北大路欣也「清左衛門は理想であり憧れの人物です」――「三屋清左衛門残日録　あの日の声」2022/12/31

　隠居した武士・三屋清左衛門がさまざまな事件に対峙（たいじ）する、藤沢周平原作の人気シリーズ「三屋清左衛門残日録」。第1作から主人公の三屋清左衛門を演じてきた北大路欣也が、最新第6作でも主演を務める。

　「清左衛門からは静かに生きる力強さを感じます。誇張した強さではなく、自らは『生かされている』ので、与えられた役割を全うしようとする強さ。反省をする謙虚さもあるし、小さなことを大切にする愛情もある。理想であり憧れの人物です」

　2023年1月14日に時代劇専門チャンネルで放送される第6作「三屋清左衛門残日録　あの日の声」では、己の矜持（きょうじ）をかけて正義を貫いた者に訪れた悲劇を目の当たりにした清左衛門が、事件解決に挑む姿を描く。

　「今回の物語は昨今の世界情勢とも通じる部分があります。今、世界中の人が、さまざまな理不尽に対して、許せないという怒りを抱いていると思います。清左衛門は自分のためではなく、世の中の正義を崩す人物は許せないという思いで、粘り強く事件を追いかけます。普段、僕らはなかなか不正義に対して行動することは難しいですが、立ち向かい続ける清左衛門の姿に、爽快感を抱いていただけるのではないでしょうか」

　「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ―」という清左衛門のセリフに勇気づけられる視聴者も多い。

　「今からすべてを諦めて終わるわけではなく、自分の理想はまだまだ先にある。終わったのではなく、次が始まったんだ。そんな謙虚でありながら、未来志向でエネルギッシュな清左衛門に、僕も頑張れるだけついていきたいです」