金子大地、「育休刑事」で育休中のパパに!?「家に帰って赤ちゃんの写真をニヤニヤしながら見るのが最近の癒やし」2023/06/06
ドラマ10で放送中の「育休刑事」(NHK総合ほか)は、育児休業中の刑事・秋月春風(金子大地)が、“赤ちゃんの育児中”だからこそ気付いたヒントを基に事件を解決していくライトミステリー。息子・蓮のかわいさに“ほっこり”し、妻の沙樹(北乃きい)、法医学者の姉・吉野涼子(前田敦子)をはじめとする濃いキャラクターと春風の会話劇に“くすっ”とする作品です。
今回は、主演を務める金子大地さんにインタビュー! ドラマを通して“育児”について考えたことや役作りについて、姉・涼子役の前田敦子さんや妻・沙樹役の北乃きいさん、蓮役を務める赤ちゃんたちとの共演エピソードなどを伺いました!
――まず初めに、「育休刑事」というドラマのタイトルを聞いた時にどう思いましたか?
「面白いタイトルだなと思いました。育休しながら刑事やるんだろうなと。原作を読むまではもっとポップでコメディータッチの作品を想像していたのですが、意外とちゃんと子育ての厳しさ、事実を描いていたので、自分が演じる上でのやりがいがある作品になると思いました」
――撮影を通して育児への考え方が変わりましたか?
「子育てってこんなに大変なんだと思いました。僕は撮影中、おむつ替えなどはせず、かわいい部分だけを見ていたのですが、それだけでもかなり神経を使ったので、赤ちゃんと長時間ずっと一緒に家にいて子育てしている人たちは本当にすごいとあらためて感じました。自分もそうやって育ててもらったんだと考えさせられましたね。第3話(5月2日放送)ではワンオペ育児にも触れているんですけど、赤ちゃんって1人じゃ何もできなくて、誰かが見ていないといけない存在なので、僕が演じる春風の息子の蓮くんのように、姉の涼子だったり、時には刑事の仲間たちだったり、親だけじゃなくて周りにいる人たちがみんなで子どもを育てていくような環境はとてもいいなと思いました。みんながやっていることだけど、本当に大変で、深刻なこともたくさんあるんだろうなと思います。それに、育てている親も人間なので、完璧じゃないからこそ難しいこともいろいろあるんだろうなと感じました」
――放送開始してから1カ月半ほどたちましたが、周りからの反響はありますか?
「身近な人は面白いと言ってくれることが多いです。どうなるんだろうっていう不安もあったので、まずは安心ですね。ほかには、自分がどんなにお芝居を頑張っていても、全部赤ちゃんに持っていかれている感覚がありますが、かわいいから仕方ないですよね(笑)」
――今作は原作がある作品ですが、春風のキャラクターはどのように作っていきましたか?
「原作でも、お姉ちゃんの涼子が明るくてノリがいい感じで、弟である春風は真面目で一歩引いている関係です。冷静で、いつも心の中で考えているような人物なので、役を作り過ぎずにフラットに“受け”の姿勢でいようと意識しました」
――受けの演技の方が難しいとおっしゃる俳優の方も多いですが、いかがでしたか?
「ツッコみも、ここは毎回ツッコむと決まっていたわけではなかったので難しかったのですが、前田さんに助けられました。前田さんがエンジン全開でバーっとはっちゃけてくれて、捜査1課4係の課長・石蕗聡役の鶴見辰吾さんも現場を盛り上げてくださって、周りのキャストに助けられましたね。僕はとにかく振り回される役でしたが、途中から僕もちょっとふざけたくなったこともありましたが、今回は抑えて冷静に引いて周りを見るように心掛けました。難しかったですけど、春風として演じる上で楽しい部分でした」
――前田さんや北乃さんと家族を演じるに当たって、チームの雰囲気はどうでしたか?
「雰囲気は撮影序盤からつかめました。2人ともすごく明るいので、受け役の春風としては演じやすかったですね。春風が所属している4係の皆さんも濃いキャラクターの人たちばかりだったし、毎回ゲストに出てくるキャストの皆さんも多かったので、すごくやりやすい環境でした」
――今回、主演の座長として意識的に立ち回っていたことはありますか?
「どうやったらみんなが楽しめるのかは考えましたけど、僕が主役だと意識しなくてもみんなが支えてくださって、そのおかげでここまでこられたので感謝しかありません。前田さんもずっと近くにいてくださって本当に心強かったですし、良いチームでした」
――刑事としてはどのような役作りをしましたか?
「パパの方に専念したいのに事件に巻き込まれる役なので、頼りたくなるような人間像というか、刑事だけど堅苦しくならないように言葉遣いなどを意識しました。春風は頭もいいですし、真面目なんだけど、頼りやすく優しい雰囲気があるんで」
――赤ちゃんと演じることの難しさ、大変なことはありましたか?
「大変なことは全然なくて、むしろ助けられてばかりでした。赤ちゃんのかわいさが現場を明るくしてくれています。もちろん神経はすごく使うし、集中力は必要ですけど、それ以上に赤ちゃんに演技を引き出されている感じがします。赤ちゃんの表情を見て、自分も素のリアクションができるんです。赤ちゃんと接するシーンではお芝居をしている感覚はあまりなくて、本当にその時感じた表情を前面に出して、それがOKになることもありました。出来上がった作品を見ても、赤ちゃんだけでも画(え)が持つぐらいかわいいので、いろんな意味で、今回のドラマは赤ちゃんに助けられたなって思いました。撮影現場の雰囲気も良くて、赤ちゃんに囲まれながらの撮影なのでみんな笑顔になるんですよね。撮影が続くと疲労もたまってきますが、そういう時に純粋な赤ちゃんを見ると、『よし、頑張ろう』って元気が出ました」
――赤ちゃんとの撮影で印象に残ったエピソードはありますか?
「初日は、抱っこしてもずっと泣いていて慣れてくれなかったんですけど、朝から夕方ぐらいまで撮影している中で、最後のシーンで抱っこしている時に寝てくれたんです。それは、撮影する上ですごくよかったし、距離がちょっと縮まった気がしたのでとても印象に残っていますね。その後、徐々に仲良くなれて。ちゃんと僕のことを認識してくれているのを撮影しながら感じていたので、かわいくて仕方がなかったです。それに、赤ちゃんって、たった2、3カ月でもすごく変わるんです。蓮くん役は複数人いるんですが、2代目の赤ちゃんは歯が生えて結構話せるようになったりとか…。現場では、赤ちゃんにパパって呼んでもらえるように吹き込んでいたんですよ。そうしたら、『パパ』って言ってくれて。『パパパパ、パパパ』とちょっと曖昧で、本当は家で言っているのかもしれないけど、僕はすごくうれしかったです」
――子どもは元々お好きでしたか?
「好きでしたが、身近に赤ちゃんがいなかったので、接したのは今回が初めてでした。赤ちゃんがいる日の現場といない日だったら全然テンションが違って、赤ちゃんがいると本当にうれしくて、毎回撮影が始まるギリギリまで遊んでいました」
――ご自身はどんなパパになりそうですか?
「もう甘々だと思いますね。他人の子なのに『本当に同じ人間!?』っていうくらいかわいいし、持って帰りたいくらいだったので、自分にもし子どもができたら本当にたまらないだろうな。早く家に帰りたくなると思います」
――今回のドラマはほっこりしたドラマですが、金子さんにとってほっこりするものや癒やしはありますか?
「一緒に撮影している赤ちゃんが圧倒的に癒やしです。携帯に赤ちゃんの写真がいっぱい入っていて、家に帰ってニヤニヤしながら見るのが最近の癒やしですね」
――撮影が終わったらロスになっちゃいそうですね。
「そうですね。それこそ最後のシーンも撮り終わってお別れしたので、会う機会はもうなくて本当に寂しくて…。『きっと2、3カ月したら俺のことは忘れるんだろうな』と思いながら、最後に熱いハグをしてきました。写真に残っているので、ずっと見ようと思っています」
――いつか大きくなって、また共演できるといいですね!
「そんなことがあったら、最高ですね!」
――最近はNHKの作品では大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では時代劇に、「藤子・F・不二雄SF短編ドラマ」ではSFに、そしてロマンポルノ映画「手」などさまざまな作品に出演されていますが、意識が変わったことはありますか?
「考えていることはあまり変わっていない気がしています。『一個一個、毎回真摯(しんし)にやる』、それに尽きるなと。毎回新しい役を演じる上で考えることもあるけど、根本的な意識はどの作品を演じる上でも変わらないというか…。言葉で言うのはすごく難しいですけど。でも、自分から出るもの以上のことはできないので、そこは考えてお仕事していますね」
――最後に、この作品の魅力や皆さまへのメッセージをお願いします!
「ここまで赤ちゃんが映っているドラマは他にはないと思います。極力人形を使わずに、本当の赤ちゃんで撮ることをチーム全体でこだわって、力を入れて撮影しています。そのよさがちゃんと本編に出ていて、赤ちゃんのいい表情や、かわいい瞬間、意外な表情をちゃんと切り取れているのがすごくよくて。物語中の事件も、タイムリーなものや起こり得る事件を扱っていて、重い話もありますが、個性豊かなキャストが集まっているので、暗くなり過ぎず、すごく面白い作品になっていると自信を持って言える作品です。途中から見ても面白いので、まずは、赤ちゃんを見に来て毎週ほっこりしてもらえたらうれしいです」
――ありがとうございました!
【プロフィール】
金子大地(かねこ だいち)
1996年9月26日生まれ。北海道出身。「アミューズオーディションフェス2014」にて、俳優・モデル部門を受賞しデビュー。2019年、テレビドラマ「腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。」(NHK総合)にて、安藤純役でドラマ初主演を務め、同年、第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 新人賞を受賞。22年、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にて、源頼家役で大河ドラマ初出演を果たし、映画やドラマ、CMなどで幅広く活躍している。
【番組情報】
ドラマ10「育休刑事」
NHK総合 NHK BS4K
火曜 午後10:00~10:45
NHK担当/Kizuka
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