太田奈緒「今後のビジョンや演技について堂々と語れるぐらいに成長したい」──舞台「珈琲いかがでしょう」インタビュー2023/05/17
5月17~21日に東京・シアター1010で上演される舞台「珈琲いかがでしょう」。2014年から15年にかけてWEBコミック「EDEN」で連載され、18年にアニメ化、21年には実写ドラマ化もされた同作が、初の舞台化となる。
「珈琲いかがでしょう」は、移動コーヒー店の店主・青山一(校條拳太朗)が、入れたてのコーヒーとさりげない言葉で人々を癒やしていく、ハートフルストーリー。ヒロインの垣根志麻を演じる太田奈緒に意気込みを聞いた。
役を通じて自分自身を見つめ直しています
── 舞台「珈琲いかがでしょう」への出演が決まった時は、どんな心境だったかお聞かせください。
「もともとドラマ版を拝見していたので、その舞台版に出演できることがとてもうれしかったです。また、この物語の象徴でもあるコーヒーのキッチンカーを、舞台上でどのように表現するんだろうとワクワクしました」
── ドラマ版をご覧になっていたとのことですが、作品の世界観にどのような印象をお持ちでしたか?
「コーヒーみたいにホッとする感じがすごく強いんですが、“え! そんな一面があったの!?”といったハラハラ感もあるというイメージですね」
── では、今回演じる垣根志麻の魅力はどんなところですか? 垣根は青山のコーヒーの一ファンで、義理と人情に厚く、丁寧に誠実にをモットーとする会社員。ご自身と似ている部分があれば教えてください。
「丁寧で誠実で、義理と人情を忘れない性格なので、純粋にすてきなキャラクターだなと思います。垣根を演じていると、一つ一つ丁寧に誠実にいたいなとあらためて思わせてくれます。周りの方々に対する態度も、お仕事に関してもそう。私のお仕事はオファーをいただけることが当たり前じゃないですからね。特に芸能は人と人が綿密に関わる仕事だと思うので、あいさつ一つとっても、“誠実に”というのは常に意識しています。その点は垣根と似ているのかなと。セリフを言っていても共感する部分も多くあるので、垣根を通じて自分自身を見つめ直す機会になっています」
── 太田さんの周囲には、義理人情に厚いと思う方はいらっしゃいますか?
「以前、『あの日わたしをはだかにして』 という舞台でご一緒させていただいた、山下容莉枝さんです。その作品ではヘアメークは自分たちでやっていました。山下さんの役の髪形がお団子だったのですが、私に『やってくれる?』と言ってくださり、毎公演ヘアセットを担当させてもらっていたんです。そうしたら、最終日に『毎公演やってくれたから』とプレゼントをいただて。そんなつもりでやっていたわけじゃなかったので、とてもうれしかったです。さらに、『(京都の)太秦で撮影する時はいつでも言ってね。私が教えられることは、何でも教えてあげるから』と気に掛けてくださり、人としても女優さんとしても憧れる、義理人情に厚い方だなと思いました」
新しい発見があって楽しい!
── 稽古の真っただ中かと思いますが(取材は5月上旬に実施)、雰囲気はいかがでしょう。
「すごく一体感があるなと思います。この場面ではこの人を立てられるように動こうとそれぞれ意識したり、話し合ったりして稽古しています。演出の菅野臣太朗さんからは『できるだけ、キャッチボールじゃなくてサッカーのパスみたいな感じで演技をしてほしい』と言われました。キャッチボールだと、1回受け取って考えて投げる…と行程が多いのでスピードが遅くなるけど、サッカーのパスは考えながらも、早い。そういうテンポ感を大事にと。確かに、日常的に会話をしていると思っているよりもテンポが早いものですからね。ハッとしました」
── では、青山役の校條さんの印象を教えてください。
「本格的な役作りをされていて、すごいなと思います。この作品への出演が決まった時に、ちょうどコーヒー好きの役者さんと共演していたそうで、コーヒー器具を一式購入して、いろいろと教えてもらう中で、すごく好きになったとお聞きしました。稽古場にも器具を持参していて、休憩中に豆をひいてコーヒーを入れてくださるんですよ」
── それはすてきですね。記者会見の際に、太田さんも「先輩方にコーヒーについていろいろと教えてもらいたい」とおっしゃっていましたよね。
「今回ご一緒している(花陽)みくさんと横田(大明)さんがコーヒーに詳しくて、レギュラーコーヒーのパックに書いてある焙煎(ばいせん)した日にちを確認するといいということを教えてもらいました。お店ではひかれた粉が売っているけど、焙煎してから日が経ち過ぎていると、香りやお湯を入れた時の膨らみ具合が全然違うらしいんです。焙煎した日にちが明記されているということも知らなかったし、新しい発見があるので、お二人のコーヒー話を聞いていて楽しいです」
── ご自身でもおうちで入れてみたり…?
「おうちではドリップコーヒーです(笑)。もともとカフェ巡りが好きなので、ドリップコーヒーを買ってコレクションしていたんですけど、焙煎した日にちの話を聞いて家のコレクションを早速見てみたら、案の定だいぶ経っていて(笑)。今、古いものから少しずつ飲んでいます」
── 垣根は青山と出会ってコーヒーに魅了されていきますが、太田さんが最近何かに魅了されてハマッたことはありますか?
「iPadでイラストやロゴを描くのにハマッています。Instagramでイラストやロゴを見るのが好きで、よく見ているんです。線画のイラストを描いている方がいて、こういう絵を描けたらいいなと思ったタイミングでiPadを購入したので、自分で描いてみたらハマりました」
── 今後、仕事にもしていきたいですか?
「ぜひ! 自分が描いた絵でグッズとかが作れたらうれしいし、誰かのアカウントのアイコンを描くようなお仕事にも挑戦してみたいですね。あと、ファッション誌とかに載っているイラストも好きでよく見ているので、いつか自分も描けたらいいなと思っています」
いろいろな役に染まることができる人になるのが目標
── 舞台のみならず、映画作品への出演も続々と発表されていますが、舞台と映像の違いはどのように感じられていますか?
「舞台は稽古期間があり、みんなで作り上げているという実感が湧きます。本番ではお客さんの反応を生で感じられるし、お客さんも臨場感を感じられるのが舞台のよさだなって思いますね。それに対し、映像は自分が考えてきたものをリハーサルでやってみて、監督の意図と異なれば瞬時に修正するということを繰り返しながら作っていくという感じだから、瞬発力が必要。そこが難しさでもあり、楽しさなのかなと思います」
── 今後のビジョンはいかがですか?
「舞台も変わらず出演させていただきたい気持ちはありますが、映像作品にもっと挑戦していきたいですね。こんな役をやりたい!というのは特になく、いろいろな役に染まることができる人になれたらなと思っています。これまでに共演した方とも連絡を取っていたりしますが、演技について話したり、今後のビジョンみたいな話とかもまだ自信がなくて…。なので、そういう話を堂々と語れるぐらいに成長したいです」
── 最後に、舞台「珈琲いかがでしょう」への意気込みを聞かせてください。
「登場人物が多いので、見ている皆さんが誰かしらには共感できると思いますし、心がホッとしたり背中を押してもらえたりする作品になっています。皆さんが帰り道に『見てよかったな』と思ってもらえるように精いっぱい頑張ります!」
【プロフィール】
太田奈緒(おおた なお)
1994年12月5日生まれ。京都府出身。AB型。2014年にAKB48のTeam8京都府代表としてデビュー。主な出演作に、舞台「ROOKIES」、「十五少女漂流記」、ドラマ「漂着者」、「六本木クラス」(ともにテレビ朝日系)など。京都府文化観光大使も務めている。公開中の映画「占いゲーム」に金石レイ役で出演中のほか、映画「神と恩送り、」への出演を控えている。
【作品紹介】
舞台「珈琲いかがでしょう」
日程:5月17~21日
会場:東京・シアター1010
キーワード
関連記事
- 船越英一郎、リリー・フランキーら追加キャストが一挙解禁! 斎藤工×秋元康の謎多きドラマ「漂着者」
- 「主人公が中村倫也にしか見えない」…原作ファンの願望が現実に!「珈琲いかがでしょう」がドラマ化
- 【「珈琲いかがでしょう」インタビュー連載・前編】中村倫也が演じる際に心掛けていることとは? 「現場で怒られないこと(笑)。あとは、みんなが楽しくやれればと思っています」
- 中村倫也主演「珈琲いかがでしょう」後半のキーパーソン“ぼっちゃん”役は宮世琉弥
- 【「珈琲いかがでしょう」インタビュー連載・後編】磯村勇斗が明かす人生の転機とは… 「この人と出会わなかったら、今の僕はいなかったと思います」
- 「珈琲いかがでしょう」出演の宮世琉弥が中村倫也への思いを明かす!「一緒にいさせてもらうととても楽しくて、すごく憧れます」
関連リンク
この記事をシェアする