週刊TVガイドに登場! リン・ズーホン「これからもできるだけたくさんの作品に出演して、日本の方に僕や出演作を知ってもらえたらと思います」【ロングインタビュー】2023/05/31
大人気の台湾BLドラマ「We Best Love 永遠の1位/2位の反撃」(2021年。以下「WBL」)は常に成績1位のシードー(リン・ズーホン)と、彼のせいで万年2位を抜け出せないシューイーが織り成すラブストーリー。「永遠の1位」では、彼らが心を通じ合わせるまでの学生時代、「2位の反撃」では、5年後に社会人として再び巡り合った2人の姿が描かれた。
「WBL」では、ズーホンの繊細な感性と表現力、そして真摯(しんし)に役に向き合う姿勢が作品のテーマと深く結びつき、シードーの愛として体現されていた。だからこそ視聴者は、シューイーをひたむきに愛し続けるシードーの姿に心を揺さぶられ、時に涙し、共に笑い、彼らの幸せを願ったのだろう。
5月7日に行われた日本での初のファンミーティング「リン・ズーホン(林子閎) 1st Fanmeeting in Japan」のために来日した彼に、人生を変えたというドラマ「WBL」の思い出、作品作りをする上でのスタンス、日本への思いなどをたっぷり語ってもらった。
── 日本での1stファンミーティングが決まった時の心境を教えてください。
「自分が日本でファンミーティングを開くことになるなんて、本当に信じられませんでしたがとても光栄でした。ただ、これまで複数人でイベントに参加したことはあるんですが、今回は単独で、しかも海外だということもあって本当に緊張して。でも、日本のファンの皆さんがさまざまな企画やイベントを通じてずっと応援してくださっていることは知っていたので、僕を支えてくださる方々に直接お会いできることが本当に楽しみだったんです」
── 「WBL」は多くの視聴者を魅了しました。ご自身にとって、どんな作品ですか?
「ある意味、僕の人生をすっかり変えた作品です。制作陣と役者が一緒になってドラマを作り上げるというプロセスを経験したことで、僕の仕事に対する姿勢は一変しました。俳優として、自分の考えが実現する瞬間に喜びを感じるんだと知ったんです。また、性別やジェンダーを超える愛の大事さや、憎しみも愛の形の一つであり、愛の反対は無関心なんだと考えるようになりました。愛を巡って起こるさまざまなこと…人の情動というのは、すべてそこに愛が存在するからこそ生まれるものなんだと」
── 思い出深いシーンを挙げるなら、どこになるでしょうか?
「すべてのシーンが大事だし、鮮明に覚えていますが、一つ裏話をするとしたら、今も忘れられないのは、歩道橋でシューイーが告白してシードーとキスするシーンですね。当初、あの場面の設定や方向性は全く違っていて、それがどうしても僕のフィーリングと合わなかったんです。そのことを監督に伝えたら『そうなの!?』ってびっくりされたけれど、そこで話し合いを重ねて、最終的な形になりました。あのシーンには、長い間好きな人(シューイー)のためにあらゆることをやってきたシードーが、最終的に何を求めるかが表れます。だから、好きな人を失いたくないし、それを恐れてもいる感情を表現したかったんです」
── キャスト陣の仲のよさやチームワークもピカイチでした。放送から随分時間が経ちますが、今も皆さんとは連絡を取り合っていますか?
「取ってますよ。お互い仕事の話は全然しなくて、プライベートなことばかりですけど(笑)。今回も『日本に来るんだったら、遊びに連れて行ってあげるよ』って言ってくれました。もしも長めに日本に滞在できるなら、お寺やお城など日本の伝統が感じられる場所を見て回りたいですね。あと、日本食もいっぱい食べたい! 台湾でも日本食は食べられるけれど、やっぱり気持ち的に“日本で食べている!”って思って食べると全然違うと思うんです」
── もしも1年くらい日本にいるとしたら、何がしたいですか?
「ここでは言えないことをする…というのは冗談ですけど(笑)。長く過ごすなら、ちゃんと日本語を勉強しないといけませんよね。生活する上で絶対に必要になりますから」
── では、もしもまた「WBL」のメンバーで作品を作るなら、どんな内容のものが合いそうか教えてください。
「劇団を舞台にしたお話とかがいいかな。みんな演技が好きで、表現することが好き。その感覚が共通しているので、面白いものが作れるような気がします」
── 役者だけでなく制作サイドにもご興味があるそうですが、将来的に撮りたい作品のテーマなどはありますか?
「僕自身はサスペンスとかアクションとかではなく、本当に平凡な日常の暮らしの中で何かを淡々と描き出すような作風が好きなので、将来的にはそういう作品も作ってみたいです。ただ、やはり役者であれ監督であれ、どんな立場で作品に携わることになるとしても、成果物より“作る”という工程そのものが好きだし、そこを楽しみたいですね」
── では、ご自身の日常の暮らしを描き出す作品はどうでしょう?(笑)。
「僕の日常をそのまま作品にするとしたら…そんな企画を立てた人は、必ず後悔しますよ。素朴すぎるし、本当にグータラしていて何の面白みもないですから(笑)」
── そういえば、おうちではネコとカメを飼っていらっしゃるんですよね。
「はい。今だって僕は一生懸命働いているのに、彼らは働かずにドンドン太って大きくなってる。家事もしてくれなければ、仕事の手伝いもしてくれない。いつか家賃くらい払ってほしいです(笑)」
── カメさん…(笑)。さて、日本の映像作品や文化についてはいかがですか? 興味はありますか?
「日本の文化には昔から興味があって、最初に触れたのは武士道でした。やっぱり伝統的なものにひかれるんです。映画やドラマはあまり見てなかったけれど、最近になってなぜかものすごく熱中して見るようになりました。この前見たドラマ『今日から俺は!!』(18年)は、本当に面白かった! あの作品はアニメもあるけれど、実写版をこんなにユニークに作れるのは、日本ならではだなってすごく感じました」
── いつか日本の作品でお姿を見たいと思う方もたくさんいらっしゃると思います。
「日本の作品にも出てみたいけれど、やっぱり日本語でセリフを言うのは難しそうですよね。でも、日本の作品の表現の仕方は好きなので、学んでみたいし、体感してみたいなという気持ちは持っています」
── 将来、監督として作品を作る時に、日本式の表現を映像に取り入れるのもよさそうですね。
「おぉ、なるほど。それは、いいかもしれないです」
── ご自身が目指している俳優像や、挑戦したい作品ジャンルについても聞かせてください。
「目指しているのは、見ている人に“演じている”と思われないほど自然な演技をする俳優。以前は、その時の自分を突破して違う姿を見せたいと思ったり、演じてみたい役柄などもあったのですが、最近はそういうことを考えなくなりました。今は何でもいいからとにかく表現することや、チームの一員として作品を作ること、またその制作過程を楽しみたいんです」
── 最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「実は、今回のファンミーティングは期待と興奮を感じる一方で、すごく不安で心配もしていました。失敗して皆さんを失望させたりしないかなって。言うなれば、愛の試練です。最初は、日本に僕のファンがいるなんて思ってもみなかったけれど、僕のことを好きになって、ずっと支えてくださって…本当にこの場を借りて、皆さんに心から感謝を申し上げたいです。これからもできるだけたくさんの作品に出演して、日本の方に僕や僕の出演作を知ってもらえたらと思います。皆さんが作品や僕自身を気に入ってくだされば、それ以上にうれしいことはありません」
【プロフィール】
リン・ズーホン(林 子閎)
1993年10月1日、台湾生まれ。A型。ドラマ「幸せのエチュード」(2020年)、「綠島金魂」(22年)などに出演。7月16日には、大阪・松下IMPホールで「リン・ズーホン(林子閎) 1st Fanmeeting in Japan」追加公演を開催。
【番組情報】
「We Best Love 永遠の1位/2位の反撃」
Rakuten TVほかで配信中
ヒットメーカーが手掛けて話題となった台湾BLドラマシリーズ。「永遠の1位」では、大学を舞台に、常に成績1位のシードー(ズーホン)と彼のせいで万年2位の同級生・シューイーの恋の始まりが描かれる。「2位の反撃」では、5年後、社会人となった2人が再会するが…。
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(応募期間:5月31日正午~6月7日午前11:59)
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取材・文/犬飼かおり 撮影/為広麻里
ヘアメーク/Shifty スタイリング/Mei Ning(Ning’s styling)
衣装協力/Faceon lab、Vatic
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