注目の20歳、神尾楓珠インタビュー 終始一貫、言葉に迷いなく「常にからっぽな状態でいたい」2019/10/18
「プライベートの自分は、常にからっぽな状態でいたい」
──光一は、会社で一緒に働く先輩や同僚、クライアントに振り回されたり、影響を受けたりしながら「本当の自分」を見つけようともがき成長していきます。神尾さんは、最近影響を受けた人からの言葉、もしくは本で読んだフレーズ、映画での印象的だったセリフなどはありますか?
「プライベートの自分は、まったくセンサーを張ってないんですよね。だから、人の言葉を聞いて何かを思ったとかがないんですよ、全然。心にとどまらないです。常にからっぽな状態でいたいと思っているので、あんまり人に影響されたりとか、振り回されたりとかはないですね」
──(思いがけない言葉に思わず息をのみ)では、逆に相談にのった時など、自分が誰かに言った言葉がその人に影響を与えたかもしれないな、という経験はありますか?
「(笑)」
──話が大層になりすぎましたかね?(笑)
「人に影響を与えるとか、絶対ないですよー。人にアドバイスしたりとかもないですし。人は人だから」
──人は人…。
「人は人です(笑)」
──言い切ってしまうところが、芯の強さを感じます。
「そうですね、割り切りすぎている部分が…。でも自分が言ったところで、結局その人がそれをやるかどうかは自分次第だし。あと、自分のやり方を教えちゃうのは、なんか…。嫌じゃないですか?」
──手の内を明かすのが、ですか?
「そうそうそう。なんでわざわざそんなことするんだろうって…」
スタッフ一同 「(笑)」
「僕よりもまだ経験が浅い子から相談されることもあるんですけど、自分の中で一番大事にしてることは“絶対!”(強調ぎみに)教えないです。俺、性格が悪いんですかね?(笑)。表面的なことだけ言って、本当にこれが大事、っていうことは“絶対!!”(さらに強調して)教えない。一応、身になることは言いますけどね。自分の中の大事度がそんなに高くないこととか、誰でも言えるようなことだけ言って、自分の中で本当に大切にしてるものは言わない」
スタッフ一同 「(笑)。意外です…!」
──原作を読んで、光一は「“何者”かになりたい」という気持ちが心を占めていると感じたのですが、神尾さんの心を占めているものは何ですか?
「(今まで以上に即答で)仕事ですね。仕事のために生きてるみたいなもんですからね」
──過去のインタビューをいくつか拝見したのですが、一貫しておっしゃっていますよね。
「そうですね(笑)。休みの日も結局仕事のことを考えてるから、休みっていっても結局休みじゃないんですよね! 肉体的には休みですけど、精神的には現場行ってますからね」
──精神的には現場…!
「(笑)」
──例えば今後、音楽を題材とした作品に出ることが決まったとしたら、音楽を聴く、楽器を練習する、コンサートを見に行く…ということも含めて「精神的には現場」になるんですかね?
「なると思いますね」
──今後の作品のために、今意識して取り入れていこうと思っているものはありますか?
「まったくないですね(断言)」
──…………。これまでの神尾さんとの会話が頭の中で結びつかなくて、言葉が出てこなくなってしまいました。
「(笑)。今、そういう音楽系の作品もないし…(笑)。今後のことを考えて先取りする人もいると思うんですけど、僕、先取りができないんです。作品が来てからじゃないと、スイッチが入らなくて」
──「左ききのエレン」のお話が来てから、準備したことはありますか?
「いや、これは…。準備期間がめちゃくちゃ短かったんですよ! 本当に!!(笑)」
スタッフ一同 「ごめんなさい!」
「あはは(笑)。なのでデザイナーとして絵を描くとか、パソコンでデザインをしてみるというのも、全然準備をする時間がなかったんです。役のイメージは原作を読んで理解できていたので、準備期間が短くてもなんとかつかめたんですけど、デザイナーとしての振る舞いは現場に行ってからその場で覚えていました」
──本作の撮影は「予定より巻いて終わることが多い」とお聞きしました。予定より早く終わった日は、その後はどのように過ごすことが多いですか?
「(即答で)次の日の準備です」
──……!
「次の日の準備をする時間が増えて良かったーって思いながら、台本を読んだりします」
──遊びに行くようなことは…。
「遊びに行くこともありますよ。体力に余裕があれば…。でも普通にごはんを食べて、帰るだけです」
──何がお好きなんですか?
「(即答で)焼き肉が好きです」
──いろいろなインタビューでもおっしゃっていましたよね。本当にブレないですね。
「ブレないですね!」
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