時代背景を巧みに絡ませた金融ゲームの新章「DEVILS～金融の悪魔～シーズン2」2022/11/24

　ロンドンの大手投資銀行で働く敏腕トレーダーが、駆け引きと裏切りにまみれた金融戦争に巻き込まれていく「DEVILS～金融の悪魔～」。実在のイタリア人株式トレーダー、グイド・マリア・ブレラが2008年のリーマンショックに着想を得て執筆したベストセラー小説を原作に、主人公・マッシモを取り巻く陰謀劇が繰り広げられたシーズン1から一転、銀行のCEOに就任したマッシモの、その後の物語がスリリングに展開していく。

　16年を背景に始まるシーズン2で、冒頭から物語に影を落とすのはイギリスのEU離脱問題、通称“ブレグジット”。EUから離脱すべきか残留すべきか、国民投票の結果に世界の注目が集まる中、金融界の状況も投票結果に振り回されていく。また、EU離脱に前後して深刻化したヘイトクライムも物語に大きく関わることに。ますます充満する不穏な空気に翻弄（ほんろう）されながら、マッシモはどんな運命をたどるのか。ドラマは原作小説を離れ、時代背景を巧みに絡めながら新たなステージへ。米・トランプ政権、中国の経済戦略、ビットコインの台頭、プライバシー問題、そして20年から始まるコロナ禍など、誰もが無関心ではいられないトピックが物語の鍵を握り、これまで以上にグローバルな内容へと突き進んでいく。

　シーズン1に続いて主人公のマッシモに扮（ふん）するのは、Netflixの人気ドラマ「SUBURRA －暗黒街－」などでも知られるイタリア人俳優のアレッサンドロ・ボルギ。そして、マッシモの能力を高く評価しながらも対立する元上司・ドミニクを、「グレイズ・アナトミー」のデレク・シェパード医師でおなじみ、パトリック・デンプシーが演じる。これまでも複雑な様相を呈してきたマッシモとドミニクの関係だが、共通の敵が出現することで互いへの感情にも変化が？　また、マッシモと深く関わるようになる部下のウー・ジー（リー・ジュン・リー）、ドミニクが目をかける数学の天才・ナディア（クララ・ロサヘル）ら、新キャラクターの存在も気になるところ。登場人物たちの思惑と思惑が交錯し合い、事態が一転二転していく中、熾烈（しれつ）な金融ゲームの果てに最後の勝利をつかむのは誰か。一瞬たりとも目が離せない、スリル満点の新章が始まる。

◆イケメン2人の関係の行方が見どころ！

　一番の見どころはやはり、マッシモとドミニクの関係の行方。ボルギとデンプシーがそれぞれの役に魅力をもたらし、元上司と部下であり、師匠と弟子であり、腹を探り合う敵同士でもある2人の関係に深みを与えている。英語作品初出演のボルギは薄いブルーの瞳に吸い込まれそうなイケメンで、映画賞にも縁が深い実力派。硬派な金融ドラマでありつつ、実はロマンティックな展開も多いマッシモだが、それも納得のキャラへとボルギが導いている。一方、デンプシーはラブコメディーでのチャーミングな雰囲気を潔く封印し、ミステリアスで食えない“イケオジ”オーラで物語を支配。そんな2人の対立図に、ワクワクする視聴者も多いはずだ。

◆CAST COMMENT

マッシモ・ルジェーロ「DEVILS～金融の悪魔～シーズン2」／海外ドラTVガイドWATCH

アレッサンドロ・ボルギ（マッシモ・ルジェーロ）

「このシリーズは現実と関係が深く、国際金融のダイナミックさと人の感情の変化を同時進行で描いているんだ。マッシモは銀行のCEOにまで上り詰めたが、その代償として2人の大切な人を失った。今回はそのCEO就任から4年後で、ドミニクは人生を立て直そうとしている。それには、一番弟子のマッシモのサポートが不可欠だと気付くんだよ。でも、マッシモは多くの難題を抱えていて、彼の胸中にはあらゆる感情が沸き起こるんだ。だから今回の演技はセリフにこだわり、それが何より大変だったよ。今作では多くの人間関係が交錯し、それぞれに彼がどう関わるかが描かれている。本編を見れば、何が起こるか分かるよ」

ドミニク・モーガン「DEVILS～金融の悪魔～シーズン2」／海外ドラTVガイドWATCH

パトリック・デンプシー（ドミニク・モーガン）　

「ドミニクは離婚して前に進み、新たな目的のため銀行を設立した。仕事の犠牲になって家族を失ったから、彼は非常に用心深くなっている。今作では自分の心と対話し、個人ではなく世界に目を向けている。哲学的な姿勢で世界がどうあるべきかを考えているんだ。前作よりずっと傷つきやすく、心の中の自分の感情と向き合い続けている。だからその分強くなり、どんな障害も克服できるんだ。対するマッシモは前作より強く、主導権を握る者が二転三転する。主導権を握っているのが誰か分からないのが面白いと思うよ」