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「怖いけど、ワクワクする」。<街>の生態に迫る「City Lives」で体験する、モキュメンタリーの醍醐味2023/01/17

「怖いけど、ワクワクする」。<街>の生態に迫る「City Lives」で体験する、モキュメンタリーの醍醐味

 「モキュメンタリー(mockumentary)」という言葉はご存じでしょうか。最近よく耳にするという方も多いかもしれません。モキュメンタリーとは「mock(まがいもの)」+「documentary(実録)」の造語で、ドキュメンタリーの手法を用いて、あたかも事実であるかのように表現されたフィクション作品や、その手法のことを指します。

 1月17日にスタートする深夜番組「City Lives」(フジテレビほか)は、「世界で一番大きい動物」として<街>の生態に迫る…という内容の新感覚モキュメンタリーSFドラマ。番組冒頭には髙嶋政宏さんが本人役で出演し、ナビゲーターを務める架空のドキュメンタリー番組「Lives」の放送が始まったことを示唆します。

「怖いけど、ワクワクする」。<街>の生態に迫る「City Lives」で体験する、モキュメンタリーの醍醐味

 アフリカの野生動物の姿を映し出したドキュメンタリー番組さながら、映し出されるのは<街>と呼ばれる世界最大の生き物の生態。呼吸する<街>、擬態する<街>…。唯一の“生きた人間”としてこのドキュメンタリー番組に登場する高城(広田亮平)は、<街>の保護と観察をする機関「都市型生物保護機構」の職員(保護官)という立ち位置です。<街>が呼吸している姿を前に、「生き物ですからね、ちゃんと息もしています」とそばでカメラを回しているドキュメンタリー番組のスタッフに語るあたりで、著者は一度背筋を伸ばしてしまいました。

 放送開始から11分ほどが過ぎたあたりで、再び緊張が訪れました。私が知る<街>では見たことのないものが、<街>に絡みついています。もしくは“発生”してしまったのか…? ただならぬ違和感を無視できないまま見進めていると、保護官の高城は「よりによってここか…」と苦々しい表情を見せるのです。

 それが何かを確かめようとする高城。1分後、それは“腫瘍”だと明かされるのですが、答えを知ることでますます深まる謎。「何を見ているんだっけ…」という混乱。しかし実はその混乱こそがトリガーとなり、そこから一段と映像に見入ってしまう…。自然災害が発生した時、人は「自然の脅威」という表現を用いることがあるかと思います。<街>に腫瘍ができてしまったため、それを取り除く保護官。その姿を捉えたドキュメンタリーは、“おぞましい”でしょうか。それとも“面白い”でしょうか。

 本企画を手掛けたのは、フジテレビ編成部の春名剛生氏、田中晋太郎氏。「『City Lives』は、本格的なVFX映像作品(VFX=実際に現実では目にすることのできない画面効果を演出させるために使われる視聴効果)を深夜ドラマという枠組みの中で見られること、<街>という世界最大の生き物が存在するという独特の世界観の中で斬新なモキュメンタリードラマ(フィクションをあたかも現実のドキュメンタリーであるかのように描く手法)に挑んでいるという二つの点において、画期的な作品です」と解説しています。

 さらに、見どころについて「針谷大吾監督、小林洋介監督には『文化庁メディア芸術祭』受賞作品『Viewers:1』の短編VFXモキュメンタリーとしてのクオリティーに感動し、ドラマ制作のオファーをさせていただきましたが、正直、限られた予算の中でここまで緻密なVFX映像が実現するということに驚いています。もちろん、主演のお二人と<街>が織り成すミステリアスでちょっと甘酸っぱいストーリーにも引き込まれること間違いありません。架空のドキュメンタリー番組のナビゲーター(本人役)として登場する髙嶋政宏さんの存在感にも注目です。そして、ある意味、人類の真理を衝いたともいえるラストにも乞うご期待です」とコメント。

「怖いけど、ワクワクする」。<街>の生態に迫る「City Lives」で体験する、モキュメンタリーの醍醐味

 「怖いけど、ワクワクする」。

 <街>に現れたあるものを見た保護官の高城は、目を光らせてこう言います。「City Lives」を見終わった時、高城と同じ思いを抱いているのは、筆者だけではないはずです。

【番組情報】

「City Lives」
1月17日スタート
フジテレビほか
火曜 深夜0:35~1:05

取材・文/宮下毬菜(フジテレビ担当)



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