現代に生きるすべての人々へおくるドラマ「個人差あります」がスタート!――男×女でないと夫婦じゃない…?2022/08/06
突然、性別が変わる架空の症状“異性化”を通し、恋愛・結婚・夫婦のあり方を問う新たなラブストーリー「個人差あります」(東海テレビ・フジテレビ系)が本日8月6日にスタート。夏菜さん、新川優愛さん、白洲 迅さんを主演に、異性化に翻弄(ほんろう)される夫婦の物語を描く。
夏菜さん、白洲さんが“異性化”した磯森晶を演じるという“2人1人役”に挑戦、新川さんが晶の妻・苑子に扮(ふん)するほか、晶と同じ職場で働く先輩役で馬場徹さん、ドラッグストアの店員役で紺野彩夏さんらが出演する。
お互いが歩み寄りながら晶を演じているという夏菜さん、白洲さん、そして2人を支える新川さんに話を聞いた。
――それぞれの役どころや思いを教えてください。
夏菜 「今回の役は中身は男性で、新川優愛ちゃん演じる苑子を奥さんに持つ旦那さんです。(晶は)普通のサラリーマンとして働いていたわけですけど、ひょんなことから“異性化”して女性化し、私が演じる晶になるということで。原作の漫画や台本を読んだ時はすごく面白くて『やってみたい!』『私にピッタリだ!』と思ってたんですけど、読み進めるほど、自分が演じれば演じるほど難しくて。異性化というテーマではありますけど、多様性や人が人を愛すること、自分を愛すること、夫婦のこと、男とは女とは…というのをテーマにするということに責任を感じながら、いろんなことを背負って演じていかなければいけないのかなと思っています。自分の固定観念を壊しながら戦っているところです」
新川 「夏菜さん、白洲さんが演じる晶の奥さんである苑子も、ある日、突然夫が異性化という体だけが女性になってしまう経験をします。でも、苑子はすごく強いんです。物語を通して一番に晶のことを思って、支えたいなと思う強い女性なので、強く、時には苦しみながらだけど、折れない力を持った女性を演じたいなと思っています。難しいテーマではあると思うんですけど、男だ女だというのではなくて、人としてその人に魅力を感じて、その人を愛していて、一緒にいたいと思う…本質的な人間の気持ちをお届けできたらうれしいなと思いながら撮影しています」
白洲 「男の状態の磯森晶を演じます。役柄としては夏菜さんが話してくれた通りなんですけど、夏菜さんが言うように、やればやるほど難しさが分かる役だなと、撮影が進んできて感じているところです。こんな境遇ってありえないことではあるんですけど、だからこそ、自分の一つ一つのセリフに重みがあるのかな…と迷ったりもしていて。でも最近は、その迷いが正解なのかなと思いながらやるようにしています。晶を演じる僕らも大変だと思うんですけど、苑子をはじめ会社のメンバーだったり家族だったり、晶と接する人はより大変だろうなと。どういうふうに接したらいいかとか、同じ役なんだけど演じる人が変わるというのは対応するのが難しいんじゃないかな。皆さんのことを感心しながら見てます。迷いながら、楽しみながらやらせていただいていますね」
――夏菜さん、白洲さんにお伺いします。同一の役をやるにあたり「こういう晶を作っていこう!」と打ち合わせなどされたのでしょうか。
夏菜 「入る前に、本読みがてら3人でリハーサルしたんですよ。3人のシーンというか2人? 難しい(笑)。そこで『一つ癖をつけてみようか』とか『眉毛をかくしぐさを一緒にしてみよう』とか、『眉毛のどの部分をかく?』とか。細かいところは(打ち合わせ)したりしたんですけど、あとは意外と自由なんですよね」
白洲 「テクニカル的な部分、所作だったりは細かく話はしたりしましたけど、どういう晶を作っていこうというのはしていないですね」
夏菜 「撮影中、お互いの芝居を見て、ここの言い方まねしようとか思ったりすることはあると思うんですけど。交互に撮影したりするので、撮影のタイミングによって『ここは白洲くんのまねした方がいいな』とか、『ここは私のまねをしてもらった方がいいな』みたいなのはありますね。その都度、白洲くんの演技を見るようにはしてます」
白洲 「互いの芝居を見ながら、歩み寄ってる」
夏菜 「っていう感じなんですよね」
白洲 「それで今のところうまく成り立ってるのかなって」
夏菜 「息は合ってます!」
――第1話でお互いまねし合ったところはありますか?
夏菜 「1話かあ。…1話はない!(笑)」
白洲 「僕は、細かいところばっかりになっちゃうんですけど、セリフの語尾とか。夏菜“晶”の方が男っぽいんですよ!」
夏菜 「あはは! 言い回しが私の方が乱暴で(笑)。この晶、『べらんめえっぽいんですけど』と言われて(笑)。でも結局こちらに合わせてもらうことになったんですよね」
白洲 「そっちの方がやりやすそうだなと思って。女性が男性を演じることって難しいことだと思うから」
夏菜 「男っぽくしようと思ったら、表現として言い回しがべらぼうっぽくなってしまって…。普通に(セリフを)読んでたら男っぽく見えるのかなという気持ちでやってみたら、強めな男性像みたいになっちゃいました。丁寧にはできませんでした!(笑)」
――演じる上で難しいと感じる点があれば教えてください。
夏菜 「私に関しては、中身は男性で外見が女性…夏菜自身は中身も外身も女性なんですけど、晶はそうじゃないじゃないですか。優愛ちゃん演じる苑子を好きになるっていうことは、私としては同性を好きになるっていうことで。でも、どうしてもそこ(同性を好きになる)に苦しんで…。今でも理解しきれてるのかと言われたらそうじゃないかもしれないんですけど、性同一性障害の方とかの報道特集をいっぱい見て、いろんなことを知って、(撮影が)始まる前に比べたら理解はできているのかなと思っています」
白洲 「最初に異性化する前は1人の男として演じればいいんですけど、女性化を経て男性に戻るんですね。女性を経験した(男性の)晶を演じるのは難しいなって感じています。役としても、女性を経験して女性の気持ちがちょっと分かった晶って、女性にしか分からないようなところもあって。単純にコミュニティーとして女性たちと女性として接したから分かることもたくさんあるだろうし、肉体的に女性になったから人間の構造の違いとして、ホルモンバランスが違うとか、結構変わったりすると思うんです。でも、想像したり、人から話を聞くしかない。僕は、ある日、突然体が変わってしまうとかないから、想像の範囲内でしかないですけど、悩んで迷っている状態が、晶の本当の姿なのかなって思いますね」
新川 「2人いるのは難しいですね。同じ役ですけど、2人いらっしゃるというのは、私自身初めての経験で。さらに、ほかのドラマではないような設定だと思いますし…。お二人の晶が行ったり来たりするんですよ! その行ったり来たりする中で起こったりする事柄だったり、そういうのに一緒に向き合っていく…うまく言えないんですけど…」
夏菜 「そうなんだよねえ」
新川 「本当に難しいですよね。なんて言っていいか分からないんですけど…ある日、突然体調が悪くなって、いきなり女性になってしまうところから始まりますが、それ以降、白洲さんに戻る、また夏菜さんになるんです。それぞれ異性化するのには理由が違ってきて。白洲さんの晶に戻ることによって夫婦の空気も異なりますし。一番最初に夏菜さんになって、もう一回白洲さんに戻って再び夏菜さんに戻った時は、一番最初の夏菜さんと二番目の夏菜さんに対しての接し方が違うんですよ!」
夏菜・白洲 「分かります、分かります!(笑)」
新川 「そういうところが難しいですね」
――台本を読んでいて、それぞれ「男性・女性はこういうことを考えてるんだ」という発見がありましたら教えてください。
白洲 「元々なんとなく感じていたことでもあるし、今回の作品の台本を読んであらためて『そうなんだ』って思ったのが、ネイルだったりメークであったりとかでテンションや気持ちを保つものなんだなって。そういうものがすごく自分の気持ちを左右するというか。もちろん、個人差はあるとは思うんですけど、そのくらい大事なことなんだということが分かりましたね」
夏菜 「私は役として女性になっちゃってびっくり体験する男性を演じているようで、女性を演じているところでもあって。台本で言ったら、男性って悩みを周りに相談しないんだって思いました。(新川に向かって)女の子ってペラペラしゃべるでしょ?」
新川 「私、相談しないんです!」
夏菜 「マジで? 本当? どうしてるの? 優愛ちゃん、私より男だよ(笑)」
新川 「いやいや、それはないです! 夏菜さん、少年ですから(笑)」
夏菜 「あはは! 優愛ちゃんは精神的にずっしりしてる! 私はしぐさとかが男っぽいだけ(笑)。この作品をやって、私ってめっちゃ女っぽいんだって気づいたところがいっぱいあるんですよ! でも、少年っていう言葉はぴったりかも。優愛ちゃんは、マジで精神的に男っぽい! ストレス発散とかどうしてたの?」
新川 「ストレス発散…休みの日に思いっきり寝たりゲームやったりアニメみたり…。人に話はしないですね」
夏菜 「本当? 台本読んでて、社員さんが女性3人でバーッてしゃべってるところとか、『めっちゃ分かる!』って思って」
白洲 「へー、そうなんだ」
夏菜 「雪平さん(馬場)が相談しない感じが、『男ってこうなんだ~』って結構、衝撃受けましたね」
白洲 「(相談を)する人もいると思いますけど、僕は仕事の話とか自分の悩みみたいなのは…」
夏菜 「言わないんだ。大変だね、男の人って生きるの」
白洲 「あはは。10代、20代前半は、人に弱みを見せたくないという気持ちが大きかったんです。僕、今年で30歳になりますけど、いろんなことが楽になってきたというか。そういうことも話しやすくなってきた…という意味で、年を重ねたら男は男で変わっていくんでしょうけど、僕自身は楽にはなってきたかな」
――最後にドラマの見どころを教えてください。
夏菜 「このドラマをやっていてすごく勉強になることがいっぱいあって。夫婦関係の在り方もそうですし、男性として、女性として生きていく、現代の皆さまにとって教科書ではないけれど、こういう考え方もあるよっていうアドバイスの一つとしてみんなに気楽な気持ちで見てもらいたいんです。私自身も『今までの私ってこうやって生きてきたけど、こういうふうに考えなくてもいんじゃない?』って思える部分がたくさんあった。『もっと柔軟に生きてみてもいいんじゃないかな』『その方が楽なんじゃない?』とか。みんながこうだからこう、女はこうあるべき、男はこうあるべき…というのを取っ払ってくれるドラマだと思っています。皆さんにもドラマを見て感じてもらって、自由に生きていってもらえるような、そういう元気が出るドラマにしたいと思います」
新川 「苑子は、物理的にも女性は力が弱いし受け身になっちゃうし、女性になっちゃって生きづらさを感じて弱い立場になった夫が、どれだけ悩まずにいられるかを考えてあげる献身的な役です。原作でも台本でも丁寧に描かれている作品なので、そこを大事にしたいなと思います。恋愛の面では、いわゆる少数派といわれる同性同士を好きになる人の声が聞けるようになってきましたけど、みんなが過ごしやすくなってくれたらいいなと。逆に、『恋愛は男と女しか!』という考えの方もいらっしゃると思いますけど、そういう考えの人も、ちょっと考え方が変わるというか…そういうものを提示できるんじゃないかなと思っています。みんなが少しずつ楽になれるお話なんじゃないかなと思うので、いろんなことが起こる最後の最後まで、ぜひ見てください」
白洲 「人それぞれ考えをお持ちだと思うんですけど、固定観念とかを取っ払って見てもらえるんじゃないかなと僕は思っていて。今回は夫婦の話ではあるんですけど、ひいては人間関係の話でもあります。男性目線、女性目線、両方目線…いろんな目線があると思うけど、異性化するからこそ、あいまいになっていくような作品なので、いろんな人に見てもらいたいなというのが一番ですね。夫婦だけじゃなくて、会社の同僚の関係だったり、友達であったり、クラスの友達同士であったり…人間関係は千差万別だから、現代社会に生きるすべての人々に何か伝わるものがあるんじゃないかなと信じて作品を作っていますので、ぜひ見てくれたらうれしいです」
第1話あらすじ(8月6日放送)
100円ショップ・リモナの商品企画部で働くサラリーマン、晶は小説家の妻・苑子と2人暮らし。一見平穏ではあるものの、どこか冷めた夫婦生活を送っていた。ある晩、晶は脳出血で意識不明となり救急車で病院に運ばれた。手術を受けて意識を取り戻したものの、苑子の前に現れたのは女性姿の晶。瀕死の状態から蘇生した際に、「異性化」で女性になってしまったのだ。身体の性別が変わってしまうという異性化だが、症例は少なく、原因は分からないという…。
【番組情報】
土ドラ「個人差あります」
8月6日スタート
フジテレビ系
土曜 午後11:40~深夜0:35
フジテレビ・東海テレビ担当 Y・O
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