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町田啓太、“相棒”・高畑充希との芝居は「示し合わせた感じにならないのがすごく楽しいです」――「unknown」インタビュー2023/04/25

　テレビ朝日系で放送中のドラマ「unknown」。ドラマ「おっさんずラブ」（同系）の制作チームが5年ぶりに再集結し、重い秘密を抱えた2人が愛し合うラブストーリーに凄惨（せいさん）な連続殺人事件が絡み合う、“究極の愛”を問う完全オリジナルのラブサスペンスを手掛けています。

　週刊誌のエース記者でありながら“吸血鬼”でもある闇原こころ（高畑充希）は、情に厚い警察官・朝田虎松（田中圭）と交際して1年、結婚を意識し始めたものの「秘密を知っても愛してくれるのか」という不安にさいなまれながら、打ち明ける勇気が出ず一歩前に踏み出せない中、先週放送された第1話のラストにはその秘密を打ち明けました。こころと虎松が今後どうなっていくのか、2人の関係が気になるばかり。

　第1話では悩み葛藤するこころの姿が描かれましたが、そんな彼女を陰ながら支えているのが、こころの仕事の相棒・加賀美圭介です。ぼんやりとしていながらも、悩みを聞いたりこころを温かく見守る加賀美を演じるのは町田啓太さん。話を聞くと、加賀美を「つかみどころがない」と捉えながらも、「こう演じたい」と力強く語ります。第2話の放送を前に、ここでは町田さんのインタビューをお届けします。

――あらためて、「unknown」という作品の話が来た時はどんなことを感じましたか？

「謎だらけでしたね。だからこそ面白くできるのかなと思いましたし、面白くしがいがあるキャストの皆さん、スタッフィングだったので、僕もその一員として参加して何かできればなと。楽しく見ていただけるように頑張りたいという挑戦心もくすぐられました」

――徳尾浩司さんが手掛けられる脚本の印象を教えてください。

「いろいろなところをすごい勢いで切り替えるなと思いました（笑）。普通だったらこういう流れでいくだろうなというシーンが、そうではないというか。だからこそ、全部通して予想外のサプライズ性があるとすごく感じました」

――先日第1話が放送されましたが、ご覧になって特に予想を裏切られたというシーンはありましたか？

「（吉田）鋼太郎さんのところは全部予想外ですね（笑）。さすがだなと思いました。鋼太郎さんとのシーンは笑ってしまいそうで今からビクビクしていますが、楽しみにしています」

――闇原家の3人は全員が個性豊かで、すごくチャーミングですよね。

「そうですよね。だから、その無邪気な感じが逆に親っぽくなくて面白い。どちらかというと、こころの方が親っぽい感じがあるんですよ。『ああいう家族って確かにいるよな』と最近思うようにもなって、面白い構図だと思うし、あの3人だから出せる空気感もあって、すごくテンポよく楽しく見させてもらいました」

――ちなみに、町田さんは周りの人に「私、吸血鬼なんだ」と言われたら、まずどんなことを思いますか？

「誰によるのか、かもしれないですけど、『どういうこと？　どういうこと？』って質問攻めしてしまいそうです（笑）。『吸血鬼ってなに？　ちょっと概要教えてくれない？』みたいな。その説明次第で『あ、本気で言っているな』『本当にそうなんだな』と分かれば信じますし、『今日はエイプリルフールなのかな？』『詐欺の可能性もあるな』と思います。でも基本的にはそこに信頼があれば、『あぁ、そうなんだな』と受け止めますね」

――演じられる加賀美は、吸血鬼という存在から一番遠いのかなと思うのですが…。

「いや、分からないですよ（笑）。第1話、第2話だけじゃまだ全然分からないです（とニッコリ）」

――（笑）。演じられる加賀美についてどんな人物だと捉えているか、教えてください。

「すごくつかみどころがないなと思いながらも、演じていると、結構人のことを見ているなと。こころについては、ささいな変化にも気づいたりしますし、気の利いた言葉をかけたりもしていて。でも、自分の気持ちには全然気づかないやつだなという感じもしますね（笑）。無頓着というところがあるから、最近はそれを魅力的に表現できたらいいなと、だんだん強く思い始めました」

――監督から「こう演じてほしい」と言われたことや、逆に相談していることはありますか？

「ありますよ！　ちょっとでもラブ要素のあるシーンは結構こだわっています。ほかにも、ちょっとしたところもこだわったりしていて。でも、基本的には任せていただいているので、委ねてもらっている部分もたくさんあるんだろうなと思いながらやらせてもらっています」

――加賀美の相棒でもあるこころを演じる高畑さんとは、本作で初共演になりますよね。印象の変化はありましたか？

「もちろん、皆さんそれぞれが抱くイメージもあるかもしれないですけど、僕は逆にあまり変化がなくて。それはすてきだなと思います。高畑さんが出ていた作品も見ていたので、『いや、すごいな』とも思っていましたし、『歌うまっ！』とも思ったり。器用だなと思いますね。それでいて、すごく自然体だから、お芝居をやっていても示し合わせた感じにならないのがすごく楽しいです」

――共演シーンも多いと思いますが、現場で見つけた新しい一面はありますか？

「意外だなと思うところはありますね、『意外とよく食べるんだな』とか（笑）。現場の雰囲気をそれとなく和らげてくれたり、コミュニケーションをよく取ってくださるんです。『コミュニケーション取るぞ！』という前のめりな感じではなくて、本当に自然体のままコミュニケーションが取れる、いい雰囲気を作ってくださっているので。僕にもたくさん話しかけてくださるんですよ。『いや、お前がせえや』と思うかもしれないですけど（笑）、飾らない感じも本当にすてきだなと思いますね。“周りを見ようとしている”というより“周りが見えている”、そういう方なんだろうなと思います」

――本作のタイトルは「unknown」＝“秘密”という意味を含んでいますが、これから知っていきたい、高畑さんの気になる一面があれば教えてください。

「気になるところか…でも、不意に見えてくるものなのかなと思うので、そういうところにいろいろと気づいていけるように、コミュニケーションを取らせてもらえたらいいのかなと思います。素の一面が自然と出ちゃうぐらい、普通にコミュニケーションが取れたらいいなって。結構高畑さんから話しかけてもらっているので、僕もそれができたらいいなと思っています」

――いよいよドラマもスタートしました。今後の「unknown」の見どころ、注目ポイントを最後に教えてください。

「基本的に、（ドラマの）根底には愛というものがあって、その中にサスペンスであったり、ファンタジーであったり、コメディーであったり、さまざまな要素がたくさんあるんですが、いっぺんに見た時に、全部受け取れない可能性もあるとは思います。でも、それぞれに好きなポイントを見てもらうのもありですし、回を重ねるごとにだんだんとみんなの秘密というのも分かってきて面白くなってくると思うので、そういうところにも期待ながら『じゃあ、あの時はこうだったのかな？』と見返してもらうのも楽しいと思います。いろいろな見方ができるところがすごく魅力的だなと僕も思うので、皆さんそれぞれに楽しみ方を見いだして楽しんでもらえたらうれしいです。僕らは楽しめるポイントを一つでも多く作れるように頑張りたいと思います」

取材・文／平川秋胡（テレビ朝日担当）　撮影／尾崎篤志

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