「どうする家康」でお万を演じる松井玲奈、美しすぎる松本潤を見てセリフが飛ぶ!?2023/05/21
第19回(5月21日放送)の大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合ほか)では、武田信玄(阿部寛)との戦いで身も心も疲れ切った徳川家康(松本潤)の心にスッと入り込んだお万(松井玲奈)に焦点が当てられました。神秘的で妖艶なお万に徐々に心を許していく様子が描かれ、やがて家康の子を身ごもったお万。そして、そのことを知った瀬名(有村架純)と対面する際には、一計を案じただけでなく、瀬名に本音を語る場面も。
今回は、お万を演じる松井玲奈さんに初めての大河ドラマ出演への思いや、妖艶なお万を演じる際に心掛けたこと、家康を演じる松本潤さんや瀬名役の有村架純さんとの共演について伺いました!
――大河ドラマ初出演となりますが、どんな印象を持っていましたか?
「子どもの頃に初めて全部見た大河ドラマが『利家とまつ~加賀百万石物語~』(2002年)で、とても面白かった記憶があり、いつか自分も大河ドラマに出たいという気持ちは常にありました。一方で、大河ドラマは撮影期間がすごく長いので、とても大変で集中力や精神力がいる現場という印象もありました」
――実際に撮影に入っていかがでしたか?
「一番驚いたのは、セットがすごくしっかり立て込まれていたことです。これまでNHKの美術チームが積み重ねてきた、時代に合ったセットの精工さにまず、驚きました。そして、私が参加している場面では使われていなかったのですが、セットの背景をLEDパネルの映像で表現しているシーンを見せてもらう機会があったんです。それがすごく奇麗で本物のように見えて、新しい技術にもびっくりしました。現場に入ったら緊張すると思っていたのですが、主演の松本さんが締める時は締めるけれど、撮影の合間にはスタッフさんと楽しく談笑する場面もあって、楽しく伸び伸びとやらせてもらえました」
――ほかにも、大河ドラマならではのことだと感じた瞬間はあったのでしょうか?
「大河ならではといえば、特に衣装が凝っていると感じました。お万の着ている衣装は、尾張地方の染め物で作られていて、その地方独特の色の柔らかさが出ているんです。それらのコンセプトが描かれたイラストを見ながら一つ一つ丁寧に説明を受けて衣装合わせをしたのですが、それは初めての経験でした。また、時代背景に合わせた布や生地の使い方もとても新鮮に感じました」
――お万の衣装を着た姿を鏡で見た時の感想を教えてください。
「これまで時代劇に参加した時は半かつらだったり、おでこをバンと出していることが多かったのですが、お万は前髪を下ろしているスタイルで、ちょっと遅れ毛があったり、ぬれ髪のような質感のある雰囲気に作っていただいたので、現代っぽくなりすぎていないか、とても不安でした。でも実際にカメラで撮ったらなじんでいて。それはメークさんや衣装さんのおかげだと思っています」
――あらためて、お万役に決まった時はいかがでしたか。
「大河ドラマに出ることが目標の一つだったので、その場所に手が届くようになったことがうれしかったです。さらに、自分の地元にゆかりのある作品に出演できるというのもとてもうれしく、縁があるのかなと思いました。お万については、“悪女伝説”の中に出てくる愛知の知立の方であることは知っていました」
――松井さんが豊橋出身ということから、幼い頃から“悪女伝説”をご存じだったのでしょうか?
「とても歴史好きな先生が学校でおっしゃっていた記憶があったので知っていました。それに、お万の生家である神社がとても有名なので、あの神社の方なのだなという認識でした」
――悪女と言われる女性を演じることについてはいかがでしたか?
「お万は一筋縄ではいかない人なので、とても慎重に、彼女がどういう人物で何を伝えたいのかを丁寧に考えながら向き合っていきました。一歩間違えると嫌われてしまいそうな役なので、最初はどう演じていくべきかと悩んだこともありました。あのような選択をせざるを得ない背景があったお万ですが、目標にたどり着くためにやるべきことを考えて、一つ一つ積み重ねていく姿は現代でも一緒だなと気付いたんです。それからは、お万がやっと巡ってきたチャンスに向かって一生懸命、手を伸ばしたことが、見ている皆さんにしっかり伝わるように演じたいと思いました」
――古沢良太さんの脚本を読んだ時に、どんな印象を持ちましたか?
「とてもテンポがよくて楽しい脚本だと思いました。殿(家康)とお万の関係が明るみになった時、家臣たちが殿のことをちょっとニヤニヤしながら見ている感じは、男子高校生がこそこそしゃべってキャッキャしているようにも見えました。一方で、お万が意志を持って人生で大きな決断をするために動いていくところは、演じる身として読んでいても共感できる部分が多く、お万が伝えたいことを瀬名にきちんと届けたいと思える脚本だったので、読んでいても演じていてもとても楽しかったです。緩急のある脚本の中で、自分がしっかりと役割を果たせていたらうれしいです」
――家康とお万の入浴シーンがとても印象的でした。お万の妖艶な感じを出すためにどんなことを心掛けましたか?
「通常、侍女が手伝う時は、着物の裾やたもとの部分をしっかりとひもで縛って動きやすいようにしているのですが、二の腕がちらっと見える肌の質感が色っぽいから、裾やたもとをあえて垂らしたままにして、それをしっかり見せていこうとディレクションしていただきました。ほかにも、肌感をしっとりと見せるために、ゆっくりとした動作を心掛けていました。それらの動きの一つ一つが色っぽく見せるためだったと思っています」
――入浴シーンの撮影はどんな感じでしたか?
「お万が殿のお顔に付いている汗を拭く場面があったのですが、本番の時に、松本さんのまつ毛があまりにも長くて、『あ、奇麗だな』と思ったらセリフが飛んでしまいました(笑)。その時は心の中で『飛んじゃった』と思いましたが、そのまま演技を続けました(笑)」
――それが放送されたのでしょうか?
「分からないですね。でも、とても美しいと思いながら、毎回、汗を拭かせてもらっていました」
――そんな松本さんとの共演はいかがでしたか?
「基本的にお風呂の場面だったので、常に2人ともびしょびしょにぬれていて(笑)。不思議な空間でしたが、お部屋の真ん中でドンと座っていらした松本さんが本当に家康さまに見えて、触れる時は、緊張するけれど触りにいかなきゃいけないと、自分を奮い立たせていました。松本さんのたたずまいに助けていただく部分がとても多かったです」
――松本さんはどんな役者さんだと思いましたか?
「今回、初めてお芝居を一緒にさせてもらって、振り幅がとても大きい方だと感じました。お万と一緒にいる時は、どっしりと構えていて何でもないように装っていますが、お万が部屋から出ていった後に、とてもコミカルなアドリブをされていたので、現場で見ていてとても楽しかったです」
――その後、正妻である瀬名と対面するシーンがありましたが、有村さんと話す機会はありましたか?
「有村さんとお話をする時間はなかったんです。あのシーンは、最初から最後までほぼ通しで撮っていたので、現場自体にすごく緊張感があって、緩やかにお話をするというよりも、緊迫した空気をみんながずっと保っている感じでした」
――このシーンについても、演出陣からディレクションはあったのでしょうか?
「最初のお芝居では、瀬名はお万より立場が上なので、意見をするにしてもあまり目を見て伝えない方がいいのではないかと考えて、頭を下げたまましゃべっていたのですが、監督から『それでもいいけど、一度、瀬名の目をしっかり見てほしい』と言われて演じてみたら、お万が持っている意思の強さや、お万が伝えたいことがより明確になった感覚がありました。それはお芝居していく中で大きな変化でした」
――瀬名に女性の生き方について熱く語るシーンを演じて、感じたことはありますか?
「お万が今回したことは、ある意味、裏切りのように捉えられるかもしれません。しかし、瀬名のことをとても信頼し、尊敬しているからこそ、お万は大きな一手を打つことができたのかなというふうにも思っていて。瀬名が前向きなメッセージを常にお万や周りに発信していたからこそ、瀬名に対して面と向かって『政(まつりごと)もおなごがやればよい』というメッセージを投げかけることができたのではないかと考えています。そして、先々、瀬名が何かを選択する時に、お万とのやりとりが頭の中をよぎることもあるのかなと思っています。この作品に出てくる女性は信念があって、自分の思いを真っすぐ伝えていける方たちがたくさんそろっているんですよね。お万も意志を持って、自分の足でしっかり立っていく女性の1人なのかなと演じていて思いました」
――完成した映像は、まだご覧になっていないんですよね。
「映像を見ていないので、なんとも言えないのですが、それぞれの持っている自分の信念が、しっかりと現れている場面になっていたらいいなと思っています」
――ありがとうございました!
【プロフィール】
松井玲奈(まつい れな)
1991年7月27日生まれ。愛知県出身。しし座。2015年8月に「SKE48」を卒業。18年、「海月姫」(フジテレビ系)でドラマ初出演。同年10月放送のNHK連続テレビ小説「まんぷく」では、主人公の親友・鹿野敏子を演じる。以降、舞台や映画など幅広く活躍。23年秋公開予定の映画「緑のざわめき-Saga Saga-」では、主演を務める。
【番組情報】
大河ドラマ「どうする家康」
NHK総合
日曜 午後8:00~8:45ほか
NHK BS4K
日曜 午後0:15~1:00ほか
NHK BSプレミアム
日曜 午後6:00~6:45
NHK担当/K・H
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