽しいです。だからなのかもしれないですね、これといった趣味を作れないのは」
――仕事に没頭してしまう?
嶋佐 「没頭というか、そんなに仕事にストレスを感じてないから…」
屋敷 「めっちゃ仕事人間みたいやん。『趣味:仕事』ってこと?」
嶋佐 「仕事をストレスと思うことがないから、別にプライベートで何かやろうと思わないのかな」
屋敷 「西野(亮廣)さんみたいやん」
嶋佐 「『趣味:仕事』かも」
屋敷 「いやいやいや(笑)。誰もそんなふうに思ってないと思うけどな、お前のこと。『趣味:仕事』系の人間やと誰も思ってないと思う」
嶋佐 「……趣味かも。お笑いが」
屋敷 「いやいやいや(笑)。そんなふうには見えへんけどなぁ」
嶋佐 「お笑いやってる時が楽しいんで」
屋敷 「マジ西野さんのセリフなんよ。真逆の人間っぽいけどなぁ」
嶋佐 「だから何もしないっす。普段は」
屋敷 「まぁでもそういう人、芸人には結構いますね。オズワルドの伊藤(俊介)も全く同じこと言ってます。『趣味がない』って」
――伊藤さんも、よく「お酒が好き」とおっしゃっていますね。
屋敷 「そうです。仕事と酒。仕事と酒の人、趣味ない説ありますね。千鳥の大悟さんとか」
嶋佐 「あ~、確かに大悟さんも趣味ないって言ってるわ」
「あえて確認したり、言葉にすることはないです」
――お二人のコミュニケーションの中で気をつけていることや、暗黙のルールみたいなものがあれば教えてください。
嶋佐 「ん?」
屋敷 「えぇ~?」
嶋佐 「なんだ? 暗黙のルールって」
屋敷 「別にないんちゃいますかね? 片方がこう言ってるけど、片方は『絶対こうや!』って言って対立して、どっちかが我を通すみたいなことはあんまりない気がしますし。『そっちがそんなに乗り気じゃないんやったら、まぁ別にええか』みたいな感じはお互いある気がします」
――「これはやらないでほしい」みたいなことも、特にないですか?
屋敷 「そうですね。たぶん、嫌だと思うことはお互いなんとなく近いところがあるんで、あえて確認したり、言葉にすることはないです。急に『カップルチャンネル始めるわ』みたいなことはないと思ってるんで(笑)。ルールとして定めていることはないですかね」
嶋佐 「別にわざわざ言わないですね。なんとなく、お互いのことは分かるというか。いちいち別に宣言せずに、それでなんとなくやってきたので」
屋敷 「そうやな」
「単独ライブは僕らの一番の本質」
――今回の単独ライブでは5都市を回るということで、訪れるエリアでのおすすめのスポットがあれば教えてください。
屋敷 「それはもうダントツで、北海道の『ミリオン』っていうバニーガールバーですね。ラジオでも話したんですけど、そのバニーガールバーは本当に楽しいお店で、トレンディエンジェルのたかしさんは36万円くらい使ってました」
嶋佐 「一晩で20、30万使ってました」
屋敷 「それぐらい、竜宮城みたいに楽しいお店です(笑)」
嶋佐 「俺は北海道の日、確実に行きます」
屋敷 「パックツアーって考えてもらいたいですね。昼は俺らの単独ライブ見て、夜はミリオンに行く。そういうツアーを組んでもいいんじゃないかってくらいおすすめです。女性も楽しめると思います。むしろミリオンのついでに俺らの単独見るでもいいし」
嶋佐 「うん。それくらい価値がありますよ、ミリオンは。絶対行った方がいいです。『ニューヨークの単独ライブ見た』って言ってもらえたらドリンク1杯サービスとか、そういうのできないかな~って思ってます(笑)」
屋敷 「吉本の誰に言えばいいんや(笑)」
嶋佐 「そのバニーガールバーに行くだけでも価値があるよね。北海道公演、来てほしいですね」
屋敷 「チケットのもぎりをミリオンの子にしてもらうとかできへんのかな?(笑)。北海道公演だけコラボしたいよな、ミリオンと。昼間からやってるんで、ミリオンに行ってから俺らの単独に行くっていう手もあります」
――(笑)。では最後に、あらためて単独ライブへの意気込みをお願いします。
屋敷 「ありがたいことにメディアにいろいろと出させていただいて、僕らも知ってもらうことが増えたんじゃないかなと思うんですけど…。でも、ほとんどの方が単独ライブは見たことがないと思うんですよ。僕らのことを知ってくれている人には、なるべくね、一度は単独ライブを見ていただきたいという気持ちがあります。去年の単独ライブ『Last Message』のデータ販売もやってますので、それを見て決めていただいてもいいと思います。単独ライブは僕らの一番の本質やと思いますんで、バラエティーやYouTubeで僕らのことを気になってくれた方は、ぜひ見てほしいです」
嶋佐 「単独ライブって『僕らだけのライブに、これだけの人が足を運んでくれるんだ』『こんなに応援してくれる人がいるんだ』って、一番実感できる場なんです。年に1回、皆さんの存在を実際に目の前で確認できるというのは、やっぱりモチベーションになります。なので本当にね、今まで見に来てくれている方も、まだ見に来たことがない方も。たくさんの方に見に来ていただきたいです。よろしくお願いします」
【プロフィール】
ニューヨーク
嶋佐和也(1986年5月14日生まれ、山梨県富士吉田市出身)と、屋敷裕政(1986年3月1日生まれ、三重県熊野市出身)が、ともに東京NSC15期生として入学。2010年、コンビ結成。「M-1グランプリ」2019・2020、「キングオブコント」2020・2021ファイナリスト。現在のレギュラー番組は、「まだアプデしてないの?」「マッドマックスTV 論破王」(ともにテレビ朝日ほか)、「ラヴィット!」木曜レギュラー(TBS系)、「超絶限界~ソコまで見せる!?大百科~」(フジテレビほか)、ラジオ「ニューヨーク・小湊よつ葉のマジックミラーナイト」(文化放送)など。7月12日の愛知・名古屋公演を皮切りに、自身最大規模となる単独ライブ「虫の息」を全5都市で開催する。
【公演情報】
ニューヨーク単独ライブ「虫の息」
■名古屋
会場:名古屋市芸術創造センター
7月12日(水)午後6:00開場/午後7:00 開演
■福岡
会場:よしもと福岡 ダイワファンドラップ劇場
7月22日(土)①午後0:00開場/午後1:00開演 ②午後4:00開場/午後5:00開演
■大阪
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
8月5日(土)午後0:00開場/午後1:00開演 ②午後4:00開場/午後5:00開演
8月6日(日)午後0:00開場/午後1:00開演
■北海道
会場:共済ホール
8月11日(金)①午後0:00開場/午後1:00開演 ②午後4:00開場/午後5:00開演
■東京
会場:東京芸術劇場 プレイハウス
8月17日(木)午後6:00開場/午後7:00開演
8月18日(金)午後6:00開場/午後7:00開演
8月19日(土)①午後0:00開場/午後1:00開演 ②午後4:00開場/午後5:00開演
8月20日(日)①午後0:00開場/午後1:00開演 ②午後4:00開場/午後5:00開演
※8月20日(日)東京芸術劇場 プレイハウス 午後5:00公演の、オンラインチケットが発売中
【プレゼント】
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【締切】2023年7月25日(火)正午
【注意事項】
※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/宮下毬菜 撮影/尾崎篤志
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