亀梨和也「台本上にはない思い切ったことをやらせていただきました」──型破りな男、鷹野弁護士が帰ってくる!「正義の天秤 season2」インタビュー2023/05/06
亀梨和也さんが外科医から転職した天才弁護士・鷹野和也を演じる「正義の天秤 season2」(NHK総合)が、いよいよ5月6日からスタートします。
本作は、鷹野が自身も冤罪(えんざい)の悲劇に苦しみながらも、数々の難事件の真相を暴いていく本格法廷ミステリー。season2では、師団坂法律事務所“ルーム1”のメンバーにもスポットを当て、さらに鷹野が掲げる“治療的弁護”の原点も描きます。
前作の最終回で師団坂法律事務所から姿を消した鷹野は、どのような形で戻ってくるのでしょうか? 主演の亀梨さんに、前作とは違うアプローチをしたという鷹野の人物像や、再集結した“ルーム1”のメンバーとのエピソードなどを伺いました!
──いよいよseason2がスタートしますが、今の心境はいかがでしょうか?
「スタッフや共演者の皆さんと『続編ができたらいいね』と話をしていたので、その時はまだ決まっていませんでしたが、心のどこかで希望は持ち続けていました。実現できて本当にうれしいです」
──season2を撮影するにあたって、準備したことはありますか?
「もう一度、自分の中で“鷹野和也”というキャラクターを作り上げるために、まずはseason1を見返しました。自分が覚えている感覚だけで演じてしまうと、どこかで鷹野らしさを取りこぼしてしまいそうだったので…。僕自身とは全く違う声のトーンや口調、しぐさや抑揚のつけ方を呼び覚ます作業から始めましたね」
──season1を見返して、あらためて感じた本作の魅力とは?
「師団坂法律事務所のメンバーたちは“正義”というものに独特な角度から向き合っています。一般的な弁護からはそれてしまっているのも事実ではありますが、そういったところが作品の魅力の一つだとあらためて感じました」
──鷹野自身の変化はどんなところにありますか?
「season1では、自分の恋人が追っていた事件にどう向き合っていくのかを、ある種の絶対的な強さを持って決着をつけていくのですが、今作での鷹野は、より人間味があるキャラクターになっています」
──具体的にはどのような部分に人間味が感じられるのでしょうか?
「今回は“ルーム1”のメンバーにフォーカスが当てられる分、鷹野の気持ちが揺らぐ描写だったり、高圧的な態度も少し減ったりしているので、そこは1と2の大きな違いでもあります。鷹野の人間らしい一面を見ていただけると思います」
──鷹野の変化を表現する中で、しぐさや所作などでこだわった部分はありますか?
「目線ですかね。例えば、season1の時はまばたきをあまりしないように意識していたんですが、2では自然体な目の動きになっています」
──前作から約1年半ぶりの撮影現場はいかがでしたか?
「撮影に入る前はちょっとそわそわしていましたけど、いざ現場に入ると『あれ? この前まで撮影していたっけ?』と思えるくらい自然な気持ちで撮影することができました。season1の撮影を終えてからの時間が、一瞬でぎゅっと詰まったような印象です」
──空いた時間を感じさせないような現場だったのですね。
「『久しぶり!』という感覚は一瞬で終わりましたね。ただ、撮影方法などはseason2ならではの演出になっていると思います。season1の良さを引き継ぎながらも、キャストやスタッフの皆さんからの、“何か違うものを作り出そう”という気持ちが現場で感じられました」
──撮影の合間などは共演者の方たちとどのようなお話をされましたか?
「前作の時からずっと『みんなでご飯に行けたらいいね』と話していたものの、社会状況的に実現することが難しかったのですが、今回は撮影の中盤あたりでスケジュールを合わせられたメンバーと食事に行くことができました。台本や作品について熱い話ができたので、いい会でしたね(笑)」
──亀梨さんから皆さんに声をかけられたのでしょうか?
「そうですね。僕が声をかけて、おすしを振る舞わせていただきました(笑)」
──再集結したキャストの皆さんと撮影を進めた中で、印象的だったことや刺激を受けたことがあれば教えてください。
「印象に残っているのは、冨野静子役の山口智子さんとのシーンですね。台本にあまり細かいト書きがなく、想像力を持ち合わせて形にしていくことが多かった現場の中で、山口さんもたくさんアイデアを持ってきてくださって。お互いにディスカッションしたものを監督に見てもらいながら撮影を進めました。柔軟性やポイントのつかみ方はさすがだなと思いましたし、演技に対して妥協しない姿勢もすごく刺激になりました。山口さんとのシーンは、作品を豊かにしてくれる時間だったなと思います」
──では、特に大変だったシーンはありましたか?
「大変だったのは、第1話で自転車に乗るシーンですね。映像では、その苦労は全く伝わらないと思いますが…(苦笑)。自転車で坂道を上る時『真っすぐ進まないな~…』と思いながらこいでいたら、カゴに入っていた新聞の重みでハンドルがめちゃくちゃ曲がってしまっていて。風もすごく強かったんですが、アシストが付いていない自転車だったので、いいトレーニングになりました(笑)」
──自転車に乗るシーンでは、演出でのこだわりなどはあったのでしょうか?
「ここは、“誰も追いつけないくらい全力で自転車をこぐ”という描写なんですが、演出の片岡(敬司)さんからアイデアをたくさんいただきました。鷹野は、普段はクールなのに変わり者の要素が見える部分も意外とあって。自分の中で、そういった要素の濃度をどこまで濃くするのか、シーンに合わせてバランスの取り方を探りながら演じていました」
──ほかにも、こだわったシーンがあれば教えてください。
「season2での鷹野の初登場シーンは、台本上にはない思い切ったことをやらせていただきました。前作で師団坂法律事務所を去った鷹野がどうやって戻ってくるのか?というのは、視聴者の皆さんも注目していただいていると思うので、撮影前に念入りにディスカッションさせてもらってから撮影に臨みました」
──鷹野のトレードマークでもある、スーパーボールのシーンも楽しみです。
「スーパーボールの扱い方のバリエーションをどうするのか、アイデアを出し合いましたね。撮影をしたのがちょうどサッカーワールドカップ明けの時期だったので、『足を使ってみよっか?』とか(笑)。スタッフの皆さんと楽しみながら試行錯誤を重ねました」
──最後に、あらためて見どころをお願いします!
「season2では、登場人物一人一人のキャラクターが1より掘り下げられて描かれますし、それぞれが正義とどう向き合いながら過ごしていくのかが見どころです。“正義とは何なのか?”ということを、視聴者の皆さんにもあらためて考えていただけるような作品になっていますし、物語の深みを感じていただければいいなと思います」
──ありがとうございました!
【番組情報】
土曜ドラマ「正義の天秤 season2」
5月6日スタート
NHK総合
土曜 午後 10:00~10:49
NHK担当・M
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