YU「谷川がふと見せる温かみのある表情を大事に演じたい」 ――「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」インタビュー2022/10/15
10月8日からスタートした土曜ドラマ「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」(日本テレビ系)。現役医師の知念実希人による小説「祈りのカルテ」シリーズを玉森裕太主演でドラマ化したことで話題の本作は、“人の顔色と空気を読むこと”が得意な研修医・諏訪野良太(玉森)が、カルテから患者が抱える秘密とうそを優しく見破っていく医療ミステリー。
そんな諏訪野の研修医仲間で、上昇志向が強くプライドも高い研修医・谷川聖人を演じているのが、本作が日本のドラマ初出演となるYU。高校までを日本で過ごし、大学進学を機に台湾に移住。初めて主演を務めた人気シリーズ「We Best Love 永遠の1位/2位の反撃」(2021年)が台湾のみならず、日本をはじめとしたアジア各国で話題となり、一躍アジアスターの仲間入りを果たした。
自身を「人見知り」だと言うYU。その言葉の通り少し気恥ずかしそうに、演じている谷川聖人の役づくりから日本ドラマ初出演で感じたこと、そしてもう一つ自身を表現する場となっているという音楽活動などについて語ってくれた。
――本作が日本のドラマ初出演となります。「目標にしていたことの一つ」とおっしゃっていましたが、あらためてドラマが決まった時の心境をお伺いできますか?
「目標と言いながらもコロナ禍でここ1年はずっと日本で活動できなかったので、素直にうれしいというのはもちろんですが、僕からしたらまだ現実味がないと言いますか。でも『ちゃんとやらないとな』『頑張らないとな』という思いでいっぱいです」
――今回は研修医の役なので難しいセリフも多いと思うのですが、演じる上で難しいところや役作りで苦労されているところはありますか?
「そうですね。いろいろと調べていくうちに、役作りをするうえで難しいものが難しくなくなったりしたので、そこまで大変だなと思うことはなかったです」
――逆に役作りで楽しい部分はありますか?
「役を考えて、勉強のために何か資料を見ているだけでも本当に楽しいなと思います。医療は全く違う世界ですし、こういう機会でもないと触れることはないと思います。だから特に楽しいです」
――序盤では谷川の人となりがあまり描かれていませんが、YUさんの中で想像して作り上げている谷川の人物像はどのようなものでしょうか?
「向上意識が強くて、育ちが良く、しっかり自分を持っている人。そういう人って人を寄せ付けないような雰囲気があると思いますが、その中でギャップというか、たまに見せる人間らしいしぐさが谷川の一番の魅力だなと思っています。研修医の仲間には見せない表情が患者さんの前で垣間見えたり、そういった人間性も魅力なのかなと思っているので、ちゃんと考えて演じるようにしています。たまに出てくるおちゃめや天然にも取れるところが、この役の一番すてきなところだなと思っています」
――以前、「谷川と自分に通じる部分がある」とおっしゃっていましたが、どのような部分が似ていると感じていますか?
「周りに与えている印象が似てそうだなと。僕も最初はだいぶとっつきにくいタイプの人間だと思います。今は取材なので話せていますけど(笑)、普段はあんまり人を寄せ付けない雰囲気があるのかなと…」
――それは人見知りがちょっと出てしまっている感じですか?
「そういう感じですね(笑)」
――台湾と日本の現場で、ドラマの作り方で違う部分はありますか?
「僕も今回現場に入る前に何か違うのかな?と思っていたのですが、やっぱり“ドラマ作り”という点でそんなに変わらないですね。空気感も意外と同じ印象でした。偏見かもしれないのですが、日本はピリッと緊張感がある印象だったのですが、意外とそうではなくて。もの作りに集中する姿勢は全く変わらないですね」
――玉森さん演じる諏訪野良太、池田エライザさん演じる曽根田みどり、矢本悠馬さん演じる冴木裕也、濱津隆之さん演じる牧村康雄、堀未央奈さん演じる橘麻友、そしてYUさんの演じる谷川聖人と研修医6人は個性豊かですよね。その中での立ち位置やバランスなどは考えていらっしゃいますか?
「ほかの方もキャラクターに個性があるので、だからこそ差別化というか、区別をつける必要はないのかなと思っています。みんな本当に面白い役なので」
――まだ撮影は始まったばかり(※取材時)だと思いますが、現場で共演者の方々とお話されましたか?
「まだ二言、三言をあいづちみたいに話しただけなので、これから皆さんともっとお話しできたらという感じです。玉森さんとはまだお会いできていないんですけど、昔バラエティー番組で見ていて、楽しいすてきな人なんだろうなという印象ですね」
――台湾ではワークショップをして現場でキャラクターを作り上げていくことが多いと思うのですが、今回はどのように役作りされましたか?
「台本を読み込むっていうよりは、一度全体をさらっと読んで、ストーリーの中で僕が出てくる点を自分なりに作っていって、その点をすごく深く考えるということをやっています。点は例えば、僕が出てくる場面だったりするのですが、その点と点の間の流れやバックストーリー、『何でこういうセリフを言うのかな?』『なんでこのタイミングなのかな?』と自分の中でいろいろと考えて、点をつなげていくイメージです」
――谷川の役柄について、監督からはどんなオーダーがありましたか? また、YUさんから提案されたことはありましたか?
「割とそこは僕の想像していたものに近い印象でした。やっぱりツンとしながらも人間味のある、かわいらしいという表現はちょっと違うかもしれないですけど、普段ツンツンしてる人がたまに見せる優しいしぐさやふと見せる素顔って特別というか、なんか魅力的じゃないですか。そういうところを大事にできたらいいよねと監督もおっしゃっていましたし、機械的ではない温かみのある人間らしさを大事にしたいなと思っています」
――そうした一面も見せつつ、研修医たちも諏訪野に影響を受けながら成長していくのかなと想像していますが…。
「研修医の成長ストーリーでもあるので、もちろん谷川も変わっていくタイミングがあると思います。そういうものもしっかり考えて演じられたらなと思います」
――通して見る視聴者の方はそういった変化の部分もお楽しみに、ですね。
「そうですね。お楽しみに…どんな感じになるのかな。それもこれからですね(笑)」
――YUさんは役に入り込みすぎて、その撮影期間中ずっとその役から抜け出せないタイプですか? それともカットの声で切り替えられるタイプでしょうか?
「どちらなんでしょう(悩む)。シーンと時と場合によります。やっぱり大事なシーンをやったら抜け出せない時もありますし、さらっとしたシーンをやったら…どっちなんでしょうね? ふふ、すみません。質問で返してしまって」
――では、少しドラマの話から離れて、今年の夏で日本デビュー1周年となりますね。日本でデビューが決まった時の日本での人気をどのように感じていましたか?
「8月にファンミーティングをする前は、正直ファンの方は本当にいるのかなと思っていました。やっぱり目に見えないと分からないところもあるじゃないですか。今回ファンミーティングをやらせていただいて、『本当にいるんだな』といううれしさと安心と…いろんなことを感じましたね」
――ファンミーティングで実際に日本のファンに触れて、日本と台湾のファンで違うなと感じたことはありましたか?
「僕も何か違うのかなと想像していたのですが、意外と…という言い方はちょっとおかしいんですけど、『変わらない』というのが日本に来て思ったことですね。日本の方って冷静で静かなイメージがあったんですけど、実際にお会いして、皆さん温かいなという印象が強かったです」
――俳優活動の一方で、音楽活動もされています。“表現する”という点では通じる部分もありそうですが、それぞれの活動をどういうふうに捉えていらっしゃいますか?
「お互い相乗効果でうまくできているので、どちらがどっちかっていうものは僕の中ではないですね。だけど、とりあえず並行してやっていきたいというのと、どちらにもいい影響を与えたいなとは思います。お芝居をしている時はほかの仕事にもいい影響が与えられればと思っていますし、歌詞を書いている時も、その感情はお芝居に生かしたいと考えているので、それもまた一つの楽しみかもしれないですね」
――それぞれの活動で「自分のこういう一面を見せたい」という思いはありますか?
「音楽とお芝居の仕事で一番違うのが、音楽は1人で、映像関係の仕事はたくさんの人が関わって一つの作品が生まれてくるというところですよね。やっぱり見たら分かると思うのですが、それぞれでたぶん違うんですよね、顔が。音楽の僕は“僕”なので。もちろんこっち(演技)の僕も僕なんですけど、やっぱりどうしても役を演じているので…。音楽は素の僕をさらけ出しているわけじゃないですか。演技じゃない僕を見られるのが音楽の僕の顔なので、本当に違うものを感じてほしいですし、そうあるべきだと思っています。だからいろんな顔を見てほしいなって、皆さんにそういうのが伝わったらうれしいですよね。そう思っていただけるように頑張っています」
――ミュージシャンと俳優という意味では、主演の玉森さんともお話が合う部分があるかもしれないですね。
「もちろんそういったお話もしてみたいです。皆さんとお話してみたい。どんな話ができるのかなというのも楽しみの一つです。でもすごい人見知りなので、しっかり話せるかなって…」
――(笑)。では最後に、今後演じてみたい役や目標はありますか?
「ロールモデルはあんまり人には言ってないんですけど、今はただ本当にとりあえず経験を積みたいというのが正直な意見です。『何かやりたい』ではなく、『何でもやりたい』」
――ありがとうございました!
【プロフィール】
YU(ゆー)
1995年1月3日生まれ。愛知県出身。高校までを日本で過ごし、主演を務めた台湾のドラマ「We Best Love 永遠の1位」「We Best Love 2位の反撃」で俳優デビュー。挿入歌も担当する。2021年8月から日本で活動を開始。今年8月5日には日本デビュー1周年を記念し、自身が作詞した日本で初めてのオリジナル楽曲「心鏡」をリリースした。
【番組情報】
「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」
日本テレビ系
土曜 午後10:00〜10:54
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【締切】2022年11月11日(金)正午
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取材・文/K・T(日本テレビ担当) 撮影/為広麻里
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