「うらやましいなって、指くわえて見てますよ」――天才ゆえに苦悩する画家役・池田エライザ「左ききのエレン」インタビュー2019/10/17

「努力してない天才ってあんまりいないんです」

──天才の人の才能を目の当たりにして、嫉妬することはありますか？

「役者さんの場合、天才って言われている方でも努力してない天才ってあんまりいないんです。周りから天才と言われていても、本人はすごく努力していらっしゃる方ばかりで。ただ、瞬発力…っていうのかな、お芝居をしていて、自分が没入していくまでにかかる時間が短い方を見ると、いいなぁと思います。いわゆる才能がある人って、本番の直前まで雑談してたのにすぐにパッと切り替えられたりして。私はどちらかというとずっと入っちゃうタイプなので」

──そういう瞬発力のある役者さんを見ると、悔しいなと感じたり…？

「うらやましいなって、指くわえて見てますよ。『あんなに直前までしゃべってて、気持ちが途切れないのかな？』って。たぶん、そういう人ってカチンコが鳴った瞬間に顔が変わるタイプだから、いいなーって思います。私もめちゃくちゃしゃべりたいもん、本当は（笑）」

──池田さんのお話を聞いたり、SNSやインタビュー記事を拝見していると、お仕事とプライベートに明確な切り替えがないように感じます。

「ないなぁ…。結局お芝居から離れようとしても、プライベートで映画を見たり、本を読んだり、絵を描いたり、歌を歌ったりしていますね。自分の好きなことが芸事に近いので、私は休んで、遊んでいるつもりでも、傍から見た時に『勉強してるんだ』って見えちゃうのかもしれないです。私の感覚としてはおうちでしっかり遊んでいるので、境目がないのがラッキーだなぁと思います。『勉強のために』みたいなつもりはないんですけど、根暗が役に立ったなって」

──そんな池田さんが、最近熱中していることは何ですか？

「最近はずっとゲームしてます。課金しないように耐えてます（笑）。あとはいつもと同じように絵を描いて、ギターを弾いて、歌を歌って…。そんな感じです。引きこもりです（笑）」

【プロフィール】

池田エライザ（いけだえらいざ）
1996年4月16日生まれ。福岡県出身。おひつじ座。B型。2009年、雑誌「ニコラ」（新潮社）の専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、デビュー。主な出演作は、映画「一礼して、キス」「ルームロンダリング」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」「億男」「貞子」、ドラマ「ホクサイと飯さえあれば」「伊藤くん A to E」「賭ケグルイ season2」（すべてTBSほか）など。音楽番組「The Covers」（NHK BSプレミアム）ではリリー・フランキーと共に司会を務める。20年公開予定の映画「夏、至るころ」で映画監督に初挑戦。