【独占インタビュー】「日本エコー遺産紀行」第3弾、京都の歴史的な建物に響き渡るゴスペラーズの歌声に酔いしれる!2022/09/23
NHK BS8Kで9月25日に放送される「22.2chで楽しむ 日本エコー遺産紀行 ゴスペラーズの響歌~京都の響き」。番組では、“独特な響き”のする場所を訪れたゴスペラーズが、響きの違いを楽しみながらアカペラを披露し、その場所を「エコー遺産」に認定。さらに、22.2chサラウンドの高音質により、まるでその場にいるかのような臨場感で彼らの歌声を味わうことができます。
歴史的な建物が多い京都に潜む“独特な響き”にスポットを当てる第3弾の放送を前に、ゴスペラーズの皆さんに撮影の感想やエピソードをお聞きしました。
――完成した番組を見た感想を教えてください。
安岡優 「今回も本当に美しい映像とどこまでもリアルなサウンドで、京都という街の美しさと場所ごとに違う響きをリアルに届けてくださって、一視聴者としても楽しませていただきました」
黒沢薫 「自分たちの歌声を聞くと、黙っていても声帯が反応してしまうんですけど、第3弾はあまりにも臨場感がすごいので、見ているだけで声帯が疲れてきました。後日見ても反応しちゃうぐらい臨場感があり、われわれの生の歌声をちゃんと閉じ込めてくださっていることを感じております」
村上てつや 「8Kの素晴らしいクオリティーの映像をさらに深く感じることができる、ありがたい時間だなと思っています。その映像にわれわれの歌声をつけてくださったことに、大きな喜びを感じております」
酒井雄二 「ロケの時にはどのような響きになっているか分からなかったポイントがいくつもありました。琵琶湖疏水のトンネルの入り口に置いたマイクに歌声がどのように収録されたかなどを、今回の試写で答え合わせをしました。そのほかに東寺の仏像の後ろ側で歌った時はどう聞こえていたのかを確認しながら、『あの時は大変だった』と思い出していました」
北山陽一 「響きそのものや音の変化に対するメンバーの反応を映像で確認し、『こんな反応をしていたんだ』と初めて知りました。琵琶湖疏水のトンネルでは、1人残ってやった収録がこんな感じで使われているんだっていう驚きもありました」
――今回収録した場所について、感じたことをお聞かせください。
安岡 「僕はお寺でやりたいと言ったんです。実際に東寺で歌ってみると、あれだけの大きな空間なので、歌いづらいかなと思っていたのですが、その予想が外れてものすごくマイルドで優しい響きだと感じました。想像とは全然違いました」
黒沢 「(東寺の)仏像の背中を見ながら歌うってことはなかなかできない経験なので、ありがたいことをさせてもらったなと感じています。番組中の仏像の光背に対して感じた響きにコメントしましたが、本当に合っているか不安でしたが、科学的にも合っていて本当に良かったなと。琵琶湖疏水の収録はずっとハモっていたいという響きで、歌い手として本当に気持ちのいい環境でした」
村上 「面白い独特の響きの場所に行って歌うのが番組のコンセプトですが、はっきり言えば、全部の場所が歌いやすいわけでもないんですよ。ただ、それぞれの場所にいろいろな人の営みがある。そういう場所で響かせることがすごく意味があることだと考えていて、世の中の在りようを感じながら歌う楽しさを毎回かみしめています」
酒井 「今回の京都編では雨が降っていました。ギタリストやバイオリニストが湿気のことを言うように、木造建築にも湿気が関係していると思うので、晴れてカラっとしたドライの時の響きを収録したかったです」
北山 「最初に“響歌”というコンセプトが決まった時、僕の中では宗教的な建物は除外していました。もともと、歌や声を響かせることを前提に作られているはずなので、いい響きに決まっているだろうと思っていたので。でも今回、お寺でやってみて、建築した当時に計測技術があるわけもなく、建物の中の歴史やストーリーを含め、なぜこの音になったのかという経緯を聞いて、歌っている側の身として、蓄積された歴史と響きが絡み合っていったのかなって感じました」
――今回も皆さんの魅力があふれる回でしたが、あらためていかがでしたか。
安岡 「僕らが同じ曲を歌っても、歌う空間が変わると響きや音色がこんなにも違うということが分かって、非常に面白かったです。その空間自体、僕らは操作できないので、僕らの声がその独特な空間によって新たに色づけされたようにも感じました」
黒沢 「アカペラは互いに聞き合いながら紡ぐ音楽なので、歌っている空間がとても重要。出来上がった番組を見て、自分たちがその空間に合うように、少しずつ響きを変えているんだなということがあらためて分かって、面白かったです。アマチュアの頃からそうやって歌ってきたんだなと再確認しました。例えば、響きが少ないところだったら、少し音を伸ばすとか細かい調整をおのおのやっていて、空間によってわれわれがどういうふうに歌っているのかを番組が教えてくれました」
村上 「例えば東京国際フォーラムのステージで歌った時、2階の奥の席での音を想像するのは難しいんです。実際にどういう感じに聞こえるのか、どういうふうにこの場に音が満ちているのかを確認しながら歌えるっていうのは面白いことですね。このような特別な空間に、映像と歌った音が合わさって番組になっていくのを見ると感動しますね」
酒井 「今回は旧武徳殿という演舞場なので、床をドンドン鳴らしても問題がない建物でした。遠慮しがちになる自分を切り替えて、もっと床を踏んで音を出してみよう、音が出る建物として鳴らしてあげたいという気持ちになりました。(琵琶湖疏水の)長い響きが特徴のトンネルでは、響きが残っているのに『次を歌い出していいのかな』と自分の中で迷うぐらいでした」
北山 「今回のように生声を収録されると、自分たちがどこまで届けることができているかということの答え合わせになっています。第3弾の経験が、空間を自分の体で拡張して楽器にし、建物全体まで広げることができるかという感覚を養うことに役立ちそうです」
――ありがとうございました。
【番組情報】
「日本エコー遺産紀行 ゴスペラーズの響歌~京都の響き」
NHK BS8K
9月25日 午後7:00~8:00
NHK BSプレミアム
10月17日 午後11:00~深夜0:00
NHK BS4K
10月26日 午後10:00 ~11:00
NHK担当 S・A
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