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綾野剛主演「フランケンシュタインの恋」の河野英裕プロデューサーを直撃。「柳楽優弥の変化は物語のもう一つの軸」2017/07/05

綾野剛主演「フランケンシュタインの恋」の河野英裕プロデューサーを直撃。「柳楽優弥の変化は物語のもう一つの軸」

 綾野剛さんが不老不死の“怪物”を演じ、早くも4月23日の第1話オンエア直後から、その純粋無垢なキュートさに心を奪われる人が続出している「フランケンシュタインの恋」(日本テレビ系)。120年前にある事件をきっかけに生み出され、森の中で孤独に生きてきた怪物が、初めて恋という感情に触れる中でもたらされる喜びや悲しさ、切なさ、そして時には嫉妬といった情景が丁寧に描かれる作品です。

 本作を手掛けるのは、同系で「野ブタ。をプロデュース」(2005年)、「Q10」(10年)、「妖怪人間ベム」(11年)、「ど根性ガエル」(15年)といった多数の話題作を生み出してきた河野英裕プロデューサー。人間ではない登場人物を描くことに長けている印象がある河野さんに、“怪物”が主人公となる本作について語っていただきました。

●危険な挑戦でしたが、綾野さんを信頼して任せました

綾野剛主演「フランケンシュタインの恋」の河野英裕プロデューサーを直撃。「柳楽優弥の変化は物語のもう一つの軸」

── 綾野剛さん×二階堂ふみさんというタッグで連続ドラマ、そしてラブストーリーというのは新鮮な気がします。このキャスティングの決め手を教えてください。

「単純に、一度一緒にお仕事をしてみたかったお二人でした。綾野さんが主演に決まり、綾野さんのお芝居を受け止めることができて、かつ予想を超えて引っ張ってくれる女優を考えたとき、二階堂さんしかいなかったんです。そこにブレはなかったし、ほかに思い浮かばなかった。その二人を決めてから、ほかのキャストを決めていきました」

綾野剛主演「フランケンシュタインの恋」の河野英裕プロデューサーを直撃。「柳楽優弥の変化は物語のもう一つの軸」

── 凝った怪物の衣装も話題となっていますが、どのようなコンセプトで作られたのでしょうか。

「120年間ずっと森の中で孤独に生きてきた怪物が、ずっと丁寧に丁寧に、大事に大事に、自分で修復しながら着続けているという設定です。森の中でたまたま拾ったものや、怪物が人間だった頃の服を組み合わせていろんな素材でできているんです。キャラクターデザイナーがアイデアを出してくれたんですが、想像以上のものになりました。一つ一つに意味があって、たとえば腕の部分は怪物がかわいがっていたウサギが死んでしまい、その命を永遠にしようという意味を込めて、ウサギの毛を服の一部にしたんです」

── 実際に見ると細部まで凝っていて、本当にすてきな衣装だと感じました。以前、撮影現場を取材させていただいた際、綾野さんが少し暑そうにされていましたが、これから怪物の衣装は夏にかけて変わっていくのでしょうか。

「変えないつもりです。綾野さんには大変な思いをしてもらおうと思っています(笑)。先ほどお話ししたように怪物にとって大事な服なので、ずっとこれを着ていくべきだと思っています。綾野さんはもう脱ぎたがっていますけどね(笑)」

── キノコが生えるシーンも印象的でした。深志研(=怪物が人間として付けられた名前)が抱く感情によって、生えてくるキノコの種類が変わるのでしょうか。

「人間において負の感情…たとえば怒り、悲しみ、苦しみ、そして嫉妬といった感情を抱いた時、白いキノコの菌がまき散らされ、これが人間に悪影響を及ぼします。反対に喜びなど善の気持ちの時は、首から赤いキノコが生えます。これは深志研も理解していて、『人間という生き物は心の動きに支配されている』というメタファーとして表現しています。今後、津軽継実(二階堂)や稲庭聖哉(柳楽優弥)といった人間と関わっていく中で、彼は人間らしさを取り戻していきますが、そこで芽生える新たな感情によってほかの新種のキノコが生えてくるかもしれません。物語の中盤で描かれる予定なので、お楽しみに」

綾野剛主演「フランケンシュタインの恋」の河野英裕プロデューサーを直撃。「柳楽優弥の変化は物語のもう一つの軸」

── クランクインは、怪物が初めて自転車に乗るシーンでした。スタントなしの体当たり演技でしたが、今後もこのような挑戦は続くのでしょうか。

「こちらとしてはやらせないつもりです。実は、自転車のシーンも吹き替えを用意していたんですよ。でも、綾野さんが自分でやると言って、危険なことなので迷ったんですけど、挑戦してもらったんです。綾野さんはアクションの経験もあって勝算があるからそういう主張をしたのだと思うし、できない時はできないとはっきり言うタイプなので。作品をより良くするために言ってくれた主張なので、彼を信頼して任せました」

●深志研にとって、ラジオが唯一自分と世界をつなぐ架け橋だったんです

綾野剛主演「フランケンシュタインの恋」の河野英裕プロデューサーを直撃。「柳楽優弥の変化は物語のもう一つの軸」

── 深志研にとって、天草純平(新井浩文)とはどのような存在なのでしょうか。

「森の中で孤独に生きてきた深志研にとって、ラジオが唯一自分と世界をつなぐ架け橋だったんです。なので、天草は親であり、仲間であり、先輩であり…もしかしたら神様かもしれない。自分の知らない世界を教えてくれるたった一人の存在だったんでしょうね。深志研と天草は、第5話で対面しますよ。津軽さんと出会い恋をしていくにつれて、彼女を守って愛していくために、自分自身がもっと成長して、人間を知っていく必要があると感じた深志研は、天草と共にラジオに出演して、リスナーのお悩み相談を受けるようになります」

── 撮影現場の雰囲気はいかがですか?

「綾野さんが現場のリーダーとしてみんなの空気をつくろうと頑張ってくれています。俳優部の代表として取りまとめて、今まで交流がなかった方にも気軽に話しかけたりして。綾野さんは“チーム感”をすごく大事にしてくださる方ですね」

── 主題歌のRADWIMPS「棒人間」は、まさにこのドラマのために作られたような曲ですが、昨年発売されたアルバム「人間開花」の中の1曲なんですよね。この曲が主題歌になった経緯を教えてください。

「個人的な意見なんですが、僕がロックが好きなので、ギターとドラムとベース、そしてボーカルがしっかり聴こえてくるロックバンドの音でドラマを締めくくりたいと思っていました。綾野さんにそんな話をしたら、『RADWIMPSはどうですか』と勧められて、当時リリースされていたアルバム『人間開花』を聴いてみたんですね。そうしたら『棒人間』が流れて、びっくらこいて(笑)。サウンドも、メロディーも良いし、何より歌詞がドラマに100%マッチしていたものですから。驚きと感動で背筋が震えました。その瞬間、この曲を主題歌にしたいと強く感じて、そこから紆余曲折あったけど…できました(笑)」

●稲庭くんは“人間代表”として大事に描きたい

綾野剛主演「フランケンシュタインの恋」の河野英裕プロデューサーを直撃。「柳楽優弥の変化は物語のもう一つの軸」

── 最後に、今後のキーパーソンとなる人物はいますか?

「(即答で)稲庭くんです。深志研と津軽さんに対して恋の嫉妬心も湧いてくるし、彼が人間ではないと知って、それゆえの危険さも分かっていく。一方で、いかに彼が純粋で、自分はそうでないかを知らしめられもする。そんな感情の中で揺れ動いて、彼を陥れようとすることもあります。母親が小さい頃に亡くなって、たくさん我慢をして、自分よりも人のことを考えて生きてきた人生だったので、深志研との出会いをきっかけに稲庭くんがどう変わっていくかは、物語のもう一つの軸になっていきます。このドラマの中で一番人間らしいキャラクターなので、悪い感情も含めて、大事に描きたいなと思っています。柳楽さんはやっぱりすっごくお芝居が上手で、『こんなに笑える芝居もできるんだ』って驚かされることも多いですし、もちろん柳楽さんの真骨頂である人間の“狂気”の部分も今後出てくると思います。彼には“人間代表”としてお芝居してもらいたいですね」

綾野剛主演「フランケンシュタインの恋」の河野英裕プロデューサーを直撃。「柳楽優弥の変化は物語のもう一つの軸」
綾野剛主演「フランケンシュタインの恋」の河野英裕プロデューサーを直撃。「柳楽優弥の変化は物語のもう一つの軸」

【番組情報】

「フランケンシュタインの恋」 
日本テレビ系 
日曜 午後10:30~11:25

日本テレビ担当 M・M



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