RHYMESTER・Mummy-Dが“お芝居童貞”を捨てた瞬間を振り返る「光石研さんは恩人」 社長役でドラマ出演「死にたい夜にかぎって」インタビュー【前編】2020/03/01
お芝居の仕事の後は「自分の不甲斐なさに二晩くらい落ち込む」
──RHYMESTERのオフィシャルブログで「毎回謎のタイミングで有難いことにお芝居のお仕事をいただけるのだが、今回も『添え物』だとしても作品に貢献できるのか不安」と心境を綴っていらっしゃいましたが、これだけお芝居のお仕事を重ねる中で「こういう役をやってみたい」「この方と共演してみたい」といった、演技に対する欲はありますか?
「そうですねー…。撮影後は、毎回自分の不甲斐なさに二晩くらい落ち込むんですよ。『わー、イケてね~…』って。でもちょっと時間が経つと、やっぱりもう1回やってみたいなって思う。やってみたいのはコメディー。今回はちょっとそういう要素も入っていて、若手のみんなと絡んでいろいろやったりしてるんだけど、それがすごく面白くて。意外と笑える役みたいなのはやったことがないのと、自分なりに『こうやればいいんじゃないか』っていうのが湧きやすいから、面白いおじさんの役とかやりたいなーって」
──ドラマの現場は楽しいですか?
「楽しい半分…。あとはもう、恐怖半分。初日は特にね」
──それは自分の演技に対して、期待に応えることができるか不安、という思いですか?
「それはちょっと考えすぎかもしれないけどね。俺にそんな、プロの役者さんのテクニック的なものは求められてないと思うから。でもね本当に、ラッパーのくせにセリフが全然覚えられないんだよ。すぐかむし。だから本当に緊張しますね」
──セリフはどのようにして覚えていますか?
「まだ確立できてないなー。ジムに行って、バイクを漕ぎながらブツブツ言ってたりが多いですね。今回はそんなに長いセリフがなかったから楽だったけど、長ゼリフがある時は何かやりながらずーっとブツブツ言ってる危ない人ですよ(笑)。電車とかでもやっちゃうし」
──この後、ラッパー役の皆さんはフリースタイルのシーンを撮られるそうですが、ラップに関して出演者の方に何かアドバイスはされましたか?
「今回はね、俺の代わりにTARO SOULっていうラッパーがラップ指導で入ってるの。だから実は、俺は全然指導してなくて。好きなようにやってもらってます(笑)」
──Mummy-Dさんが演じる「社長」という役も、口数は多くなく、見守るタイプの社長ですよね。
「そうね~。でもさ、なんつーの? その人らしけりゃいい、みたいな。もし『どうやってラップしたらいいですか?』って聞かれても、こうしろ、こうしろって言わないタイプだと思うから。役者さんってだいたいちゃんとキメるんだよ、どんなことでも。今日撮ったシーンもさ、全然知らなかったもん(笑)。好きなようにやっていただけたら」
【後編】では20代の頃を振り返っての思いや、結成31年を迎えたRHYMESTERの2020年の展望を伺いました。
【プロフィール】
Mummy-D(マミーディー)
1970年4月14日生まれ。神奈川県出身。おひつじ座。宇多丸、Mummy-D、DJ JINからなるHIP HOPグループ・RHYMESTERのラッパー。SUPER BUTTER DOGのギタリスト・竹内朋康とのユニット・マボロシとしても活動。89年、大学在学中にRHYMESTERを結成し、93年にアルバム「俺に言わせりゃ」でインディーズデビュー。19年には結成30年を迎え、30周年記念シングル「待ってろ今から本気出す」「予定は未定で。」、岡村靖幸との共作「マクガフィン」、12年ぶりの「裏」ベスト「ベストバウト2 RHYMESTER Featuring Works 2006–2018」などさまざまな記念リリースや、47都道府県48公演の記念ツアー「KING OF STAGE VOL.14」などの企画を成功させた。RHYMESTERとして意欲的に活動する一方、映画、ドラマ、CM、ナレーションなど、多方面で活躍中。
【番組情報】
MBS/TBSドラマイズム「死にたい夜にかぎって」
MBS 日曜 深夜0:50~1:20
TBS 火曜 深夜1:28~1:58
※放送時間は変更の場合あり
<配信情報>TBS放送終了後からTSUTAYAプレミアムで見放題独占配信。TVer、MBS動画イズムで見逃し配信予定。
取材・文・撮影/宮下毬菜(TBS・MBS担当)
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