注目のトリオ・青色1号を徹底解剖! 遠慮のない関係、しかし止まらない逆襲が【ロングインタビュー後編】2023/06/02
6月17日に、結成7年目にして初の単独ライブ「ちょっとだけバカ」を開催するお笑いトリオ・青色1号。昨年の「キングオブコント」では準決勝に進出し、今年は「ツギクル芸人グランプリ」にも出場し優勝を狙うなど、これからの活躍に期待がかかるトリオです。インタビュー後編では、上村典弘さん、榎本淳さん、仮屋想さんの3人に、芸人を志したきっかけや、ご家族とのエピソードを語っていただきました。(前編はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2232794/)
お笑いを始めたきっかけ
――芸人を志したきっかけや、憧れの方について教えてください。
榎本 「僕はテレビで『笑う犬』(フジテレビ系)を見て、『コントって、やったら楽しいんだろうな』『僕もやりたいな』と思ったのがきっかけです。ウッチャンナンチャンの内村光良さんに憧れていて、小学生の時にはもう『将来はお笑いをやろう』と思っていました。大学にお笑いサークル的なものがあったので、お笑いを始めたのは大学からです。当時、大学ごとのチームで戦う大会があって、僕らの一つ上の代に今のさすらいラビーとかストレッチーズ、4年生に真空ジェシカさんがいたんです。みんなその頃から面白くて、すごい時代で。そんな中でネタをやったんですけど、僕らの大学が1票しか入らなくて、最下位だったんですよ。現さすらいラビーの宇野ちゃん(宇野慎太郎)のチームとか、ストレッチーズの慶応義塾大学のチームはめっちゃウケて、上位でした。その時に『大学お笑いでやっていくのは無理だ、やめよう』と思って、太田プロの養成所に入りました」
仮屋 「僕もずっとお笑いが好きで、小学生の頃から『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)や『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)を見ていました。中学では野球部に入っていたんですけど、朝練があって、それがキツくて。疲れて帰ってきたらテレビで『笑っていいとも!』(フジテレビ系)がやってて、『めっちゃ楽しそう!』ってうらやましくなったんです。『いいなぁ、この中に入りたい』って思ったりもして。昔から本当にお笑いが好きでした。タモリさんや(明石家)さんまさんも大好きで。修学旅行で友達と漫才をしたりもして、ずっと『芸人になりたいな』と思っていました」
――初めて舞台に立ったのは、いつでしたか?
仮屋 「高校生のお笑いの大会で『ハイスクールマンザイ』というのがあるんですけど、僕が高校生の頃は『M-1甲子園』という名称で。高校3年生の時に、それに同級生と出場しました。高校卒業後、本当は僕は大学に行きたくなかったんですけど、おばあちゃんが『大学行け』って言うんで、進学はして。地元が福岡なんですけど、福岡にアマチュアの人たちが集まってなんかやってるみたいな団体があったんで、大学時代はそこでちょっとだけお笑いをやっていました。その頃の相方とは2人で上京して、一緒に太田プロの養成所に入って。『フィルダースチョイス』というコンビで漫才をやってたんですけど、2年くらいで解散しました」
――前回の取材で、上村さんは「エンタの神様」(日本テレビ系)で東京03さんを見たことがきっかけでお笑いを始めたとおっしゃっていましたが、実際に始めたのはいつ頃でしたか?
上村 「『エンタの神様』で初めて東京03さんを見たのは15歳くらいの時だったんですけど、その頃は将来お笑いをやるとは思っていなかったです。でも、大学生になって就活をした時に『あ、もう絶対無理だな』と思って」
――サラリーマンとして働くのが?
上村 「サラリーマンというか、もう就活を頑張れないなと思ってしまったんです。楽しくないし、どうしようもなかったのもあって、『せっかくだし、お笑いをやってみよう』と思い、養成所を探しました。それが大学4年生の時です。その頃は東京03さんやバナナマンさん、ラーメンズさんのDVDをひたすら見まくっていました。コントが大好きで」
――その頃には、もうネタも書いていたんですか?
上村 「ネタも書いていました。太田プロの養成所に入る前は、地元の友達を誘って、トゥインクル・コーポレーション、ash&A、浅井企画、グレープカンパニーといった事務所のネタ見せに行って。案の定、めちゃくちゃスベりまくりました。ネタ見せって、今となっちゃウケないのなんて当たり前なんですけど、当時はウケると思って行ってるんで、『あー、これじゃダメだな。ちゃんと養成所に入ろう』と。そこから太田プロの養成所に入りました」
榎本さん&仮屋さんの、上村さんへの止まらない逆襲
――単独ライブのタイトル「ちょっとだけバカ」にちなんで、相方の「バカだな~」と思う部分があれば教えてください。
上村 「(即答で)榎本なんて、ちょっとどころじゃないですよ。めちゃくちゃバカですよ!」
榎本 「そんなことないよ!」
上村 「この見た目で、全然勉強できないですから。僕らがやってるネットラジオにレターっていう機能があって、聴いてくれている方がメールを送ってくださるんですけど、読めない漢字が結構あるんですよ。そのたびに『バカだな~』って思います(笑)」
仮屋 「ちょっとだけじゃなくて、リアルバカです」
榎本 「いやいや。タイトル『リアルバカ』じゃないから!(笑)」
上村 「(笑)。仮屋はやっぱりパチンコですね。仮屋のギャンブルの仕方は本っっっ当にバカだなって思います。だって、朝と夜バイトして、そのお金をギャンブルで使ってるんですよ? それももうずっと」
仮屋 「まぁ、たまにですけどね」
上村 「常に!! 常にやってるだろ!(笑)」
榎本 「ゲーム感覚でやっちゃうんで、仮屋は全然お金がないんですよ。『お金、どうしてんの!?』って思いますもん」
上村 「なのに、超疲れた顔してバイトに行くんです」
仮屋 「ははは!(笑)」
上村 「ちょっとどころじゃないですよ(笑)。ギャンブルやらない身からしたら、『バカだな~』って思っちゃいますね」
――パチンコだけですか?
仮屋 「パチンコ、パチスロ、ボートレース、あとは競輪もちょっと…」
上村 「今ってスマホでボートレースができるんで、楽屋でそれをずっとやってるんです」
榎本 「仮屋がボートレース仲間をどんどん増やすんですよ」
仮屋 「芸人にボートレースを広めて。ハマった人たちは、必死にバイトしてます(笑)。今後はパチンコ仕事をいただけるようになりたいですね。ギャンブルがお仕事につながるのが一番うれしいです」
榎本 「とにかく誰かのお金でギャンブルをやりたいんですよ(笑)」
――逆に、お二人はどうで…(すか?)
仮屋 「(食い気味に)上ちゃん(上村)は道とか分かんないし、マジで話を聞いてないです」
榎本 「(かぶせる勢いで)方向音痴すぎて。話も全然聞いてないです。前日に確認したことを、普通に個人LINEで『明日どこ?』『ネタ何やんの?』とか聞いてくるし。『いや、さっき言ったよ!?』って(笑)」
仮屋 「(さらに畳み掛けて)LINEも、僕らにはまぁいいんですけど、ほかの芸人から『意味分かんないLINEしてくる』って言われることありますね。『これ、どういう意味で送ってんの?』みたいなこととか、文章が足りなかったりとか」
榎本 「(息をつく暇もなく)誤字脱字もめっちゃ多いですね。変換ミスも多いんですよ。変な文章で送ってくるから『どういう意味!?』って(笑)」
上村 「(変換ミスをしても)消さないですよ、面倒くさがりなので(笑)。話も聞いてないです!」
将来、「青色1号の初単独を見たんだぞ!」と自慢できるライブに
――記念すべき初単独ライブということで、ご家族もいらっしゃったりするんでしょうか。
榎本 「来ます!」
仮屋 「僕の家族も福岡から来ます」
榎本 「全員来ます!」
――全員?
榎本 「榎本家総出で来ます。父親、母親、弟、いとこと、いつもライブを見に来てくれる、親の知り合いも来ます。いっぱい来ます!」
――単独ライブの翌日、6月18日が父の日ということで、お父さんやご家族にまつわるエピソードをお聞きできたらと思います。
上村 「前に実家に帰ったら、父親が見たことないビールを飲んでてびっくりしました。そのすごく安いビールを飲みながら業務用の柿の種をずっと食べてたんですけど、ちょっとずつ食べるからピーナツが下に沈んじゃうらしくて、それを振って混ぜてました。『何やってるんだろう?』って思っちゃいました(笑)。母ちゃんとは仲いいですね」
榎本 「僕の家族は、僕がお笑いをやることもすごく応援してくれていて、ライブも一番見に来てくれています。テレビもすぐチェックしてくれるし、この単独ライブのこともいろんな人に話してくれてますね。親の知り合いに相模原の市役所かどこかで働いている方がいるようで、親が話したのか、今年の2月に『ネタパレ』(フジテレビ系)に青色1号が出演する時、相模原市の公式Twitterが『青色1号さんが出ます! 応援しましょう!』ってツイートしてくださっていました(笑)。去年『サガミハラエッジ芸人バトル』で僕たちが優勝したので一応ゆかりはあるんですけど、びっくりしました(笑)」
仮屋 「相模原市民に向けて、応援ツイートを投稿してくださっていました(笑)。僕は、お父さんが劇団というか、役者をやってたんです。学校とかに来て子どもたちの前でやるような劇団で、それは今もやってるんですけど、その血は受け継いでいるのかなって思います。表現者として…(笑)。けど、僕が『お笑いやる』って言ったら、ちょっと反対してました。お母さんに『自分は役者なのに、何言ってんの』って言われてました」
上村 「前に、仮屋の父親がライブに来たんですよ」
仮屋 「仕事でたまに東京に来るんですけど、『今夜、飯行ける?』って連絡が来て。『今日ライブが夜の10:00過ぎまであるから、ちょっと難しいかも』って言ったんですけど、オープニングMCして、終わって後ろから見てたら、『後ろの方の席におじさんいるな~』と。それがうちの父親でした。黙って見に来てました」
上村 「ライブが終わって外に出たら、そのおじさんが外で待ってたんですよ。しゃべったら酔っ払ってて、『飲んできちゃったよ~』って。『飲んで来んじゃねーよ!』って思いました(笑)」
榎本 「確かに、いい気分にはなってました(笑)。上ちゃんと僕が仮屋のお父さんに会ったのは、それが初めてで」
仮屋 「僕はまだ楽屋にいて、上ちゃんが先に帰ったんですけど、急にうちの父親が話しかけたらしいです。あたかも知り合いのような感じで」
――父の日、何かしますか?
上村・榎本・仮屋 「うーん…」
榎本 「僕は、母の日はお菓子をあげました」
仮屋 「5月9日が母親の誕生日なんです。家族LINEに、誕生日ケーキを持ったお母さんの写真が送られてきました」
榎本 「仮屋と仮屋のお母さんはめっちゃ顔が似てるんですよ。女性版仮屋と言ってもいいくらい」
仮屋 「ほぼ僕です。『おめでとう』だけ返しました」
上村 「僕は母の日も何もしてないですね。きょうだいが多くて。4人きょうだいなんで、あいつらに任せてます(笑)」
――いろんなお話をありがとうございました。では最後に、あらためて初単独ライブへの意気込みをお願いします。
上村 「面白いネタ書くんで、ぜひ見に来てください!」
榎本 「初単独ライブなので、これを見た方が将来、古参ファンとして『青色1号の初単独を見たんだぞ!』『すごいライブを見たんだぞ!』と自慢できるライブにしたいです。頑張ります!」
仮屋 「満足してもらえるライブにします。ダウ90000には負けません!」
手書きプロフィールも書いていただきました!
5月半ば、30℃超えの猛暑日の中、公園にて撮影。すべり台では上から榎本さんを蹴飛ばしたり(榎本さんのポケットに入っていたものが吹き飛んでいました)、ブランコを威勢よく押して、乗っていた仮屋さんが軽く酔ってしまったりと、圧倒的攻撃力を備えているにもかかわらず、自由奔放(?)な上村さんでした。「19時の部」は配信も予定しているとのことですので、現地での参加がかなわない方もぜひお楽しみください!
【プロフィール】
青色1号(あおいろいちごう)
上村典弘(1990年6月7日生まれ、東京都足立区出身)、榎本淳(1992年5月29日生まれ、神奈川県相模原市出身)、仮屋想(1991年7月17日生まれ、福岡県出身)が、2014年、太田プロダクションの養成所「太田プロエンタテイメント学院」の6期生としてともに入学。上村と榎本がコンビ「青色1号」として活動していた中、17年に仮屋が加わり、トリオ「青色1号」を結成。22年、「第43回ABCお笑いグランプリ」決勝進出、「キングオブコント2022」準決勝進出、「第7回サガミハラエッジ芸人バトル」優勝。音声配信アプリ「stand.fm」にて、ネットラジオ「青色1号 NEWごめんあそばせ」が配信中。
【公演情報】
青色1号初単独ライブ「ちょっとだけバカ」
日時:2023年6月17日(土)
・15時の部 14:30開場/15:00開演/16:30終演予定
・19時の部 18:30開場/19:00開演/20:30終演予定
会場:座・高円寺2(東京都杉並区高円寺北2-1-2)
来場料金:前売2800円/当日3000円(全席指定)
【プレゼント】
サイン入り生写真を2名様にプレゼント!
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https://twitter.com/TVGweb/status/1664544025003819008
【締切】2023年6月29日(木)正午
【注意事項】
※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/宮下毬菜 撮影/尾崎篤志
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