今泉佑唯、明るい笑顔の奥に「先のことを考えたくないくらい不安」と本音も 「左ききのエレン」インタビュー2019/11/20
理不尽な容赦ない現代社会で、“何者か”になることを夢見ながら大手広告代理店で働くデザイナーと、天才ゆえの苦悩と孤独を抱えながらニューヨークで活動する画家という2人の若者を中心に、「本当の自分」を見つけるまでをリアルに描き出す青春群像劇「左ききのエレン」(MBS/TBSドラマイズム)。
主演の神尾楓珠さん演じるデザイナー・朝倉光一と同じ部署で働く後輩で、若くして才能があるコピーライター・三橋由利奈を演じる今泉佑唯さん。昨年11月に欅坂46を卒業後、映画やドラマ、舞台と活躍の場を広げ、今クールは2本の連続ドラマに出演しています。そんな躍進する自身の状況をどのように見つめているか――このたび、お話を伺いました。
監督からは「作り込みすぎず」
──「左ききのエレン」では光一のことをやや見下している、才能のある若手コピーライター・三橋由利奈という役を演じていらっしゃいますが、出演が決まっていかがでしたか?
「『○○っすよね』という口調で、女の子感があるわけではない役なのでそこは意識しました。ほかの作品を参考にしてしまうとまねしちゃいそうだなって思ったので、自分の中で正解を探しながら演じたんですけど、監督から『作り込みすぎず』とアドバイスをいただいて。逆に意識しすぎるとダメだなと思って、修正するところがあればその場で教えてくださるので、そこは甘えました♡」
──撮影中、印象的だったシーンはありますか?
「英語がすごく苦手なんですけど、しゃべらなきゃいけないシーンがあって、すごく苦戦しました。(英語を話す方からの)電話を受けて『光一さん! お電話です!』ってつなぐシーンだったんですけど、苦手なワンフレーズがあって…。代わりに誰か言ってくれないかなって思ったくらい発音できなかったです」
──長ゼリフだったんですか?
「結構短めです(笑)。でも私にとっては5行分くらいしゃべっている感覚で、難しかったです。棒読みでした(笑)。ドラマの終盤で放送されると思うんですけど、怖い! 見れない~(笑)。あんまりやり直しすることがなかったんですよ。だから逆に不安になって。たぶん諦められてるんだろうな…って(笑)」
──お話を聞いていると、楽しい現場だったことが伝わってきます。
「楽しかったです! スタッフさんがずっと笑っていたので、それを見て私も笑ってました。何が面白いかはまったく分からないんですけど(笑)。にぎやかでした」
自分で自分を苦しめていた時期を抜け出して
──本作は「“何者か”になりたい」という葛藤を抱き、もがきながらも突き進む光一と、天才ゆえの苦悩と孤独を抱えるエレンという2人の主人公が登場しますが、今泉さんは似たような思いをしたことはありますか?
「どちらかといえば、私は光一さんタイプです。自分のことを天才だと思ったことが本当に一度もないんですよ。むしろ天才になりたくて、むずむずしてるタイプです」
──グループに属している時から、そのような思いは抱いていたのですか?
「昔からずっと負けず嫌いだったので、『この人と自分は、何がどう違うんだろう』って考えているタイプでした。今はそういう気持ちはなくなったんですけど、『天才になりたいなぁ』とか、『何でもできる人間になりたい』っていうのは、小学校くらいの時からずっと思っていました」
──自分に対して、理想を持っていらっしゃるのですね。
「そうなんですよ。絶対に手が届かないような、すごく高い目標を立てちゃうんです。だから自分で自分を苦しめてたし、誰かと自分を比較して落ち込んだりもしてたので、そういうのに疲れて…。それからは、そういう考えにならないように意識するようになりました。だから台本を読んで、『こういう時、自分にもあったな』ってぐっときました」
──光一に共感する部分がありながら、同じ部署で光一の側で働く役を演じる中で、心情的に難しかったところはありましたか?
「みっちゃんは光一さんのことを下に見つつ、助けてあげたりもするので、そこのメリハリが難しいなと思いました。優しく寄り添いたくなっちゃうところを、『なんでそんなこともできないんですか?』って突き放したり…」
──今泉さんは、自分が悩んだ時はどういう声をかけてもらいたいですか? もしくは放っておいてほしいタイプですか?
「放っておいてほしくはないですね。でもだからといって寄り添ってほしいわけでもなく…。一緒にごはんを食べに行ったらちょっと気持ちが晴れるタイプなので、全然関係ない話で気を紛らわしたいです。悩みを話し出すと止まらなくなっちゃう(笑)」
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