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山中柔太朗、キスシーンは「緊張したままお芝居した方がリアルかなと考えて、あえてありのままで」――「ブラザー・トラップ」インタビュー2023/03/14

　電子コミックサービス「LINEマンガ」にて1億5000万viewを突破した人気漫画を実写化したドラマ「ブラザー・トラップ」が、1月24日よりTBSほかにて放送中。

　元彼とわだかまりが残ったまま別れてしまったことがきっかけで、恋愛に積極的になれない大学生・立花あかり（久間田琳加）に訪れた久々の恋。しかし、あかりの恋の相手である年下男子・成瀬和泉（山中柔太朗）は、元彼・成瀬大和（塩野瑛久）の弟であったことが発覚。三角関係を中心に、繊細でいちずなドキドキのピュアラブストーリーを繰り広げています。

　ここでは、あかりの恋の相手・和泉を演じ、俳優として人気を集める山中さんにインタビュー。共演者とのエピソードをはじめ、撮影の思い出や胸キュンシーン秘話についても語っていただきました。

――本作は、山中さんにとってどんな作品になっていますか？

「この作品を通して自分の成長を感じることができています。久間田さんと塩野くんとお芝居させていただいて、毎日刺激的で成長できている実感があるので、人生の分岐点となるような作品になっているのではないかなと思います」

――特にどんな部分で成長を感じていますか？

「一番はお芝居です。監督さんにも『僕は経験が少ないのでたくさん教えてください』とお伝えしていたのですが、細部までこだわってさまざまなアドバイスをいただいて本当に勉強になっています」

――「飴色パラドックス」（MBSほか）の撮影を経て本作にクランクインされたと思います。作品間でのギャップはありましたか？

「そこはそんなに苦労しませんでした。髪色がガラッと変わったこともあり気持ちをリフレッシュすることができたので、前作を引きずることなくクランクインできたと思います」

――阿部愛沙美プロデューサーが「山中さんは和泉の役柄そのまま」とおっしゃっていたのですが、ご自身では共通点が多いと思われますか？

「個人的に難しいと感じる役柄だったので、共通点は少ないと思います。和泉は物事をはっきり言うタイプで、放送を見ていても自分が言っていたセリフなのに『それ聞くの？』って思うようなこともあります（笑）。僕だったら言えないようなセリフは、どういう気持ちで言っているのかを理解するのに一番苦労しました」

――原作を読んで、準備段階から意識したいと思っていたことはありますか？

「兄である大和がイケメンで格好いい男なのですが、和泉も意外と男らしく引っ張っていく一面が格好いいなと思っていて、そういう部分を魅力的に表現できるように意識しようと思っていました」

――あらためて和泉の魅力を教えてください。

「和泉は友達思いで、自分より人を優先できるところや、はっきり物を言えるところが魅力的。僕にはできないことだからこそ分かるのですが、はっきり言うことで話が上手に進むこともあるんですよね。そこを理解して行動できるのはすてきなところだと思います」

――では、お気に入りのシーンはありますか？

「後半に大和と本音で話し合うシーンがあるのですが、そこはわれながらいいシーンにできた手応えがあって、思い出に残っています。終わった後に、塩野くんから『めっちゃよかった！』と言っていただいたのもとてもうれしかったです！」

――ちなみに、ご自身は三角関係についてはどう思われますか？

「兄弟を含めた三角関係は避けたいです。僕が思いを寄せた女性が兄と付き合っていたと知ったら多分手を引くと思うので、そういう部分で、本作では3人それぞれの思いの強さを感じました。みんな好きな人に真っすぐな気持ちを持っているなと」

――実生活では妹さんがいらっしゃいますが、どんなお兄ちゃんですか？

「妹は柔道を習っていて、戦ったら負けるってことが分かっているので、そんなにお兄ちゃんづらをしている感じはないかもしれません。上京してからは毎日一緒にいた時よりも逆に話すようになって、仲良くなりました。ちょっとした相談をされたり、おねだりをされることもあるので、たまに買ってあげたりしています（笑）」

プロデューサー絶賛の第6話“指切りキス”「僕もいつもよりちょっとだけ頑張ったんでしょうね（笑）」

――本作では胸キュンシーンがたくさん出てくると思います。その中でも演じる時に恥ずかしかったシーンはありますか？

「キスシーンは恥ずかしかったです。和泉は結構初心なので、緊張したままお芝居した方がリアルかなと考えて、あえてありのままで素の自分と交ぜながら演じました」

――阿部プロデューサーは尊いシーンとして、第6話の“指切りキス”を挙げていらっしゃいました。

「あの日は特に寒かったのでよく覚えています。事前にそのシーンの準備をする日があって、その際に指切りしたままキスする流れになりました。撮影当日は、それがその日のラストシーンだったんですが、なんだろうな…（と撮影を振り返りながら恥ずかしさをぶり返し）よかったと思います（笑）」

――（笑）。

「印象的なシーンになったのではないでしょうか。和泉としては指が絡まってそのままにキスをしちゃったという理由もあって、そういうのもひっくるめてかわいいなと。奇麗な風景で撮ったこともあって、美しくもかわいくもあるシーンになったと思います」

――阿部さんは「下からすくい上げるようなセクシーなキスをしていてびっくりした」ともおっしゃっていましたよ。

「僕もいつもよりちょっとだけ頑張ったんでしょうね（笑）」

――演出自体は無意識だったのでしょうか？

「無意識でした。（恥ずかしそうに）自分でも知らなかったです」

「憧れる部分が多いという意味では、似ている部分は少ないのかも」

――久間田さんについてすごいなと感じたことはありますか？

「久間田さんはただかわいいだけではなく、裏も表もなくずっとにこやかなのですごいなと思っていました。現場に長くいると疲れている時もあるはずなのに、ずっと笑顔で盛り上げてくれています。全員に愛されるお人柄だなと思いますし、お芝居にも安定感があって、ずっとあかりちゃんで居続けてくれるので本当にあとは僕が頑張るだけの状態でした」

――胸キュンシーンも、そんな久間田さんのおかげで乗り切れたんですね。

「そうですね。たまに笑われることもありましたが…（笑）」

――ご自身のInstagramの投稿でも塩野さんに会いたかったと書かれていますが、実際に共演してみて印象に変化はありますか？

「憧れの存在ということもあり、もっと高貴で無口な方だと思っていたのですが、お会いしてみたらとても柔らかく接してくださる方でした。年上なのにかわいらしい一面もあって、すごく話しやすくてありがたかったです」

――塩野さんと共通している部分はありますか？

「憧れる部分が多いという意味では、似ている部分は少ないのかもしれません。お芝居のこだわりをはじめ、まねしたいと思う部分がたくさんあるんです。服に関しても好きな傾向が違う気がします。塩野さんは質の良いものを長く着るタイプと聞いていて、僕はたくさん買っちゃうタイプ。顔は似ていると言っていただけていますが、性格や好みでの共通点は意外と少ないかと思います」

――盛り上がった話題はありますか？

「塩野くんが以前にメンバーの佐野勇斗と共演していたこともあって、M!LKの話をたくさん聞いてくださいました。『アイドルの柔太朗を見たい』と言ってくれたので、ぜひライブにもご招待したいなと思っています」

注目若手俳優、今後の目標は？

――M!lKのメンバーや周りの人々からはどんな反響が届いていますか？

「ありがたいことにいいお声をいただくことが多いです。地元の友達とかも見たよと言ってくれたり、メンバーも告知を見て『見ようかな！』と言ってくれていました」

――グループでの活動とは違うビジュアルで本作に出演されていますが、ファンの皆さんからの反響はいかがですか？

「1年ほどずっと金髪だったこともあり、黒髪のビジュアルは喜ばれていると思います。僕がいわゆる大学生らしい服を着ているのも珍しいというコメントもあって、新鮮でいいというコメントが多いです」

――では、今後俳優として演じてみたい役柄はありますか？

「恋愛作品が続いたので、別の角度の作品を演じてみたいです。例えば、ちょっと怖い役やサイコパスのような何を考えているか分からないような役柄にも挑戦してみたいと思っています！」

――最後に視聴者に向けてのメッセージをお願いします。

「塩野くんが“後半から真のブラザー・トラップが始まる”と言っていたのがすごく印象的で、おっしゃる通り、最終回に向けてさらにお互いへの思いを増す3人の様子が見ることができます。王道の恋愛ドラマだけど展開が読めないような部分もあるので、ぜひ最後まで楽しんでいただけたらうれしいです！」

　写真撮影では、カメラマンに「この場所がいいですか？」などと積極的にコミュニケーションを取りながらクールでアンニュイな表情で魅せてくれた山中さん。インタビューでは集まった記者一人一人としっかり目を合わせ、時々笑いを交えながら柔らかい受け答えをされていたのが印象的。意表をついた質問があると、「なるほど…」と言いながらじっくり考えて真摯（しんし）に答えている姿に誠実さを感じるインタビューとなりました。

取材・文／松村有咲（TBS担当）　撮影／蓮尾美智子

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