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「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは2022/09/30

「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは

 ABCテレビで2021年1月期に放送された「ミヤコが京都にやって来た!」。秋から冬へと季節が移り変わる京都を舞台に、少し不器用な父・柿木空吉(佐々木蔵之介)とその娘・京(ミヤコ/藤野涼子)の2人の共同生活を描いた人情ドラマは、その映像美が話題となり、同年の「東京ドラマアウォード2021」ローカル・ドラマ賞を受賞しました。

 そして、その続編となる「ミヤコが京都にやって来た!〜ふたりの夏〜」が、いよいよ本日9月30日から3夜連続で放送。夏の京都を舞台に、空吉とミヤコ、それぞれの恋が描かれます。

 昨日の松本若菜さんのインタビュー(https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1788165/)に続き、本日は主演の佐々木蔵之介さんのインタビューをお届けします。「ミヤコが京都にやって来た!」ができるまでの制作秘話から炎天下の中での撮影の裏話、そして地元・京都への思いとその魅力をたっぷりと伺いました。 

「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは

――今回の続編では“夏の京都”が舞台となりますが、決まった時にはどのようなことを感じられていましたか? 

「1作目はちょうどコロナで国内からも海外からも観光客が京都にあまり来られない時で。僕たちも撮影がなかった頃に『なんかしよう』って言って、うちの事務所が企画して始めたんです。みんながこれを見て『元に戻ったら京都に行きたい』と思えるような京都の街の情報を入れたり、藤野涼子ちゃんに英語でしゃべってもらったり、海外にも発信できるように作ろうと。だから、京都の観光地もあれば、京都出身の僕も知らなかった隠れた名所もあったんです。そうしたら、僕らの期待以上にお客様も楽しんでくださって、光栄なことに賞もいただけて。それで『続編をやろう』となって、京都に生まれ育った人間としては『またここでできるのか』とすごくうれしかったです。今回は夏だったのですが、祇園祭や五山の送り火、貴船の川床などこれぞ“京都の夏”を撮れたかなと思ってます」 

――今回共演される松本さんに「炎天下の撮影で、ものすごく大変だった」というお話を伺いました。 

「京都の夏は暑い。分かっていたんですけど、『ここまで暑かったっけ?』となりましたね。 松本さんも、鴨川で午前中ずっと撮影とかもあったから、きっと暑かったんだろうと思います」 

「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは

――実は松本さんから、外での撮影の後に佐々木さんがクーラーの前にずっと立っていたというお話も伺いまして…(笑)。 

「おお、そうだったんですね(笑)。前回は父と娘が12年ぶりに出会って、その空白をどう取り戻すのかという父と娘の話で、娘が国際ロマンス詐欺に合ったり何かと心配をしていたんですけど、今回は父と娘の物語に松本さん演じる佐知子とちょっとした大人の恋みたいなエピソードが入ってきて。娘はそれに対して心配したりして…」 

――前回見えなかった空吉の一面みたいなものもあるのかなと思うのですが演じていて新しい発見はありましたか? 

「佐知子さんにそんなふうに思われていたんだっていうのは意外でしたね。空吉もびっくりしてますよ。松本さんとの撮影は、前回は鴨川でのちょっとのシーンだけだったので、今回はご一緒する期間、時間、密度も多くてすごく面白かったです。皆さん『松本劇場』でご存知だとは思うんですけど、とても気さくな方で。僕がエアコンの前に立ってるのも、なんというか、亡霊のように見てくださってました(笑)」 

――撮影の合間にどこか京都の名店などには行かれましたか? 

「前よりは緩和されましたが、皆で一緒に食事っていうのはなかなかできなかったんです。ただ、泊まってたホテルが地元なので、親子丼の店や南インドカレー、フルーツサンドなど僕の知っているお店をお伝えしたら、全部メモして『次、京都での撮影の時は!』とおっしゃていました(笑)」 

「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは

――佐知子との恋模様が注目される一方で、娘のミヤコを演じる藤野さんとの共演はいかがでしたか? 

「役柄的には髪の毛を前回は緑、今回は金髪に染めているんですけど、本人は至って真面目で、一生懸命に芝居を考えてくる子で、いつも芝居と真摯(しんし)に向き合ってるなと思っています。『どうやったらいいか?』といった芝居の質問も僕にしてくるんです」 

――かなり芝居に対して貪欲な方なんですね。 

「そうなんですよ、でもそんなに答えられないです(笑)。しっかり真面目に聞くものだから、こちらも真面目に答えるしかないんですよ(笑)」 

――逆に、演技する上での信頼関係みたいなものも固まってきたのではないでしょうか? 

「そうですね、彼女のデビュー作の映画『ソロモンの偽証』(2015年)で父親を演じていますし、NHKの正月ドラマ『家康、江戸を建てる』(19年)でも父親役、今回もまた父親役。父と娘はお互いそろそろベテランの域に達したかと?(笑)」 

――そうだったんですね。作品ではミヤコを心配しながらも温かく見守る空吉ですが、共感できるところもありますか? 

「前回は僕が気になって『どうすんねや』と思っていたけど、今回は娘から『お父さん、ちょっと大丈夫なの? それでいいの? しっかりしなさい!』と思われていて、それはそれで楽しかったです。父と娘それぞれの立場で相手のことを思いやっているので、最終的に家族がお互いに分かり合えるようなお話になってると思いますね」 

「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは

――夏の京都を描きますが、幼少期はどのように過ごされていたのでしょうか? 

「今回のドラマでは祇園祭が冒頭で出てくるんですけど、最初に台本が上がった時に『今年は祇園祭どうなんだろう?』って話していたんです。でも、3年ぶりの山鉾巡行も決定し、無事に今年の祇園祭の映像が撮影できて京都人としてうれしかったです。祇園祭から僕たちの夏は始まるみたいな、『やった! 祇園祭が来た!』という感じで子どもにとっての夏休みが始まるんですよね。宵々々山、宵々山、宵山、巡行ってあるんですけど、この宵山は普段は交通量の多い四条通りや河原町通りが歩行者天国になって露店も出て、そこをみんなで歩くのが楽しくて。その翌日の巡行は遊び疲れてほとんど見れないんですけど、それが終わると夏休み。地蔵盆があったり五山の送り火があったり、子どもの頃、夏が一番楽しかったですね。実家が造り酒屋で冬場がすごく忙しいんですけど、夏は父とアユ釣りに行って、釣ってきたアユをみんなで食べたりして、そういう楽しみもありました」 

――そんな中で、京都出身ではない人に魅力を伝えるとしたらどんなことを伝えたいですか? 

「京都の夏の風物詩に鴨川の川床が挙げられますが、貴船にも床があるんですよ。貴船川の上に床が敷いてあるんですけど、そこはなかなか行かれる方が少ない。ひんやりして涼しくて、自然いっぱいですごく気持ちがいいです。川の冷たい水で冷やしたビールなんかも最高です(笑)。それからドラマにも登場しますが、貴船神社には水の神様にちなみ、水に浮かべると文字が浮かび上がってくる『水占みくじ』というのがあって、楽しめると思いますよ。今回早朝ロケでお邪魔することが多かったんですけど、朝の空気は澄んで気持ちがよくて。朝ご飯をやってらっしゃるお店もあるので朝から訪れてもいいですし、もちろん昼の床でおいしい食事とお酒を楽しむのもいいと思います。お薦めです」 

「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは

――話を聞いているだけで京都に行きたくなりました! そういった京都の魅力はいつ頃気づかれたのでしょうか? 

「子どもの頃はあまり意識してなかったんです。役者の仕事で上京してから、京都の良さをだんだん感じるようになりました」 

――大人になっていくにつれてだんだんと感じていったんですね。 

「そうですね。子どもの頃は当たり前のように暮らしている町で、京都の魅力について深く考えたこともなかったんです。でも仕事で上京してから、ありがたさを感じるようになりました。京都は老舗もあれば最新のモノまで新旧含めた楽しい街だと思います」 

――作中では全編京都弁ですが、そういった点では素の状態で臨めたのでしょうか? 

「普段は標準語のセリフが多いのですが、このドラマに関しては慣れ親しんだ京都の言葉。割とフラットに柿木空吉という役に入っていけました。ロケ先でも『同じ小学校です』とか声かけてもらえることもあったり、土地勘があるので、ホームに帰ってきた!という感じです。自分の生まれ育った故郷で、言葉で、お芝居をし、その続編までさせていただけること、とてもありがたく思っております。先日、京都観光大使を任命いただいたので、俳優としての立場で京都を発信できたらなと思っています」 

「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは

――最後に、あらためてドラマの注目ポイントを教えてください。 

「もう秋になりますが、少し思い返す、あの暑い夏の京都が満載です。前回の視聴者の方にもよく言っていただいたんですけど、このドラマを見て『あ、京都行きたい』と思ってもらえたら一番うれしいし、きっとそのように思っていただけるドラマになっていると思います」 

「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは
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【プロフィール】 

「新旧含めた楽しい街だと思います」――「ミヤコが京都にやって来た!」佐々木蔵之介が伝えたい“故郷・京都”の魅力とは

佐々木蔵之介(ささき くらのすけ) 
1968年生まれ。京都府出身。O型。90年、劇団惑星ピスタチオの旗揚げ公演「ファントム OF W」に出演以降、98年に退団するまで全公演に参加。最近の主な出演作としてNHK大河ドラマ「麒麟がくる」、「IP〜サイバー捜査班〜」「和田家の男たち」(ともにテレビ朝日系)、映画「嘘八百 京町ロワイヤル」(20年)、「科捜研の女-劇場版-」(21年)、「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」(22年)など。11月23日〜12月11日に上演する舞台「守銭奴-ザ・マネー・クレイジー-」、23年公開の映画「嘘八百 なにわ夢の陣」「シャイロックの子供たち」への出演が控えている。 

【番組情報】 

「ミヤコが京都にやって来た!〜ふたりの夏〜」 
ABCテレビ 
第1夜 9月30日(金) 深夜0:24〜0:54 
第2夜 10月1日(土) 深夜0:05〜0:35 
第3夜 10月2日(日) 深夜0:25〜0:55 
※放送終了後、TVer、GYAO!で見逃し配信あり 

【プレゼント】

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取材・文/平川秋胡(ABCテレビ担当) 撮影/尾崎篤志 



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