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玉城ティナ「小さな自信を重ねること。それが過酷な状況を乗り切るすべ」。今夜スタートの「社畜OLちえ丸日記」で“社畜OL”を熱演!2023/02/10

玉城ティナ「小さな自信を重ねること。それが過酷な状況を乗り切るすべ」。今夜スタートの「社畜OLちえ丸日記」で“社畜OL”を熱演!

 玉城ティナがブラック企業の営業部に配属された新入社員に扮(ふん)するドラマ「社畜OLちえ丸日記」が、今夜からHuluにて独占配信がスタート!

 原作は、働く女性の姿をリアルに映し出していると話題のYouTubeチャンネル「社畜OLちえ丸」が手掛けたエッセー「自己肯定感が低くて挫けそうな時、明日の自分のためにゆでたまごをつくる」。始業時間の2時間以上前に出社、終電間際の深夜帰宅は当たり前、ノルマ重視の鬼上司からのパワハラをやり過ごす日々――。過酷なノルマと労働環境の中で心が折れそうになりながらも、社会の荒波の乗り越え方とたくましく生きるすべを身につけていく“ちえ丸”の等身大の姿を描く、爽快社畜コメディーだ。

 配信開始を前に、主人公の“ちえ丸”こと築丸ちえ子を演じる玉城ティナを直撃! 「これまで演じたことのないキャラクター」と語る“ちえ丸”という役柄や、同じ女性として本作を通して感じたことなどを語ってもらった。

玉城ティナ「小さな自信を重ねること。それが過酷な状況を乗り切るすべ」。今夜スタートの「社畜OLちえ丸日記」で“社畜OL”を熱演!

――まず、本作で主演を務めると聞いた時のお気持ちをお聞かせください。

「今までにあまり触れたことのない、私自身が演じたことのないキャラクターで、そういう役をできるのはすごくありがたいことだなと。脚本を読んでいても本当に元気づけられる描写が多かったので、この脚本を立体的に演じてみたいと思いました」

――脚本を読まれて、本作の魅力をどのように感じましたか?

「私は実際に一般の企業で働いた経験はないんですけど、仕事をひたむきに、真面目に頑張っていきたいっていう気持ちは、私も主人公のちえ丸と一緒です。そこで打ちのめされたり、うまくいかなかったりすることもありますけど、でも、そこをネガティブに描くんじゃなくて、コミカルに描くことによってちょっと救われる気持ちになる。私自身もそういう気持ちになりましたし、演じることによって、もっとたくさんの人にその気持ちが広がっていくんじゃないかなって。劇中には濃いキャラクターが出てくるんですけど、それもただ濃いというだけじゃなくて、すごく人間味があって、現実味があるところが私はすごく好きでした」

――本作はYouTubeチャンネル「社畜OLちえ丸」のちえ丸さんのエッセーが原作になっていますが、ちえ丸さんのことはご存じでしたか?

「私はこの作品のお話をいただいてから検索をして、YouTubeの動画を見させていただきました。もともと顔出しをしていない方の動画を見るのが結構好きだったのですが、ここまでさらけ出すチャンネルがあるんだなっていうのは少し衝撃でしたし、最初にYouTuberの方のエッセーや動画が原案でと聞いた時は、『どういうふうなものになるんだろう』という気持ちも正直ありました。でも実際に動画を見ると、私も夢中で見ていましたし、新しい動画が上がると今も見ています。応援したいと言ったら偉そうかもしれないですけど、『あ、私もこの気持ち分かるな』とか、本当に共感できる部分がたくさんあるなと思いました」

――そんなちえ丸さんを、どんな女性だと捉えて、どのように演じようと思いましたか?

「撮影中にご本人ともお会いできたのでごあいさつしたのですが、作品的に実際のちえ丸さんと似せる必要はそんなにないのかなと思っていて。やっぱり、この作品はこの作品で、私の要素みたいなものもキャラクターに肉づけできればいいなと思っていたので、そんなにご本人のことをすごく意識して…ということはありませんでした。作品の中の毎日を一生懸命生きているちえ丸を、私だったらどういうふうに演じるかな?という部分に、一番重きを置いて考えていたと思います。彼女は底抜けの明るさがあって、ちょっと抜けていたり、ちょっと突っ込みたくなるようなところも正直あるんですけど、でも本人はそれを真剣にやっている。そこがこの作品のおかしさでもあるので、この部分は本当に脚本に書かれていることを忠実に演じていこうと心掛けていました」

玉城ティナ「小さな自信を重ねること。それが過酷な状況を乗り切るすべ」。今夜スタートの「社畜OLちえ丸日記」で“社畜OL”を熱演!
玉城ティナ「小さな自信を重ねること。それが過酷な状況を乗り切るすべ」。今夜スタートの「社畜OLちえ丸日記」で“社畜OL”を熱演!

――ちえ丸さんにお会いになって、何か聞いたことはありますか?

「本当に撮影の終盤で(取材の)数日前なんですけど、そんなにゆっくり話せたわけではないんです。でも、割と質問をされちゃっていましたね。私が質問するっていうよりは、ちえ丸さんに聞かれていました(笑)」

――ちえ丸さんからはどのような質問をされたのでしょうか?

「世代も近いですし、20代、30代と人生設計をしていく年齢になっていく中で、どういうふうにストレスを発散して、どういうふうに自分の人生を切り開いていきたいのか…みたいな真面目な質問から、気軽な質問まで。本当に1人の女性と女性のお話ができたなって」

――実際にお話されて、どのように感じましたか?

「本当はもっとちえ丸さんの思っていることを聞きたいな、これからでも、もし聞ける機会があったらいいなって思っています。お話の中で“自己肯定感”というキーワードが出た時に、すごく下がってしまうとおっしゃっていたんですけど、私から見ると全然そんなふうには見えなくて。仕事に誇りを持っているように見えたし、YouTubeを見てもすごくやりがいを感じてお仕事をしている印象があったので、イメージとすごく違ったということはなく、イメージ通りの強い女性だなと思いました。本当にまた機会があったら、もっとお話したいです」

――先ほど濃いキャラクターが多いとお話がありましたが、現場の雰囲気や撮影中のエピソードなどを教えていただけますか?

「作品に入る前に、本読みとリハーサルの機会を設けていただいたのですが、そこに入るまではやっぱり不安でした。皆さんのお芝居をどう受け止めて演じようかな、私はどういうふうに立ち回っていけばいいのかなって思っていたんです。でも、その本読みとリハーサルでお会いした時に、皆さんがすごく優しくて。『僕は、私はこうだから』というのが一切なくて、すごく柔軟性の高い方たちばかりだったのでやりやすかったです。リハーサルでは、本当にボルテージのマックスぐらいまで皆さんの演技プランというか、『こういう感じでやっていきます』というスタンスを見ることができたので、私もそれが終わって調整して…っていう感じでしたね。なので、撮影中はもうそんなに不安になることはなく、それぞれが何を打っても返してくれる方たちだったので、すごいなと思いながら見ていました。カメラ前で笑ってNGになってしまったことも何回かあるくらい、明るい現場でした」

――映像的にもコミカルで笑えるような感じになっているのでしょうか?

「はい。私も今日アップしたので、どういうふうになるんだろうって楽しみではあるんですけど、新しい映像の画の切り取られ方だなと思うところもありますし、今回モノローグもとっても多くて、ちえ丸の心の声に皆さんクスっとしていただけるんじゃないかなと思います。実際、みんなは真剣だけどおかしな出来事ってあるじゃないですか。それをただ泳がせているだけでは心地よくないこともあると思うんですけど、ちえ丸のモノローグが結構ツッコミや単に受け手だけじゃない部分も担っていくので、構成としてすごくスッキリする内容になっているんじゃないかと思います」

――劇中のちえ子は、上司や先輩から厳しい言葉を浴びせられたり、ノルマ達成に奮闘したりする22歳のOLです。もし、ご自身がちえ子のような立場だったら、どう行動していくと思いますか?

「みんながそれぞれの世界の過酷な環境で、自分なりにどうすれば乗り越えていけるのかを考えて、毎日生きていると思うんです。ノルマって私の立場に変換をすると、人に言われることではないんですけど、セリフをこれだけ覚えなきゃいけないとか、自分でこの撮影のためにちょっと体絞ろうかなみたいなことはあって。そういうことって意外と今までの経験でリカバリーできるというか、自分のことが分かってくると、その対処法みたいなものも同時に見えてくると思うんです。私はこの仕事を10年ぐらいやらせていただいて、たぶん2年目だったらできていなかったことが今できている、ということは確実にあって、そういう小さい自信を積み重ねていくことが、その過酷な状況を乗り切るためのすべなのかなと思います。私は実際に営業だったり、数字みたいなノルマを課せられたりということはないんですけど、死ぬ気でやってダメだったらもうダメだったなって思うしかないというか、そこであがいてもしょうがないですよね。この作品の中でもあるんですけど、それができなかったからって正直死ぬわけじゃない。これは極端な考え方だとは思うんですけど、でも、それってすごく救いになるし、そう思ってもいいんじゃないかなって。そこまで頑張ってできなかったっていうんだったら、多少甘えてもいいのかなと思いますし、人によって向き不向きもあるし…自分が得意だなって思えるところで頑張りきるだけなのかなと思います」

玉城ティナ「小さな自信を重ねること。それが過酷な状況を乗り切るすべ」。今夜スタートの「社畜OLちえ丸日記」で“社畜OL”を熱演!
玉城ティナ「小さな自信を重ねること。それが過酷な状況を乗り切るすべ」。今夜スタートの「社畜OLちえ丸日記」で“社畜OL”を熱演!

――YouTubeの中で、ちえ丸さんは食事や旅行で現実逃避することもありますが、玉城さんは現実逃避したい時に食べるテンションが上がるごちそうや行く場所はありますか?

「ちえ丸さんに本当に似ていると思います。私もやっぱりおいしい食事やお酒を楽しんだり、友達と旅行に行ったりしますね。きれい事みたいに感じる人もいるかもしれないんですけど、1人で本当なんでもない空を見ているだけで奇麗って思える気持ちがあったら、『うん、まだ大丈夫かも』って思えたりするので、やっぱりそういうきれい事が、なんだかんだ大事なんだなって最近思い始めて。なので、仕事は仕事で頑張って、でも自分の息抜きやそういう景色を奇麗だなと感じる気持ちとか、本当にちっちゃい単純なことを積み重ねている感じですかね。温泉は私も好きですし、買い物も好き。コロナ禍前は海外によく行っていたので、今年ぐらいからは足を運べたらいいなと思っています!」

――ちなみに、普段はどういう感じの動画を見ることが多いですか?

「もちろんお顔が出ている方の動画も見ますし、友達がYouTubeをやっているのでそういうものも見るんですけど、基本的にはやっぱり顔出ししていない方の動画を多く見ているかも。Vlog(ブログの動画版)っぽい感じだったり、カップルで料理しているものだったり。人が会話している感じのものをBGMみたいな感じで見ていますね。あとは、海外に住んでいる人の日常を映したものも見ています。『へー、そういうスーパーあるんだ!』って」

――では、ご自身が動画を投稿するとしたら、どんなものをやりたいですか?

「チャンネルの中でコンセプトがはっきりしている、企画っぽいことを私がやってもあまり面白くないのかなって思うので、そういうものが半分ぐらいで、後の半分は自分で撮っている感じの方が面白いのかなって思います。美容系やファッション系はしっかりスタジオを借りて、いわゆるLOOKBOOK(アパレルの商品カタログ)をやっている人もたくさんいますよね。情報的には需要があると思うので、そういうものも必要だと思うんですけど、でもやっぱり自分がやるとしたら、すごくラフな感じでやりたいです。そういう一面を見せる機会がまずないので、そういうことができれば見ている方も面白いんじゃないかなとも思いますし、あとはせっかくならインタビューする側にも回ってみたいです」

――それは同業種の方ではなく、他業種の方ですか?

「他業種の方がいいですね。普段、仕事で関わっている方達が、ほかの場面では一体どういう作業しているんだろう?みたいなことに個人的にはすごく興味があって。何をやってもいいなら、そういうことをやってみたいなって思いますね。あとは、私が顔出しなしでチャンネルを作ったらバレるのかな?っていう思いもちょっとあります(笑)」

――それはスタイルでバレてしまう気がしますが(笑)。

「(少し考えて)…いや、でも首から下だったら分からない気がします! 声でバレてしまうかもしれないですけど、でもそういうのを想像するのは好きです」

――インタビューということは、自分でお話するより聞く方が得意ですか?

「そうかもしれないですね。話すのも全然好きですけど、会話している方が好きかも。人の思っていることを聞くのが好きなんです」

――今年は海外に行きたいとのお話がありましたが、今行ってみたい国や、すでにピックアップしている国はありますか?

「オランダに行ってみたいなって思っていて。オランダって、チューリップがすごい奇麗じゃないですか。1週間みたいな短期間だと、どうしても観光スポットを巡ってすぐ帰ってくることになってしまうので、もし何も期間とか関係なく2、3カ月くらい行けるとしたら、地元の人のような生活をプチ体験するのがすごく楽しそうだなって思っていて。地元の人が行くようなお店に行ったり、街を歩いてみたり。海外って歩いているだけで楽しいじゃないですか。チューリップの時季に行ってみたいなと思っているんですけど、実際に行けるかどうかはちょっと分かりませんね(笑)。でも、日本も全然知らない場所がまだまだたくさんあると思うので、そういうところも年齢とともに知っていけたらなと思います」

――ありがとうございました!

玉城ティナ「小さな自信を重ねること。それが過酷な状況を乗り切るすべ」。今夜スタートの「社畜OLちえ丸日記」で“社畜OL”を熱演!

【プロフィール】

玉城ティナ(たましろ てぃな)
1997年10月8日生まれ。沖縄県出身。てんびん座。O型。2012年、講談社主催の「ミスiD2013」で初代グランプリに輝き、14歳で雑誌「ViVi」の専属モデルとしてデビュー。14年、ドラマ「ダークシステム 恋の王座決定戦」(TBSほか)で女優デビューを果たす。21年、「アクターズショートフィルム2」(WOWOWプライム)では自ら脚本を書き、初の映画監督に挑戦。主な出演作は、映画「貞子vs伽椰子」「Diner ダイナー」「惡の華」「ホリック xxxHOLiC」、ドラマ「荒ぶる季節の乙女どもよ。」(TBSほか)、「鉄オタ道子、2万キロ」(テレビ東京系)など。出演するWEBドラマ「君と世界が終わる日に Season4」が3月19日からHuluにて独占配信、映画「零落」が3月17日公開予定。

【番組情報】

ショートドラマ「社畜OLちえ丸日記」
2月10日よりHuluにて独占配信スタート
金曜午後9:00に新エピソードを配信

取材・文/K・T(日本テレビ担当) 写真/尾崎篤志



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