吉谷彩子&石井杏奈、初共演でW主演! 愛憎をテーマに描く本作の見どころは?――「悪魔はそこに居る」インタビュー2023/03/09
小説投稿サイト「エブリスタ」で人気を博し、「めちゃコミック」でコミカライズされ累計100万DLを突破した話題作を、吉谷彩子さん&石井杏奈さんのダブル主演でドラマ化したオリジナルドラマ「悪魔はそこに居る」が、動画配信サービス・Paraviで独占配信中。
主人公は、子どもの頃から一緒に育ってきた、いとこ同士の今西詩(吉谷)と九条美園(石井)の2人。意地っ張りで素直に感情を表すことが苦手な詩と、誰からも愛されるキュートで甘え上手な美園という対照的な2人は、都内のマンションで同居していて、家族でもあり親友のような存在です。しかし、悪魔のような冷徹な心を秘めた美園の裏の顔を知らずに同居生活を送る詩は、徐々に破滅へと追い込まれ、美園の裏切りに気付いて絶望した詩は、復讐(ふくしゅう)を誓って反撃に。女性同士のコンプレックスやゆがんだ競争心や承認欲求が生み出す、ドロッとしていてヒリヒリ感のある愛憎サスペンスストーリーは、良くも悪くも幅広い女性が共感するドラマとなっています。
ここでは、本作で初共演となる吉谷さんと石井さんにインタビュー。見どころはもちろん、お互いの印象やドロドロとした詩と美園の関係を演じた感想を語っていただきました。
――お二人は本作でダブル主演&初共演となりますが、お互いの印象はいかがでしたか?
吉谷 「杏奈ちゃんはずっとニコニコしていて、現場でも目が合うだけで笑ってしまったりするぐらい仲良くさせていただきました。作中の2人の関係性からは考えられませんが、本番ちょっと前ぐらいまでは共通の趣味の話で盛り上がっていました。すごく和やかな現場だったと思います」
石井 「吉谷さんは優しくて明るくて、ずっと笑顔でいらっしゃったのが印象的でした。ハードなシーンが多かったことに加えてタイトなスケジュールで撮影していたので、時にはナチュラルハイになるタイミングも。そのタイミングが同じになることがあって、にらみ合わなきゃいけないシーンでも笑顔になってしまうようなハプニングもありました」
――役柄とのギャップが大きい中、2人で争うシーンを演じてみていかがでしたか?
吉谷 「やりにくいと思ったことは一度もなかったです。杏奈ちゃんが長いセリフや動きをちゃんと作ってきてくださっていたので、受けのお芝居が多かった私はすごくやりやすかったです」
石井 「詩に激しくぶつかるシーンでは、『こんなに優しい吉谷さんを傷つけてしまっていいのだろうか』と、心が痛くなった瞬間がたくさんありました。それは詩が吉谷さんだったから感じられたことだったんだろうなと思います」
吉谷 「杏奈ちゃんは怒るシーンが多かったよね。本番はもちろん素晴らしいのですが、たまにリハーサルの時に涙がうるっとしていたところに、人の良さが出ていました。こんなこと言うのつらいんだろうなと」
石井 「いや〜つらかったです!(笑)」
――お互いに役とのギャップを感じることはありましたか?
吉谷 「杏奈ちゃんはもちろん全然違います! だからこそ演じるのも大変そうだなと思っていました。短い撮影だったので、そこまで深く杏奈ちゃんのことを知っているわけではないのですが、現場で話している感じとは全く違うので、そのギャップがすごいなと」
石井 「詩は、周りを見て自分よりも人のことを考える子なのですが、そういう部分は吉谷さんに共通しているなと思いました。自分が忙しくて疲れていても、スタイリストさんやメークさんなどの周りのスタッフさんへの気配りをとてもされていて、自分よりも周りを大切にする方なんだと思います」
――では、お互いに助けられたシーンはありましたか?
吉谷 「タイトな撮影だったこともあり、基本的にずっと本番テークを撮影している状態でかなり集中していたんです。美園と対峙(たいじ)するところは、杏奈ちゃんが思いっきり感情を込めてくれるからこそ、私も悲しさや悔しさの感情が出てきたので本当に助けられました」
石井 「詩が美園にあることを告げにくるシーンがあるのですが、実際には声だけのセリフなのにとてもリアルな感情を抱くことができました。台本では『笑う』と書いてあったのですが、本番では自然と涙も出てきて美園の気持ちとリンクさせてもらった瞬間でした。こうやってお芝居から生感が出てくるのかと実感しました」
――基本的に本番テークでの撮影だったとのことですが、そのような撮影だとリアルな感情が出てきやすいのでしょうか?
吉谷 「出てきやすいと思います。何回もテストをすると相手のお芝居や流れが全体的に見えてくるのですが、今回はそれがほとんどありませんでした。最近だと本番以外はマスクをしているのですが、マスクをとった状態で初めて向き合うと、その時に初めて見る表情やリアクションがあるので、そういう部分でもかなり生感はあったと思います」
4人とも似た空気感を持っているメンバー
――伊崎紘役の上杉柊平さんと、新谷貴人役の和田雅成さんとは共演されてみていかがでしたか?
吉谷 「私は人見知りな性格な人を見抜けないタイプみたいで、みんなめちゃくちゃ明るい人だと思って接していたのですが、後から実は人見知りだったと知って驚きました(笑)」
――確かにお二人とも明るいですよね(笑)。
吉谷 「4人のシーンが多くなるにつれてずっと一緒におしゃべりしていたので、全員明るい印象しかなかったんです。同じシーンが多かった上杉さんは、撮影が進むにつれて『子どもみたい』という印象が強くなりました。はしゃぎ具合や元気さが子どもなんです! 食べ物をボロボロこぼしながら食べていて『かわいいね〜』ってめでたくなるような感じ。一見クールそうに見えるのに全然違うから、意外性もあってお話していてすごく楽しかったです」
石井 「4人とも似た空気感を持っているメンバーだったなと思います。みんな少しだけ人見知りするタイプで、最初はお互い探りながら話していました。4人の中では、和田さんが飛び抜けてツッコミをされていた印象があります」
吉谷 「そうでしたね! 台本で、何かを面白く思っていない新谷のことを『面白くない新谷』と略して説明書きをされていたのですが、それを見たみんなから“面白くない新谷”って呼ばれていたんです」
石井 「しかも、それに一個一個全部ツッコんでいたのがすごかったんです! 同時期に舞台にも出演されていたのでとてもお忙しかったと思うのですが、誰かが小声で言った『面白くない』という発言にも『誰のことだ!』って言いながら必ず会話に入ってきてくれて、かなり盛り上げてくださいました」
“愛憎”がテーマの本作、見どころは?
――本作では“愛憎”が一つのテーマになっていますが、愛と憎しみが表裏一体だなと感じる部分はありましたか?
吉谷 「後半からはずっと愛と憎しみが入り混じっている感覚で演じていました。正面から対立して話し合いたいけど、うまくいかないシーンや、駆け引きが重なるシーンも多かったので」
石井 「2人の代名詞になっているテーマなので、常に意識していました。愛憎というものは、2人に限らず登場人物それぞれが少なからず持っているものだと思います。現実でもみんな愛憎を持って生きていると思いますし、見ていて『自分もここまでではないけれど、同じように感じることあるな』と思ってもらえるんじゃないかな。大げさかもしれませんが、少しでも共感してもらえたらいいなという思いで演じていました」
――では、最後に本作の見どころをお願いいたします。
吉谷 「詩と美園のドロドロな関係はメインの見どころではあるのですが、ただ憎しみ合っているだけではなくて、お互いに闇を抱えているからこその関係であるということが、どんどん明らかになってきています。引き続き楽しみにしていてください!」
石井 「本作を経て、私自身、自分を客観視することができました。人間誰しもネガティブな感情を持っていると思うので、共感していただける部分もあると思います。この物語が皆さんが自分自身の感情と向き合えるきっかけになったらうれしいです」
吉谷彩子(よしたに あやこ)
1991年9月26日、千葉県生まれ。天秤座。AB型。96年ドラマ「最後の家族旅行」(TBS系)で子役デビュー。映画「ピース オブ ケイク」や「伊藤くんAtoE」、NHK大河ドラマ「利家とまつ」、「陸王」(TBS系)などに出演。最近の出演作には、「グランメゾン東京」(TBS系)、「ハケンの品格」(日本テレビ系)、「正義の天秤」(NHK総合)。現在放送中のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」にも出演し話題を集めた。
石井杏奈(いしい あんな)
1998年7月11日、東京都生まれ。かに座。O型。映画「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」「ガールズ・ステップ」(ともに2015年)の2作でブルーリボン賞新人賞を受賞。最近の出演作にドラマ「東京ラブストーリー」(FOD)、「ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○」(フジテレビ系)、「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ系)、「金魚妻」(Netflix)などがある。
取材・文/松村有咲(TBS担当) 撮影/尾崎篤志
(吉谷)スタイリスト/津野真吾(impiger) 衣装協力/カーディガン¥12,980、キャミソール¥6,820、スカート¥12,980/Three Four Time(ジオン商事 ︎03-5792-8003)、靴¥24,200/ダイアナ(ダイアナ 銀座本店 03-3573-4005)、イヤリング/yuu(yuu 090-2380-2777)
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