三田麻央が明かす、NMB48卒業後の「ヴァタ子」山本彩&古賀成美との強い絆【ロングインタビュー後編】2023/02/21
2019年にNMB48を卒業後、女優、声優、作家、イラストレーター、バラエティータレントなど、多方面で活躍している三田麻央さん。2月22日からは、主演を務める舞台「INDESINENCE Case:Beautiful Vermilion Ways」が上演される。
グループ卒業後の4年間を、「いろんなものに手を出したな~!って(笑)」と気取らない笑顔で振り返る。「好き!」というピュアな気持ちを仕事につなげ、マルチな分野で存在感を発揮する27歳。インタビュー後編では、信頼を置く仲間の存在や、ターニングポイントとなった出来事について聞いた。(インタビュー前編はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-2049605/)
「自分の中のものを『見て見て!』って人に見てもらうのがすごく好き」
――2019年2月24日にNMB48を卒業。卒業後は、どんな4年間でしたか?
「いろんなものに手を出したな~!って(笑)。自分がやりたいこと、やらせてもらえることに、できる限り手を出したなと思います。ずっと走り続けた4年間でした」
――女優、声優、作家、イラストレーター、バラエティータレントなど、さまざまな顔をお持ちですが、中でも「これが好き!」と思っていることはありますか?
「一見バラバラのジャンルに見えるんですけど、絵を描くことも、小説を書くことも、舞台に出ることも、“自分の中の表現を皆さんに見てもらう”というくくりでは一緒なんですよ。そのことが私はどうやら好きみたいです。『私はこれをこういう絵で表現します』『私はこういう世界が好きです』『この役を私はこう解釈しています』って、自分の中のものを『見て見て!』って人に見てもらうのがすごく好きで。そういう意味では、やってきたこと全部が好きなんです」
――NMB48を卒業後、ご自身の活動において思うようにいかない時期はありましたか?
「ありましたね…。やっぱり40人、50人のグループの1人だった頃とは違って、自分1人に時間をかけてもらえるようになって。もちろんすごくありがたいことなんですけど、それが最初はストレスになってしまったんです。この職業だと当たり前なんですけど、ずっと見られている、構われることが怖かった時期があって。そんな中コロナ禍になり、そこでちょっと休めたのが、私としては必要な時間だったなと思います」
――NMB48の時とはガラッと状況が変わって。
「あれだけ人数がいたら当たり前なんですけど、結構自分でなんとかしなきゃいけないことが多かったんです。だから1人になって、『ここまで私にしてくださるんですか!?』って驚いたし、『大丈夫です、自分でできます!』ってやり続けた結果、自分でできなくて、パンクしちゃったんですよ。自分を過信しすぎていたことに初めて気づきました」
――そこから、周りの人に頼ることができるように?
「いろんな分野のプロフェッショナルがいるので、だんだん『これはお任せします』『これは自分でやります』って線引きができるようになってきました。まだ『これ、頼っていいかな…?』と悩むこともあるんですけど、だいぶ『頼ります』という言葉を言うのが楽になりましたね」
「ヴァタ子」山本彩&古賀成美との強い絆「絶対味方だから」
――三田さん、山本彩さん、古賀成美さんの3人は「ヴァタ子」としてずっと仲がいいですよね。
「そうです! ヴァタ子~!」
――三田さんにとって、お二人はどういう存在ですか?
「もう……空気! “いて当たり前”って思っちゃダメだけど、でも何かあったら絶対2人に言うし。仕事でうれしいことも、つらいことも、プライベートのことも全部、何かあったら3人のLINEに絶対送るし。誰かが落ち込んでいたら、絶対に集まって『ウェ~イ!』って肩組みに行くし。山本の家で集まることが多いんですけど、彼女の家に入る時、私『ただいま~』って言うんですよ。出る時は『行ってきまーす』って(笑)。何でも言い合えることが正義ではないけど、何でも言うことが当たり前になっていますね。2人がいなくなったら、たぶん、生きていけない。2人が東京に出てきてくれたのも大きくて、『これから1人で大丈夫かな?』って不安だった時期に、何かあったら2人に会えて、話せて…。いろんな場面で、すごく支えられました。『老後は3人で住もな!』ってずっと言っています(笑)」
――この話をずっと聞いていたいくらい、すてきな関係です。
「ははは! 『老後は3人で住んで、健康のことをお互い把握し合おうな!』『人間ドック3人で行こな!』って話してます(笑)」
――大人の会話ですね(笑)。
「そうなんですよ!(笑)。お金と健康と老後の話多め(笑)。『着実に年取ってるね~』って話はよくします」
――信頼し合っている3人。たくさんあると思うのですが、お二人からもらった言葉で、うれしかった言葉はありますか?
「常々私も思っているし、向こうからも言ってもらえるのは、『絶対味方だから』って。“私はこう思っているけど、こういう意見の人もいて。でもそれに対して、私は『うーん…』って思うんだよね”ってことを相談した時、『そういう意見もあると思うけど、でも、うちは三田の味方やから』って絶対言ってくれるような人たちで。なんか、一歩外に出たら『ちょっと、クサいよー!』って思うようなことを言い合える仲なんですよ。『もう2人がおらな絶対無理やわ』『味方やから』とか、『何かあったら絶対すぐ言いな~』とか。『すぐ会いたいわ~』とかも言うし。親以外で、他人で、何があっても味方になってくれる人がいる。そう確信が持てる2人がいるというのは、すごく大きなことだと思います」
――NMB48の頃から仲がよかったと思うのですが、卒業されてからより強い絆になった感じでしょうか。
「卒業してからの方が強いと思います。グループにいた時は、山本が1期生で、古賀と私は2期生で。山本は先輩だし、キャプテンということもあって、当時の映像を見たらまだ敬語でしゃべってるんですよ。3人で、よく自分たちが出てた媒体を見返すんですけど、『まだ敬語使ってんねんけど!(笑)』ってことが結構あって(笑)。だから卒業して、3人がそれぞれ上京して、1人でやっていかないといけなくなって。そんな時に、お互いを支え合った日々があったから、今こうしてかけがえのない存在になったのかなって思います」
――今年の1月1日には、3人でNMB48劇場に足を運んでいましたね。今のNMB48の劇場公演を見て、いかがでしたか?
「もう…まぶしい!! 私は9期生による『9期生特別公演』を見て、2人はNMB48全メンバーが出演する『2023新春特別公演~NMB48劇場12周年~』を見たんですけど、終わった後、3人で『あの時のあの子、まぶしかったよね』とか『すてきだったね』って感想を話しました。私もあそこに立ってたんだけど、『あの頃はよかったね』とかじゃなくて、もう彼女たちのNMB48だから、『フレッシュだ…!』『まぶしい!!』みたいな話をずっとして。古巣に戻った時に今の子たちが必死に頑張っている姿を見て、『私も頑張ろう!!』って感化されましたね」
――今も、大切な場所ですね。
「でもスタッフさんは変わっていなくて、帰ると『久しぶり!』『え~、来たんや!』って迎えてくれるんです。それこそ実家みたいな。そういう場所があるのはうれしいです。青春時代を過ごした場所なので、やっぱり思い出が色濃く残っていますね」
ターニングポイントは「YNN」の番組「三田画伯の部屋」
――「#マヂカルシャドウバース」(OPENREC.tv)では、アシスタントMCとしてレギュラー出演中。マヂカルラブリーのお二人との共演は、いかがですか?
「めっちゃ優しいんです!! 私、フルネームで『三田麻央』って呼ばれているんですけど、いつも『三田麻央、最近どうなの?』って、フランクに接してくださって。もちろんシャドウバースの話もしますし、野田(クリスタル)さんに関して言うと、私も『クリスタルジム』で一つ枠をいただいて、お客さんを交えて一緒に筋トレをしたり。マヂラブさんにはそんなご縁もいただいて、いろんな面でお世話になっています」
――「M-1グランプリ2020」で優勝し、大活躍のマヂラブのお二人との共演で、刺激を受けることはありますか?
「やっぱり、忙しい方、世間に評価されている方を見ていると、“人格者”だと思うことがたくさんあるんです。私とおしゃべりしてくださっている時もそうなんですけど、スタッフさんに対する振る舞いだったりとか、お仕事に対する姿勢だったりとか。どこか真面目で、でも遊び心を忘れない人が、ずっと評価され続けるんだなって。マヂラブさんを見ていて、あらためて思いました。そういう方と一緒にお仕事できて、すごく貴重な経験をさせていただいているなと思います」
――「こういう番組にしていこう」など、3人で話し合いをすることもあるのでしょうか?
「全然ないです(笑)。最初からすごくフランクに接してくださったんですよ。私が構えすぎると空回るだけだから、もうお二人に流れを任せてみようって。野田さんも村上さんも、すごく情が深い方なんです。私が楽しめているのは、マヂラブのお二人が作り上げてくださった空気感のおかげです」
――現在、さまざまな分野で活躍されていますが、ターニングポイントだったなと感じるお仕事や経験はありますか?
「めちゃくちゃコアな話になってしまうんですけど、NMB48の『YNN』(現:『新YNN NMB48 CHANNEL』)という配信チャンネルがあるんです。そのコンテンツが始まった頃、私はバラエティーにも出ていないし、選抜メンバーでもなくて、毎日劇場公演に出ているという状況で。そんな時、『三田画伯の部屋』という私1人の番組をいただけたんですよ。メンバー1人を招いて、向き合って、私がメンバーの絵を描きながら相手のことを掘り下げるという番組だったんですけど、それをやっていくうちに、人の中身を引き出すのってすごく大変だし、技術が必要だけど、めっちゃ面白いなって思って。そしたら、ずっと『YNN』を担当されているスタッフさんから『三田ちゃんはたぶんしゃべれると思うから、磨いていこう!』と言ってもらえたんです。そこから『YNN』でたくさん取り上げてくださって、MCを任せてもらえるようになったんです」
――今の三田さんの原点は「YNN」だったんですね。
「そうなんです。その頃から番組について考えるようになりました。『この台本でこうしたら面白いだろうな』って考えて自己流でいろいろやっていくうちに、おしゃべり大好きになって!(笑)。やったもん勝ちじゃないですけど、そういう度胸も身について、ライブでも、MCとかあおりを任せてもらえるようになったんです。それが18、19歳とかで。高校を卒業するタイミングで、今後の仕事について考えるようになった時期でした。『学生気分じゃいられないけど、ここからどうしよう?』っていう時だったんですけど、いろいろ重なって、活動に対しての向き合い方が変わりました」
――元々、MCやバラエティーが得意な方という印象でした。
「ポジションもめちゃくちゃ後ろだったから、絶対に見てもらえないと思っていました。番組でもしゃべれないし、『ここでしゃべっていいのかな?』ってずっと不安で。『しゃべりたいけど、前列のメンバーがしゃべるだろうな』って思っていたし、そういう世界なので、それが当然だったというか。前列じゃなくても、自信がなくても『しゃべっていいんだよ』って教えてくれたのが『YNN』です。すごく大きな存在です」
「若い人たちの夢の後押しがしたい」
――やりたいことがまだまだたくさんありそうですが、今後の展望を教えてください。
「若い人たちの後押しがしたいんですよ。15歳でNMB48に加入して、今までやってきて。この経験が誰かの役に立つなら、分けてあげたいというか。10代でこの活動をしている子たちが悩んでいるとしたら、多かれ少なかれ、その子たちよりも選択肢は持っていると思うんです。その提示をしてあげたいし、あとは、あの頃欲しかった言葉とかを、ちょっとずつ分けたいなって思っていて。今ってSNSが当たり前の社会で、自己プロデュースが問われる時代じゃないですか。そういう悩みを抱える子が、ちょっとでも生きやすくなったらいいなとか…。難しいんですけど、そんなお仕事もやってみたいなと思っています」
――「“自分が”こういう作品に出たい」とか、「“自分が”こういうふうになりたい」という目線ではなく。
「悪い意味じゃないんですけど、私、あんまり自分に興味がないんです。自分を出すことよりも、『周りの人がこれだけやってくれるから、私も期待に応えたい』っていう目線で仕事をするのが楽しくて。番組に出る時も、『たぶん周りの人がこういうことを求めているから、こうしたいな』っていう考えなんです。スポットライトを当てる側の人たちについて考えるのが好きだから、夢を持つ子たちを支えたいなって、最近思うようになりました」
――そういう将来を思い描くようになったのは、最近なんですね。
「卒業してからはもうがむしゃらすぎて。何がやりたいかも分からないまま走り続けた結果、舞台が大好きになったこともあって、そういうふうに考えるようになりました。具体的に見えているものはまだ全然ないんですけど、10代からしか得られないパワーってあると思うんですよ。10代に戻りたいってわけじゃないんですけど、学生の無敵感って絶対あるじゃないですか。悩みを聞くのも、恋バナを聞くのもめっちゃ好きなんです! 学生の子や、もちろん今のNMB48のメンバーなど、若い人たちの夢の後押しができたらいいなと思います」
【プロフィール】
三田麻央(みた まお)
1995年9月9日生まれ。大阪府出身。A型。2011年、NMB48第2期生オーディションに合格し、デビュー。11年12月、アニメ「AKB0048」(tvkほか)の主演声優を決めるオーディションに合格し、12年4月、声優選抜メンバー9人によるユニット「NO NAME」を結成。12年8月、アニメ主題歌「希望について」をリリース。19年2月24日、NMB48を卒業。卒業後は、女優、声優、作家、イラストレーター、バラエティータレントなど、多方面で活躍。21年には、「夢にみるのは、きみの夢」(小学館)でライトノベル作家としてデビュー。現在、「#マヂカルシャドウバース」(OPENREC.tv)でアシスタントMCを務めるほか、「元乃木坂46中田花奈の麻雀ガチバトル!かなりんのトップ目とれるカナ?」(TBSチャンネル1)に司会進行として出演中。特技は進行(MC)、アニメや漫画について語り続けること、絵を描くこと。
【作品情報】
「INDESINENCE Case:Beautiful Vermilion Ways」
日程:2023年2月22日(水)~26日(日)
会場:東京・新宿村LIVE
【プレゼント】
サイン入り生写真を2名様にプレゼント!
TVガイドweb公式Twitter @TVGweb (https://twitter.com/TVGweb)をフォローし、下記ツイートをリツイート。
https://twitter.com/TVGweb/status/1627946036932247552
【締切】2023年3月20日(月)正午
【注意事項】
※ご当選者さまの住所、転居先不明・長期不在などにより賞品をお届けできない場合には、当選を無効とさせていただきます。
※当選で獲得された権利・賞品を第三者へ譲渡、または換金することはできません。
※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/宮下毬菜 撮影/尾崎篤志
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