「初恋の悪魔」物語が動き出す第3話は今夜放送！2022/07/30

　林遣都さんと仲野太賀さんのダブル主演でおくる、ミステリアスコメディー「初恋の悪魔」（日本テレビ系）。社会現象にもなった大ヒットドラマ「東京ラブストーリー」（フジテレビ系）をはじめ、「Mother」や「Woman」（ともに日本テレビ系）などのヒューマンドラマ、「最高の離婚」や「大豆田とわ子と三人の元夫」（ともにフジテレビ系）などの社会問題を織り交ぜながらもクスっとしてしまうコメディーなど、多彩な作品を世に送り出してきた坂元裕二さんが脚本を手掛けることでも話題の本作。癖が強すぎる登場人物たちが織りなすテンポのよい会話劇、謎が散りばめられたストーリー展開と、ドラマ序盤からフルスロットルな“坂元裕二ワールド”にハマっている方も多いのではないでしょうか。

　先週放送の第2話では、普段は他人を優先し、自分の感情を押し殺していた馬淵悠日（仲野）が、生活安全課の摘木星砂（松岡）に初めて殉職した兄のことを語るシーンでは涙した人も多いはず。普段は勝気で乱暴な言葉遣いの星砂が、自転車でパトロールしている警察官に注意されながらも「5分、お願いだから5分待ってくれよ」「警察なんかどうだっていいんだよ。ラーメンぐらい伸びたっていいんだよ、話したいことがある時は」と言うセリフに不器用な優しさを感じ、その後、悠日が兄の生前にかなわなかった電話をするシーンの仲野さんの感情があふれ出すような演技に、筆者も目頭が熱くなりました。

　ユーモアあるシーンと心の深部に刺さるシーンの絶妙なバランス、そして物語の持つメッセージを自然に伝える俳優陣の高い演技力は視聴者を独特な世界観にいざない、没入感たっぷり。今までは受け身の人生を送っていた悠日が、慣例通りに小さなファイルに合わせて折り畳んでいた資料を縮小して印刷した時には「思いを吐き出して、悠日も少し前に進めたのかな」とホッとしたのもつかの間、林さん演じる鹿浜鈴之介の自宅では、鈴之介が殺人犯だと疑う隣人・森園真澄が顔面に血をべっとりつけ、シャベル片手に壊れんばかりの勢いでドアをたたいていて…。「まさか本当に殺人犯!?」…というところで終わった第2話ですが、気になる第3話の見どころを少しだけご紹介します！

謎の隣人・森園は一体何者なのか!? 突然の来襲に鈴之介は…

　不審ないで立ち、狂気を感じる雰囲気に「今にも人をあやめそうな顔をしている」と望遠鏡を使い、森園を監視している鈴之介。第2話のクライマックスでは、そんな森園が鹿浜家の家のドアを激しくたたき来襲！　ドアスコープをのぞくと顔にべっとりと血がつき、手には以前、森園の家をのぞいていた鈴之介がネットで購入するのを見て、「あれで誰かの死体を埋めるつもりか」と話していたシャベルが。何かを叫びながらドアを大きく揺さぶり、開かないと分かると今度は庭のガラス戸を壊して鹿浜家に押し入ってきた森園。鈴之介はコレクションしている大好きなハサミを持って対抗しますが…!?　森園は本当に凶悪犯罪を犯すような危険な人物なのか？　腹の内が見えない、森園を演じる安田顕さんの怪演にも注目です！

星砂が鏡に向かってつぶやいた“ヘビ女”の意味とは…

　第1話ラストで、星砂が鏡に映る自分自身を見てつぶやいた「いい加減にしてくれよ、ヘビ女」の言葉。放送終了後、SNSでは「どういう意味!?」とさまざまな憶測を呼んだこのセリフですが、第3話では「ヘビ女」を知る人物が現れます。少し不可解な点も多い星砂の言動ですが、第3話の次回予告では、星砂の理解者である小洗杏月（田中裕子）に「私の中に肉じゃがとコロッケがいる」と語るシーンも。星砂は何を隠しているのか？　坂元さんの脚本は細かな伏線が散りばめられているので、セリフ一つ、シーン一つも見逃せません。

鈴之介の星砂への殺意（？）の行方はいかに

　「星砂のことを考えて眠れない」「ふとした時にため息が出る」ことを、星砂に対して殺意を抱いていると考える鈴之介。悠日から見ても、視聴者から見ても100％恋愛感情なのですが（笑）、あれこれ悩みすぎた鈴之介は知恵熱を出してしまいます。その頃、スーパーで万引きの監視をしていた星砂は、ワインを盗む男性を捕らえますが、確認すると彼のバッグには商品は入っておらず、さらに立て続けに同様の事案が発生。小鳥琉夏（柄本佑）は、悠日が鈴之介と星砂の仲を取り持ってあげればいいと提案し、鈴之介も協力し真相究明に挑むことに。

　悠日の兄が殉職した事件の謎、そして鈴之介の屈折した恋模様も少しずつ動き出す（？）第3話。皆さんも“マーヤーのヴェール”をはぎ取って、推理しながら見てみては？