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中尾暢樹インタビュー/「文学処女」で原作人気ナンバーワンの優男役「演じていてもどかしい」2018/10/09

中尾暢樹インタビュー/「文学処女」で原作人気ナンバーワンの優男役「演じていてもどかしい」

 恋を知らない文芸編集者と、恋ができない人気作家の恋模様が情緒的な映像で描かれる大人のラブストーリー「文学処女」(MBS/TBSドラマイズム)。主演の森川葵さん演じる編集者・月白鹿子の同期で、鹿子に片思い中の望月千広役を演じるのは、スーパー戦隊シリーズ「動物戦隊ジュウオウジャー」(テレビ朝日系)で主演・風切大和/ジュウオウイーグルを演じたことで注目を集め、「プリキュア」コラボドラマ「声ガール!」(テレビ朝日ほか)、映画「一礼して、キス」(2017年)、ドラマ「パフェちっく!」(フジテレビほか)など、漫画やアニメの実写化を演じるという難しい挑戦を続け、着実に経験を積み重ねる俳優・中尾暢樹さん。

 来年には映画「チア男子!!」で横浜流星さんと共にダブル主演を務めることが決定。今勢いのある俳優ナンバーワンが本作で演じるのは、主人公に恋する優男で、原作人気ナンバーワンのキャラクター。このたび役に対する印象や、この夏の思い出などを伺いました。

“スーパーダーリン”な望月は「演じていてもどかしい」

中尾暢樹インタビュー/「文学処女」で原作人気ナンバーワンの優男役「演じていてもどかしい」

──「文学処女」では同期の鹿子に思いを寄せる編集者・望月という役を演じていらっしゃいますが、どのような人物だと捉えていますか?

「原作を読んだ後に、プロデューサーの方から『望月はすごく人気の役だ』と聞いたんです。僕も読んでいて、望月に対して共感できる部分がたくさんあったので、素直にそのまま演じようと思って撮影に入りました。望月は、加賀屋朔とは真逆で“スーパーダーリン”というか(笑)。優しくて、鹿子のことをずっと見ていて、愛情も情も深くて、人としてしっかりしていて…。鹿子と付き合ったら、絶対うまくいくだろうなって。でも、いい人すぎるのかな。そこがやっぱり加賀屋朔さんとの違いかなって思いました」

──実際に演じてみて、望月に共感する部分はどのようなところですか?

「僕、結構、望月に似ていると思っていて。本音をしっかり出せないところとか、いざという時に逃げちゃうところとか、ごまかしちゃうところとか…。そういうところが似てるかなって思います」

──逆に、共感できない部分はありますか?

「鹿子に対して『いや、そこ行けよ!!』っていう(笑)。演じていてもどかしかったですね。あの時もうちょっと積極的に行けてたら、変わってたのにな…って。一読者として、もぞもぞしてました」

中尾暢樹インタビュー/「文学処女」で原作人気ナンバーワンの優男役「演じていてもどかしい」

──中尾さん自身は、恋愛では積極的な方ですか?

「積極的な方だと思います。本当に好きだったら、僕からごはんに誘ったりすると思います」

──原作ファンの間では、加賀屋派か、望月派かという論争が繰り広げられているそうです。

「男性目線だと、ギャップとかもあって加賀屋朔かっこいいなーって思うんですけど…。現実的には望月の方がかっこいいかなー…」

──主演の森川葵さん、城田優さんの印象はいかがですか?

「葵ちゃんは一つ上なんですけど、第一印象は大人っぽいなぁって思いました。でも話していくうちに意外と子どもっぽい部分も見え隠れしてきて、例えば常にラムネを食べていたり(笑)。毎朝メークをするところにラムネが置いてあって、『誰のだろう?』って思ってたら葵ちゃんのでした。城田さんも差し入れで葵ちゃんのためにラムネを持って来たり、なんか面白いな、そういうところいいなぁって(笑)。城田さんは、大人っぽくてクールで、余裕のある感じなのかなと思ってたんですけど、意外とフレンドリーな方で。現場に『こんにちわ~』って入って来るんですよ。その言い方がなんかゆるくて(笑)。それでいてギャグとかもガンガン言う方なので、城田さんのおかげで現場も盛り上がりますし、現場での振る舞いがすごく勉強になりました」

──本作はさまざまなアーティストのミュージックビデオを手掛け、“映像の奇才”と呼ばれるスミス監督による演出ですが、撮影中に印象的だったことはありますか?

「結構お芝居を任せていただくことが多かったです。基本ずっとモニターを凝視されていて、一言『OK』とおっしゃるんです。撮影中はお芝居に集中しているので、光の当たり方とかは気にしていなかったんですけど、後から撮った映像をチェックするとすごくきれいで『こんなにきれいに撮ってたんだ!』って驚くことが何回もありました。『あ…奇才だな』『天才なのかな?』って感じることが多かったです」

──手応えのあるシーンはありますか?

「最後の方になるんですけど、鹿子が落ち込んでいるところに望月が駆け付けて、階段の上から現れる…っていうシーンがあるんです。その撮影の時に、あえて車を走らせたり、車待ちをしたりして、時間をかけてきれいに撮ってくださっていました。そこで僕、すごく走ってます!(笑)」

スポーツが大好き、でも…「これ以上焼けたら、怒られます(笑)」

中尾暢樹インタビュー/「文学処女」で原作人気ナンバーワンの優男役「演じていてもどかしい」

──「文学処女」では文芸編集者の役を演じられていますが、中尾さんは漫画好きだと伺いました。最近読んだ漫画で好きな作品はありますか?

「『ピアノの森』が好きです! 森に捨てられていたピアノを弾いて育った子と、子どもの頃からずっとピアノをやっていて、コンクールでも賞を取ったりするような秀才の2人が出会う話なんですけど、めちゃくちゃハマってます。漫画の中で出てくる曲が気になって『どんな曲なんだろう?』って思うことが多くて、実際にショパンやモーツァルトの曲を聴くようになりました。漫画を読みながら聴くといっそう面白いんです」

──普段からクラシックを聴いていたのですか?

「親が音楽関係の仕事をしていたので、昔はいろいろ聴いていました。あと、幼稚園から小学校6年生までかな? 僕もピアノをやってたんで、その頃のことを思い出したり。でも何年もやってないんで、もう弾けなくなっちゃいました」

──小説だと、最近読んだ作品はありますか?

「今読んでいるのが、原田マハさんの『デトロイト美術館の奇跡』です。面白いです! 小説は、高校生の時に伊坂幸太郎さんの本を読んだらすごく読みやすくて、それからいろいろ読むようになりました。伊坂さんの本が入り口です。『ゴールデンスランバー』『魔王』『アヒルと鴨のコインロッカー』が好きです」

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──撮影は夏の間に行われたとのことですが、プライベートではこの夏の思い出はありますか?

「高校1年生以来かな、15歳ぶりにバーベキューに行ったんです。昔からの知り合いと行ったんですけど、ドラマの撮影が終わってすぐだったので、バーベキューして、川に飛び込んで、自然とたわむれて、童心に戻って楽しみました(笑)。僕、海とかも普段全然行かなくて…。たぶん10年くらいプライベートでは行ってないと思います。自分でもヤバいと思ってます(笑)」

──夏を満喫されたんですね。夏は好きですか?

「あんまり好きじゃないです(笑)。日差しが嫌いで、暑いし焼けるし、すぐ黒くなっちゃう。これ以上焼けたら僕、怒られます(笑)」

──ドラマは9~10月の秋にかけて放送ということで、「○○の秋」を挙げるなら、どんな秋にしたいですか?

「(即答で)スポーツの秋です! 次に撮影が控えているのがいろいろと動く作品で、週4、5とかで運動してるんです。あとは趣味というか、特技にしたいなって思って乗馬も始めたので、涼しいうちにいろいろやりたいなって。以前、撮影のために弓道や剣道をやってすごく楽しかったので、乗馬も特技だって言えるくらいやれたらいいなって思ってます。なんか、全部時代劇寄りというか、武術寄りのスポーツばっかりですね(笑)」

──最後に、「文学処女」の視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

「結構きわどいシーンもたくさんあったり、すごく攻めてるドラマになっています。題材も学生ものではなく、文芸編集者と作家のお話なので、大人の方にも楽しんでいただける恋愛ドラマだと思います。会社から帰った後に見ていただいて、元気になってもらいたいです!」

中尾暢樹インタビュー/「文学処女」で原作人気ナンバーワンの優男役「演じていてもどかしい」
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【プロフィール】

中尾暢樹(なかお まさき)
1996年11月27日生まれ。埼玉県出身。いて座。AB型。2016年、スーパー戦隊シリーズ「動物戦隊ジュウオウジャー」(テレビ朝日系)で主演を務め、本格的に俳優デビュー。主な出演作は、映画「一礼して、キス」、ドラマ「人は見た目が100パーセント」(フジテレビ系)、「あいの結婚相談所」(テレビ朝日系)、「覚悟はいいかそこの女子。」「マジで航海してます。~Second Season~」(ともにTBSほか)、「今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?」(dTVチャンネル、テレビ神奈川ほか)など。19年公開予定の映画「チア男子!!」では、横浜流星とダブル主演を務める。

【番組情報】

「文学処女」
MBS 日曜 深夜0:50~1:20 
TBS 火曜 深夜1:28~1:58

取材・文・撮影/宮下毬菜



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