櫻井翔×風間杜夫の新感覚タッグがほほ笑ましい。細部まで丁寧に作り込まれたドラマ「先に生まれただけの僕」は今クール最大の太鼓判作品2017/10/12
第1話を見て、櫻井さんは、人と2人でいる空気を作り上げるのがとても上手な方だと感じました。その第1話は、鳴海という男を中心に全編が描かれていきます。鳴海は、蒼井さん扮(ふん)するちひろと教育について互いの意見をぶつけ合い、多部さん扮する聡子とのデートで愚痴をもらし、癒やしを求めて井川さん扮する沙織がいる保健室に通い…。また、高嶋さん扮する加賀谷から時折本社に呼ばれては乱暴な言葉遣いでプレッシャーを与えられ、高校に戻ってはあーでもないこーでもないと風間さん扮する柏木と経営を立て直そうと試行錯誤する。“櫻井さんともう一人誰か”というふうに、2人でいるシーンが多いのです。
ほかにも、大学への進学を目指す生徒・加瀬龍之介(佐久間悠)と2人で話すシーン、離れて暮らす母親と電話で話すシーン、商社マン時代に後輩を連れて取引先を訪問し、「営業マンとは」的な姿勢を見せるシーンなど、とにかく印象的だったのは「2人」で展開されていくシーンの数々。鳴海という人物を大まかに捉えるには十分な情報量で、第1話で鳴海というキャラクターにグッと引き込まれます。
ここまで読んでいただいた方は、「櫻井さんのファンしか楽しめないドラマか」なんて思ってしまうかもしれませんが、決してそうではありません。櫻井さんと「2人」で展開されるシーンによって、ほかの登場人物もこのドラマの中でイキイキと動き始める。櫻井さんは座長として圧倒的な存在感を放ちながら、登場人物一人一人のパーソナリティーもしっかり描かれています。自ら輝きながら、周りにいる人をくまなく照らす。櫻井さんの不思議な魅力に気付かされました。
中でもこの「2人」に注目してほしいのは、櫻井さんと風間さんのシーン。柏木は、京明館高校において鳴海が唯一「パートナー」と呼べる存在です。心が広く、人当たりもよい柏木の力を借りながら、校長として奮闘していく鳴海。鳴海にとって四面楚歌ともいえる状況が痛ましく、胸を締め付けられるようなシーンが多い第1話において、柏木とのシーンはほほ笑ましく、新感覚のタッグが見せる奥行きに、今後の展開がさらに楽しみになりました。
第1話の先行試写会の終了後のトークイベントには、櫻井さん、蒼井さん、井川さん、風間さん、高嶋さんが登壇。キャスト陣は既に全話の撮影が終了している本作の、撮影時の思い出話やオンエアに向けての意気込みといったトークに花を咲かせます。風間さんはマイクを握り、「翔くんとは初めての共演なんですけども、最初は僕も人見知りするタイプで、なんとなく…ね、アイドルだし、近寄りがたいというか。でも、すぐに打ち解けました(笑)」と会場を和ませ、「望んで来たポストではない校長という役の鳴海くんが、いろんなプレッシャーを感じながらも見事に学校を改革していく。最初は嫌がっていた教師たちも、校長に同意していく。本当に感動ドラマです。僕、第1話を見て泣きました。だから最終回を見たらボロ泣きするかもしれません(笑)」とコメント。
続けて、「ほとんど漫才に近いような場面もありますけれども(笑)、翔くんとのコンビネーションも皆さんに楽しんでもらえたらと思います。柏木は変な人であることは確かなんですけど、一番最初に鳴海という男にほれていく人間なんですよ。ですから最後に彼が校長として、あっ、だめだ、あらすじ言っちゃいけないんだ(笑)。あぶない、あぶない」と最終話のネタバレを言いかけてしまう風間さんを、櫻井さんが隣でニコニコして見ているという場面も。
熱血同士でもない、太陽と月というわけでもない、陰と陽というわけでもない、そんな櫻井さんと風間さんの新感覚タッグがほほ笑ましい「先に生まれただけの僕」。今クール最大の太鼓判を押すにふさわしい作品です。
【番組情報】
「先に生まれただけの僕」
日本テレビ系
10月14日スタート
土曜 午後10:00~10:54(初回は、午後10:00~11:08)
日本テレビ担当 M・M
関連リンク
この記事をシェアする