ABC初冠番組から15年、かまいたちが「ナイトinナイト」で“流行語”を狙う!? ――「これ余談なんですけど・・・」独占インタビュー2022/11/23
2021年1月より半年間ABCテレビの火曜深夜に放送され、毎回SNSで大きな反響を呼んだかまいたちMCのトーク番組「これ余談なんですけど・・・」。レギュラー放送終了時には惜しむ声が多く上がりましたが、11月から同局の「ナイトinナイト」水曜枠に進出。毎週「これ余談なんですけど…」のひと言をきっかけに、ゲストとともにテーマとは全く関係のない、なんでもありの“余談トーク”を繰り広げていきます。
放送時間も1時間となった中、南海キャンディーズ・山里亮太さんや藤田ニコルさん、A.B.C-Z・河合郁人さんなど、これまで多くの豪華なゲストが続々と登場し、放送終了後も「今週も面白かった!」「こんな話があったとは」と反響が集まっています。
「ナイトinナイト」では初めてMCを務めるかまいたち。現在は「かまいガチ」(テレビ朝日系)や「超無敵クラス」(日本テレビ系)など多くの番組でMCを担当していますが、この「これ余談なんですけど・・・」にはどんな思いを持っているのか。TVガイドwebでは山内健司さん、濱家隆一さんを再び直撃し、ABC初冠番組から15年がたった今、2人が思うMCとしての変化やお互いの“余談力”について伺いました。さらに、番組での野望についても!?
――収録お疲れさまでした! 番組がパワーアップしてから放送時間も拡大してトークも盛り上がっていると思うのですが、体感としてはいかがでしょうか?
濱家 「単純に楽しいという感じでしたね。やっぱりみんなすごいパワーやから、こっちもパワーで押し返すという、すごく楽しい回でしたよ」
山内 「もうほんと、時間がたつのがめちゃくちゃ早い」
濱家 「早かったな〜」
山内 「みんなの聞いたことない話とかがどんどん出てくるんで、ほんと時間が足らないです」
――初回放送後、周りからの反響は何かありましたか?
濱家 「SNSで『すごい面白かった!』っていう反応はいただきました。結構『復活を待ってました!』という方が多くて、今日の収録もそうなんですけど、“ストロングトーク番組”みたいなのってなかなかないんで、そういう反響はうれしいなって」
山内 「トーク番組ですけどスピード感があって、実はほかにはない感じだなと思っています」
――確かに今の「ナイトinナイト」の中では、トークで丸1時間という番組は新しい形ですね。
濱家 「そうですね。なんというか、トーク番組というより楽屋トークを盗み見にしてる感はたぶんあると思いますね。ふざけ合っているだけというか(笑)」
――さまざまな番組でMCをされていますが、この番組の特徴や現場で意識していることは何かありますか?
濱家 「普段は、『MCなんで、話をこうせなあかん』とか思うんですけど、この番組に関してはあまりそれもなく、全員がしゃべりたいことをしゃべっているっていうだけ。僕の役割は『次のトピックスいきましょうか』っていうぐらいなんで、みんなでトーク楽しんでいるっていう感じがしますね。MCしているという感じがしないというか」
山内 「話し始めた人が、最後絶対にウケないといけないっていうことじゃないからな」
濱家 「あー、確かにな。それは助かりますね」
山内 「みんなでその話を聞いて、『あ、そういえばこれ余談なんですけど』って話す番組なので、みんなも話しやすいし、聞いていても聞きやすいというか」
濱家 「キメキメじゃないな」
――変に構えたりしなくてもよさそうですよね。
山内 「そうそう。『仕上げた話をしてください』っていうことじゃないんですよ」
濱家 「ゲストの方は『あー、この余談あったかな?』みたいに考える時間って、『やばい、間が空いてる…』と思うかもしれないですけど、僕らとしては全然たっぷり使ってもらって、思い出したらいこうぐらいの感じでね。ゲストの方にもゆっくり楽しんでもらったらなと思います」
――今回初めて「ナイトinナイト」枠でMCを務めることになります。あらためて、お二人にとってこの枠がどういう存在か教えてください。
濱家 「ABCテレビの頂点。そういう感覚はありますね。ずっと面白いことをやっていらっしゃるイメージがある」
山内 「関西のテレビの基本軸になっているというか、ほかの局でも“『ナイトinナイト』の時間やわ”となったりするんで、みんなが認識している強い番組が集まっている時間帯だなと思います」
――「ナイトinナイト」枠の番組を通じてお笑いが好きになる方もいると思うのですが、お二人も影響を受けた部分はありますか?
山内 「そうですね。多大なる影響を与えている枠だとあらためて思います」
濱家 「もちろん、このラインアップでやっている人は皆さん憧れの人ばかりなので、それはあるかもしれないです。それこそ、この前までやってた『今ちゃんの「実は・・・」』もそうですし、今やってらっしゃる皆さんもそうですけど、振り返ればいろんな番組がやっていて、『うわ、この番組出たいな』ってずっと思ってたので、影響はめっちゃ受けていると思います」
――ABCテレビでの初冠番組「てっぱん芸人!?鎌鼬!!」からちょうど15年。そこから変化したところはありますか?
濱家 「えーと…痩せました。めちゃくちゃ痩せたと思います(笑)」
――(山内さん、スタッフ一同爆笑)。
――(笑)。トークの部分では何かありますか?
濱家 「トークはですね、もちろん15年前と比べたら、ある程度はマシにはなっていると思うんですけど(笑)…どうなんですかね?(と山内さんの方を見る)」
山内 「15年前なんて、何もしゃべれなかった(笑)」
濱家 「『てっぱん芸人!?鎌鼬!!』なんて何もしてないで(笑)」
山内 「ははは! 先輩方に出ていただいて成り立っていた番組ですし、時間たたないとしゃべれないですね」
濱家 「オチもなかったですからね、当時は」
山内 「オチという概念が分からなかった(笑)。オチてると思っているところが始まりやったりしてね」
濱家 「そうそう(笑)。『この間、こうでこうやったんですよ〜』って言って、もうこっちはオチしゃべり終わってんのに、先輩が『おぉ! ほんでほんで!?』みたいな。『あ、これオチと認識してもらっていない…』ってなっていたのが当時でしたから」
――ちょっとズレみたいなものも?
山内 「そうですね、でもみんなそこから始まるんじゃないかな?」
濱家 「うん、そうやと思う」
――番組ではゲストの方と余談を展開していきますが、“余談力”がすごい方はいますか?
濱家 「それこそゲストで来ていただいたFUJIWARAさんも、どんな話題でも『いや〜そうやな。それやったらな』みたいに出てくるので、すごいですね」
山内 「みんなすごい。1回目に出ていただいた山里さんも、余談の数はたぶんえげつないと思います。でも、意外に普段あまりトークしてるイメージがない人でも、余談はすごく持っていたりっていうのがあるので、そこが逆に聞いてみたくなったり、楽しみなところではありますね」
――では、お互いの余談力についてはどうでしょう?
濱家 「それこそこの番組のタイトルも、山内が『余談なんですけど』って僕の余談を話した経緯があるからなんですけど、嫌なとこを見てますね。だから、僕への余談の数は多いと思います(笑)。『こいつ今度これ言ったろ』的な、俺の余談を探している感じはあります」
山内 「やっぱり『余談』の原点は濱家の余談なんで。始めてよかったなと思います。おかげさまで『ナイトinナイト』にまでなりました(笑)」
――最後に、今後の番組での野望を教えてください。
濱家 「それこそあれじゃない? もう1回あらためて『これ余談なんですけど』っていうのをちゃんと言っていって、流行語になればいいんじゃないかなって」
山内 「あぁ、流行語はすごいね。それはもう間違いない」
濱家 「『余談ですけど』って言って、その後しょうもないこと言うみたいな流れがね、中高生にはやってくれれば」
山内 「あとは、帯『ナイトinナイト』。狙いたいですね」
濱家 「そんなのないねん(笑)。あれ11:17からしかやってないのよ。ほんまに『ナイトinナイト』知っとる?」
山内 「いやぁ、そこは狙っていきたい」
濱家 「帯『ナイトinナイト』で余談なんかやったら、もうトークが何にもなくなるわ!」
これ取材後記なんですけど・・・
収録直後に行われた今回のインタビュー。短い時間ながら記者からの質問一つ一つに真摯(しんし)に答えてくださり、お互いの答えには深くうなずきながら耳を傾けている姿勢がとても印象的でした。熱い話を語ってくださる一方で、山内さんの答えに濱家さんがすかさずツッコむなど、笑いがあふれる場面も。インタビューは終始和気あいあいとした雰囲気となりました。
【プロフィール】
かまいたち
2004年にコンビを結成。07年に「第28回ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞を受賞し、12年に「第33回ABCお笑いグランプリ」で優勝、17年に「キングオブコント」優勝、19年の「M-1グランプリ」で第2位に。現在は「かまいたちの机上の空論域」(関西テレビ)、「千鳥かまいたちアワー」(日本テレビ系)などでMCを務めている。
山内健司(やまうち けんじ)
1981年1月17日生まれ。鳥取県出身。2003年にNSC大阪校に26期生として入学。現在は「川島・山内のマンガ沼」(読売テレビ)に出演中。
濱家隆一(はまいえ りゅういち)
1983年11月6日生まれ。大阪府出身。2003年にNSC大阪校に26期生として入学。現在は「Venue101」(NHK総合)、「防犯カメラが捉えた!衝撃コント映像」(ABCテレビ)に出演中。
【番組情報】
「これ余談なんですけど・・・」
ABCテレビ
水曜 午後11:17〜深夜0:17 ※11月23日は午後11:22〜深夜0:22
※地上波放送終了後、TVer・GYAO!にて見逃し配信あり。
取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/蓮尾美智子
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