當真あみ「教科書には載っていない人物にも注目してほしい」――「どうする家康」インタビュー2023/06/04
大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合ほか)で、徳川家康(松本潤)とその妻の瀬名(有村架純)の娘・亀姫を演じている當真あみさん。第21回(6月4日放送)で、亀姫は織田信長(岡田准一)から長篠城主・奥平信昌(白洲迅)に嫁ぐことをにおわされます。当初は、突然のことに拒絶した亀姫でしたが、自分のせいで徳川と織田の間に亀裂が入りそうになったことに気付き、輿(こし)入れを受け入れることに。彼女の勇気ある行動で、織田と徳川の盟約は守られました。
今回は、難しい役どころを演じた當真さんに役作りや衣装へのこだわり、家康役の松本さんや瀬名役の有村さんなど共演者の皆さんとのエピソードを伺いました!
――大河ドラマ初出演となりますが、出演が決まった際の率直な感想を教えてください!
「最初、大河ドラマに出ることを聞いた時はすごく驚きました。いろんな作品で活躍されている俳優さんたちが出ているイメージがある大河ドラマに、まさかこうして出演させていただけるとは思っていなかったのでびっくりしました」
――初めての大河ドラマの現場に入ってどんなことを感じましたか?
「たくさんの俳優さんが一つの現場にバーッと集まるので圧倒されました。現場の空気にのみ込まれそうになって、緊張していました」
――演じる亀姫について、台本などを読んで感じた魅力はどんなところにありますか?
「亀姫はすごく幼くて、お母さんの元を離れることができない、大人になれない女の子です。まだ子どもの部分があって、そういうところが台本読んでいてかわいらしいなと思いました」
――実際に演じてみて、意識した点はありますか?
「亀姫がお母さんである瀬名から離れられないところから嫁ぐところまでに、しっかり違いが出るように意識していました。亀姫の変化が見どころの一つです」
――衣装と髪形についてもお伺いします! 「大奥」(同局)では田沼意次役でご出演されていましたが、今回も時代劇で、現代とは全く違う衣装と髪形でした。それぞれのドラマで自分の姿を見た時はどう感じましたか?
「『大奥』は“ザ・時代劇”というイメージしやすいかつらや衣装だったんですけど、『どうする家康』は戦国時代ということもあって、きらびやかではなく、大奥と比べると質素で動きやすい衣装でした。どちらも全然経験がなかったので、鏡で自分を見た時は新鮮な気持ちになりました」
――衣装合わせでは担当者とどんなことをお話しましたか?
「亀姫の衣装は、かわいらしい、明るい色にしたいと提案されて…。瀬名さんの衣装がオレンジ系の色だったので、それとは違う色の中で緑もピンクもいいなと悩んだ後に、グラデーションにしよう!と決まった記憶があります。個人的には…桜餅みたいな色でかわいいなと思っています(笑)」
――共演者の方々とのエピソードについて、父・家康役の松本潤さんと初めて共演して感じたことがあれば聞かせてください!
「松本さんは役にとてもストイックな方だと感じました。ご自分のお芝居をモニターの前に行ってしっかり確認されているところがすごいなと思いました」
――続いて、母・瀬名役の有村架純さんとの共演で印象的だったことはありますか?
「有村さんは一緒のシーンが多く、すごく細かいところまで気遣ってくださいました。休憩の合間には『今緊張してる?』『喉乾いてない?』など、たくさん話しかけてくださって本当に優しい方でした」
――有村さんの立ち居振る舞い、演技から学んだことがあれば教えてください!
「有村さんも、松本さんと同じで自分が映った時の表情や声のトーンを何回も確認されていて、自分の役に対して常に一番いい状態を追求される女優さんで、すてきだなと思いました。私も有村さんのように、もっともっと考えて役を作っていける女優さんになりたいです」
――撮影以外で、共演者の方々との交流等はありましたか?
「撮影現場では松本さんがカメラを持ってらっしゃって、家康、瀬名、五徳(久保史緒里)、信康(細田佳央太)と亀姫の5人で家族写真を撮ったんです」
――撮影の合間は和気あいあいとした雰囲気だったんですね。
「皆さん明るく話していました。信康役の細田さんと五徳役の久保さんもシーンが一緒のことが多かったんですけど、時代劇をやっているのに撮影の合間には現代のアニメの話をしていて、楽しく和やかな感じでした」
――第21回で、亀姫は信長という存在を大きく意識することになると思います。信長に対してどんなふうに思ってお芝居をしていましたか?
「亀姫は、家族以外の外の知らない人に会ったことがなかったと思うので、すごく怖かったんじゃないかなと考えてお芝居をしました」
――実際お芝居をしていて、信長の圧は感じましたか?
「すごく感じました。目の前にいて、グッとこちらに視線を向けられるだけでもすごくドキッとして、一気に圧を感じるというか、とても迫力がありました」
――奥平家の家臣・鳥居強右衛門(岡崎体育)をかばって信長の前に飛び出すシーンは、すごく緊張感がある場面だったと思いますが、撮影はいかがでしたか?
「松本さんや岡田さんをはじめ、そうそうたる皆さんが集まっていてとても緊張感のあるシーンで、私のセリフもたくさんあって…。すごく重要なシーンだったので、絶対に失敗しちゃいけないというプレッシャーがあり、一度セリフを間違えてしまったんです。その時は本当に『やってしまった…』と思いました。間違えたことによってプレッシャーが2倍になって、さらに緊張してしまったのですが、目の前にいる岡田さんが『今の感じ、良かったから大丈夫。次はできる!』と言葉をかけてくださったおかげで、気持ちをリセットすることができました」
――信長の娘である五徳は、兄・信康の正室でありながらも織田家の人間としてのプライドも捨てきれない、徳川家の人とは難しい間柄でもあります。彼女との接し方はどういうふうに意識していましたか?
「五徳とは小さい時から一緒に過ごしていて、お兄ちゃんと仲良くしている姿やけんかする場面を亀姫は小さい時から見てきています。だから、大きくなった亀姫も五徳が“信長の娘”という意識はそこまでなかったのではないかと考えていました。身内という意識で接している感覚でした」
――時代劇に出演したことによって、役者としてもご自身としても成長したこと、大きく変わったことはありますか?
「実際に存在していた人を演じるということは、歴史に対してしっかり理解を持っていないとできないことだと思いました。役作りをする上で、今までの作品とは違う、新しい方法を学ぶことができました」
――最後に視聴者の方に向けたメッセージをお願いいたします!
「亀姫は今までの時代劇や大河ドラマではあまり出てこなかったし、学校の教科書の中でも家康のようにしっかり載ってはいない人物ですが、ドラマでは丁寧に描かれているので、ぜひご注目いただけたらうれしいです」
――ありがとうございました!
【プロフィール】
當真あみ(とうま あみ)
2006年11月2日生まれ。沖縄県出身。20年に沖縄でスカウトされ、21年企業CMで芸能界デビュー。22年、「妻、小学生になる。」(TBS系)でドラマ初出演を果たす。23年、ZIP!朝ドラマ「パパとなっちゃんのお弁当」(日本テレビ系)ではヒロイン・遠山千夏役を演じる。また、映画「水は海に向かって流れる」の公開が6月9日に、映画「忌怪島/きかいじま」の公開が6月16日に控えている。
【番組情報】
大河ドラマ「どうする家康」
NHK総合
日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BS4K
日曜 午後0:15~1:00ほか
NHK BSプレミアム
日曜 午後6:00~6:45
NHK担当/Kizuka
この記事をシェアする