北村有起哉&倉科カナ、事件が起きない刑事ドラマに物申す!?「刑事であることは全然関係ないんだよね(笑)」2022/07/30
普段コント番組を制作している「LIFE!」チームが、8月1日から4夜連続でコメディードラマ「事件は、その周りで起きている」(NHK総合)に挑戦! 刑事ものなのに、事件を一切解決しない斬新なドラマです。
ある地方の小さな警察署・新月署に勤務するのは、人に頼ることが苦手な若手刑事・真野一花(小芝風花)と効率重視のバディ・宇田川和人(笠松将)、謎多き元科捜研のエース・向田舞(倉科カナ)、白バイ隊員に憧れ、真野に片思い中の交通課警察官・徳大寺玲央(蛙亭・中野周平)、そして、真野と宇田川の上司・谷崎誠警部(北村有起哉)。彼らの周辺で毎回さまざまな“小事件”が勃発します。
TVガイドwebでは、3日連続でリレーインタビューをお届け。2日目は谷崎を演じる北村さんと向田役の倉科さんから、印象的だった回や共演者とのエピソードを伺いました!(1日目のインタビューはこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1674684/)
――「LIFE!」チームが制作するドラマだと聞いて、どのように感じましたか?
北村 「コントを作ってきたチームなので、ドラマとは別物として捉えないと駄目かなと。僕はコントのような芝居をしたことはあるんですが、コント番組に出たことがないので、そこはちゃんと心構えをして臨みました。また、監督の要求していることも普通の芝居と違うかもしれないと考えながら撮影に入りました」
倉科 「私は挑戦的な番組だなと思いながら拝見していた『LIFE!』チームの皆さんと新しい作品が作れると聞いて、ぜひ参加したいと思いました。脚本家の倉持(裕)さんとは何度も舞台をご一緒しているので、倉持さんの世界にまた飛び込めると楽しみにしていたんですが、一連で撮影していくスタイルだから、結構大変で(笑)。ライブ感のある作品になっています。『LIFE!』もこんなふうに撮っているのかなと思うと、皆さんすごいなと感心しました。コントに近いドラマなので、コメディー要素をどこまで出すのか、どこまでナチュラルにしたらいいのかなどの案配が難しかったです」
――北村さんは「LIFE!」をご覧になったことはあったのでしょうか?
北村 「同じような系統の『サラリーマンNEO』(同局)は知り合いがいっぱい出ていたので見ていて、『演劇の人をそんなにごっそり集めるんだ?』と当時は驚きましたね。『LIFE!』は見たことはないですが、プロのお笑いの方とムロ(ツヨシ)くんたちが一緒に出ているのは知っていて、『難しいだろうに、よくやるな』と感心していました。コントが好きでやっている人もいると思うんですが、自分がコントをやるなんて考えたことはないですね」
――やはり、ドラマとは違うものですか?
北村 「基本的には変わりませんが、編集やカット割りが異なるかもしれません。コント寄りだからってコミカルにやる必要はなくて。設定自体が変なので、それにプラスしてもっとやるとtoo muchになってしまう。笑わせることと笑われることは違って、今作は笑わせる方なんですが、そこら辺の境界線に正直ちょっと戸惑いがありました」
倉科 「撮り方がドラマとは全然違って、ライブ感を大切にするために一連で撮っているんです。撮り方もカメラマンさんが撮りたい場所に合わせて、演者の動きを変えて。ニュートラルな芝居を撮ってもらうというよりは、技術チームが一連で撮れるように芝居を変えていく感じです」
――聞いていると、緊張感がある現場のようですね。
倉科 「本番に入る前はしゃべらないかもしれないです。本番が始まる前は自分たちがやらなきゃいけないことを整理したり集中したりしているので、結構、緊張感がありました。コメディーは大変だなと。ただ、これはコメディーなのか、ちょっと謎です(笑)」
――ちょっと不思議なドラマですよね。そんな今作は、「LIFE!」でも脚本を手掛けている倉持さんのオリジナル作品ですが、台本をご覧になった感想はいかがでしたか?
北村 「第1回から『すごいな、何だこれ?』と衝撃を受けていました。『事件は、その周りで起きている』というタイトルだけど、事件ですらなくて(笑)。起きることが小さなハプニングやトラブルなんですよ。倉持くんとは以前、演劇を一緒にやったことがあり、世界観が好きだったので最初から安心してクスクス笑いながら読んでいました」
倉科 「すごくシュール。本当に事件が起きないんですよ。全く解決しないというか(笑)。倉持ワールド全開。それぞれがとても濃いキャラクターで、ちょっとポンコツっぽいんですが、どこか憎めない愛くるしさが出ています」
――今作は全4回のドラマですが、その中でどの回が印象的でしたか?
倉科 「第2回は向田の話で楽しかったです。真野が書いた読解不能な文字を向田が解読する物語で、科捜研っぽいセリフを言っているんですが、解読の仕方がアナログなんですよ。加えて、向田がアグレッシブに動いていたりもするところも面白かったです」
北村 「谷崎のところでいうと、第3回の時計を落として宇田川と責任をなすり付け合うところですね。時計が壊れたところから始まるから、その前にこの2人の間で一体何があったんだろうねって笠松くんと話して。セリフ通りにイメージすれば『ねえねえ、これ見て』(谷崎)、『触らない方がいいですよ』(宇田川)、『いいじゃん』(谷崎)、『そうですか? じゃあ、僕にも見せてくださいよ』(宇田川)、『ああ、いいよ』(谷崎)というようなことがあったんじゃないかなと。そこの時点で、もうどうでもいいくだりだし、刑事であることは全然関係ないんだよね(笑)」
――確かに、刑事じゃなくても成立しそうな物語ですね(笑)。続いては共演された皆さんについてお聞きしたいです。まずは今回一緒に撮影させていただいた北村さんと倉科さん、お互いの印象からお願いします!
北村 「『何様か!』って感じですが、ここ最近、出ているテレビを見ていて一皮むけたなと感じました。第29回読売演劇賞を受賞したのも納得だよね。舞台が好きで充実しているんだろうなと。今、自分のビジョンが見えていて、本当に好きなことを楽しくやっていて、現場に向かい合っているんじゃないかなと。ね、何様でしょう?(笑)」
倉科 「北村さんは大先輩。今作はコメディーなのか、ドラマなのかと私たちが手探りの中、北村さんは面白いセリフにしっかり心情が乗っていて、一番大切にしなきゃいけないところを大切にされているから、見習いたいと憧れのまなざしで見ています。自分に関係がないシーンでも北村さんが出ているシーンを見学に行って勉強していました。コメディーもシリアスな演技もできて魅力的です」
――お二人のコンビネーションがいい理由が分かった気がします。それでは、真野を演じる小芝さんについてはいかがでしょうか?
倉科 「ふうちゃんは以前も共演していて気心が知れているんです。他人との距離感を心地よく縮めてくれて、明るく天真らんまんで、ふうちゃんがいるだけで現場が明るくなるんですよ。心が奇麗で一緒にいて楽しいです」
北村 「僕も風花ちゃんはもともと大好きで。以前、連ドラで共演した時に『何でもできるな、君は』と感心したくらい、セリフも明瞭で間もいいし、コメディエンヌもイケるなと。そんな話を直接本人にもしましたよ」
――そうなんですね! 小芝さんは何と言われたんですか?
北村 「『そんなことないですよ』と。そこは普通、謙遜するでしょ(笑)。だから今回の共演はすごくうれしかったですね」
――小芝さんは芝居中、北村さんに何か仕掛けられるんじゃないかとドキドキしながら演じていたそうです。
北村 「今回は余計なことしない方がいいんじゃないかなと思って、割とおとなしくしていたんじゃないかな。本当はこねくり回して演技をするのが好きなんですが…。もちろん、ちゃんと考えていますよ! ただの暴れ者ではありません(笑)。ただ今回は、監督の思いもあると考えて、あまりバランスを崩すようなことはしない方がいいかなと」
――また、宇田川役の笠松さんとはお二人とも初共演ですが、印象はいかがでしたか?
北村 「あれだけたくさんのドラマに出ているのに積極的。セリフ覚えに苦労していると相談されて。僕も割とセリフ覚えが遅い方なんですけど、セリフ覚えが早すぎる人は、芝居がペラッペラの人間な気がする。あまり読まないでカメラのシャッターみたいに“カシャッ、カシャッ”って覚えられる、そつなく要領よく苦労しない人がたまにいるんですよ。でもそうじゃなくて、何度も反すうしていくことでセリフがこびりついていくんじゃないかと伝えました。そういう意味では浮ついていないし、すごく前向き。宇田川としても、気持ち悪いところやムカつくところをしっかり捉えていて、ピッタリなんですよね」
倉科 「笠松くんは距離のある方なのかなと思っていたんですが、ご一緒したら真逆の方だったので、びっくりしました。1日目で人生相談をされて、結構パンチがありましたね(笑)。ふーちゃんとはまた違う距離感の詰め方で、独特な方ですが、現場を盛り上げてくださって。真面目で気遣い屋さんなのかなと感じました」
――今回のメンバーの中で、唯一芸人の中野さんについてはいかがでしたか?
北村 「中野くんには最初の本読みで面食らいました。そのアプローチはずるいなと思ったし、ビックリしました。彼だけが唯一お笑いの人で、その空気感を持って来てもらってありがたかったです。本人は『大阪から東京にもっと早く出てくればよかった』と言っていて。お笑い以外の仕事ができて、非常にうれしかったみたいですね。また、ご飯を食べるシーンを撮った時には『皆さん、よく食べながらお芝居できますね』と感心されて。彼は撮影中、食べ物をフォークに差したまま、ずっと口に入れないんです。なぜなら、自分のセリフがあるから(笑)。そういう新人さんみたいな部分が初々しく、現場もとても楽しくて。5人で集まる最後の日に集合写真を撮ったくらい、雰囲気のいい現場でした」
倉科 「中野さんはキャラクターもフォルムもかわいくてずるいですよね(笑)。一挙手一投足が面白いし、人柄も良くて。最初はとても緊張されていましたが、距離感が近めな共演者が多くて、中野さんにガンガン話しかけていました。本当にもうこれでおしまいかと思うと寂しいです。次回があるならまたぜひお願いしたいです」
――ありがとうございました!
物語上、バディではないのに、最高のコンビネーションを写真撮影で見せてくださったお二人。ドラマでは描かれませんが、谷崎と向田がやりそうなことを提案して演じていただきました。実際のドラマでは、こんなお二人には出会えませんが、いつかこんな場面も見てみたいという記者の願望もほんの少しだけ入っております。実際の谷崎と向田のキャラクターについては、作品をご覧いただき、違いをお楽しみください! 明日は、正反対の性格のバディを演じる小芝風花さんと笠松将さんのインタビューをお届けします!
【番組情報】
コメディードラマ「事件は、その周りで起きている」
NHK総合
8月1日~4日 月曜~木曜 午後10:45~11:00
【プレゼント】
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【締切】2022年8月26日(金)正午
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※賞品をオークションに出品する等の転売行為は禁止致します。また転売を目的としたご応募もご遠慮ください。これらの行為(転売を試みる行為を含みます)が発覚した場合、当選を取り消させていただくことがございます。賞品の転売により何らかのトラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いませんので、予めご了承ください。
※抽選、抽選結果に関するお問い合わせにはお答えできませんので予めご了承ください。
取材・文/NHK担当・K・H 撮影/蓮尾美智子
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