「テッパチ！」で一匹おおかみな自衛官候補生を演じる一ノ瀬颯が、過酷な訓練よりも苦手なものとは？2022/07/06

　フジテレビ系ドラマ初主演の町田啓太さんが、ヤンチャで破天荒な自衛官候補生を熱演するドラマ「テッパチ！」。陸上自衛隊を舞台に、未熟な若者たちが悩み奮闘する姿を描きます。本作は防衛省の全面協力のもと撮影が行われ、陸上自衛隊で使われている車両や機材を使用したリアリティー＆迫力あふれる映像を映し出します。自衛官の身を守る鉄帽＝“テッパチ”をかぶるにふさわしい一人前の自衛官を目指す候補生たち。恋に、友情に熱い青春を、時にコミカルに駆け抜けます。

　町田さん演じる主人公の同期生となる、個性豊かなイケメン自衛官候補生たち。バラバラな事情を抱える候補生の中で、暗い過去を持つ一匹おおかみ・武藤一哉を演じるのは一ノ瀬颯さん。スーパー戦隊シリーズ「騎士竜戦隊リュウソウジャー」（テレビ朝日系）のリュウソウレッド／コウ役でデビューを飾り、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」に出演、ドラマ「ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○」（フジテレビ系）などの話題作で人気沸騰中です。過酷な訓練シーンに向けて、「自分史上一番筋トレに励みました」と爽やかな笑顔で語る一ノ瀬さんに、役の印象やドラマの見どころについてお聞きしました。

――本作への出演が決まった時、どのようなお気持ちでしたか？

「以前、別の作品でお医者さん役をやらせていただいたのですが、前々から特別な職業の役を演じてみたいという思いがあって。今回は陸上自衛隊を題材にしたドラマということで、そこに自分が携わらせていただくことがとてもうれしかったです。自衛官は子どもの頃に憧れを抱いていた職業だったので、小さい頃の自分に『自衛官の役をやるよ』と教えてあげたい気持ちになりました」

――自衛官に憧れたきっかけというのは？

「かなり昔のことなのではっきりとは覚えていないのですが、小学生の時にボーイスカウトに入っていたんですね。そこで海上自衛隊の見学に行かせていただく機会があって、『格好いいな！』と思ったんです。自衛官って小さい男の子にとっては特に憧れる存在なんじゃないですかね？　現実に存在する“ヒーロー”のような存在だと思います」

――一ノ瀬さんにとっては、ヒーローからヒーローへの転身ですね。

「そういったつながりは強く感じています。戦隊ヒーローも僕にとって憧れの存在でしたし、そういう意味では共通するところもあるのかな？と思いますね」　

――ご自身が演じる、武藤一哉という役への印象は？

「武藤は他の候補生たちと一切コミュニケーションを取ろうとしない男です。みんなさまざまな事情があって自衛官を目指しているけれど、なぜ自衛官になろうと思ったのか謎な人物ですね。登場人物の中で、思わず最も『何でここにいるの？』と思ってしまうような存在です。彼が他人と関わろうとしないことには何かしらの理由があって、抱えているものがあるのではと考察しながら見ていただくのも、楽しみ方の一つだと思います。そういったミステリアスで、未知数なところが多いキャラクターです。回を重ねるにつれて、武藤についても描かれていくので、僕自身も放送が楽しみです」

――武藤の紹介文には「不気味なオーラを放っている」とも書かれていました。演じる中で、どのようなことを意識されていますか？

「オーラって、人によって感じ方がさまざまですし、難しいなと思いました。必要以上に人と深く関わらないとか、他の人と異なる接し方をするという意味で、『不気味』という形容詞が表れてくるのではないでしょうか。物語序盤の台本では、外から見ていて何を考えているか分からないという描かれ方をしているので、自分でも意識しながら演じていきたいと思っています。特に第1話では武藤が本心では何を考えているかまだ分からないので、ストーリーが進む中でそういった部分を出していけたらなと思っています」

――「王様のブランチ」（TBS系）のレギュラーとしてもご活躍中の一ノ瀬さん。「不気味」「クール」「ミステリアス」というイメージを新鮮に感じられるファンの方も多いと思います。ご自身の中で共感できる部分はありますか？

「意外に似ている部分があるのかな？と思っています。大学に入りたての頃、周りのみんなはすでにSNSでつながった状態で入学していて、僕はそれを全く知らなかったんです。すっかり友達の輪が形成されている中、1人でオリエンテーションを受けていたんですよ。その後は徐々に友達ができましたが、当時を振り返って『話しかけないでほしそうなオーラを出していたよね』と言われることも（笑）。自分でもそれは意外でしたが…」

――ご自身はそういう意識はなかったんですね？

「そうですね。僕は元々あまり騒ぐタイプでもないし、根が静かなんです（笑）。黙っていたからそういう印象を与えてしまったのかな？と思って、それからは自分から話しかけるように意識しました。ただ本来僕自身は、大人数で盛り上がっている人たちを少し離れたところから見ているタイプです。そういう面では武藤とちょっと似ているのかなって思います」

――他にも武藤と似ていると感じる点はありますか？

「先ほどの大人数の中であまり発言しないというところにも関係するんですけれど、声が小さいと指摘されるところも似ています。僕自身は人を寄せ付けないようにと意識しているわけではないのですが、武藤はどうでしょう…。そこも含めてお楽しみにというところでもあります（笑）」

――撮影では訓練など過酷なシーンも多いとお聞きしました。

「体を動かすということはずっとしてきたので、体力的には問題ないです！　ただ、どうやら僕は日差しに弱いみたいで…。屋内ならどれだけ体を動かしても平気なのですが、一日中日差しに当たっているとすごく疲れちゃうんです。吸血鬼なのかモグラなのかは分からないんですが（笑）、日光に弱いんです。小学生の頃は、バリバリ外でサッカーをやっていたのに！」

――防衛省が撮影に全面協力とお聞きしましたが、いかがですか？

「撮影に入るにあたって、実際に陸上自衛隊に入隊したような、新入隊員が受けるような指導を受けさせてもらいました。歩き方や敬礼、服装や靴ひもの結び方など基本的なことを1日かけて教えていただきました。銃の渡し方や、儀式面については特にしっかり指導していただきました。撮影場所もお借りしていますし、実際の自衛官の方にエキストラとして出演していただいているシーンもあるんですよ。本当にいろんな面でバックアップしていただいています」

――すごく本格的ですね。

「まるで本物の自衛官になったような現実感があります。しかも僕たちは候補生の役なので、“仕上がり切っていない”感じを出さなきゃいけないんですよ。そういったところもリアルに感じていただけると思います」

――第1話が放送されますが、見どころを教えてください。

「第1話では主人公の国生宙（町田）が陸上自衛隊の世界に入り、他の候補生と出会うシーンが描かれます。全員がこれから同じ部屋で生活するわけですが、みんなキャラが濃くて。武藤はその中でもさらに異端な存在です。一匹おおかみの武藤がどう変わっていくのか、彼の過去やそれが明らかになった後、仲間との関係にどう影響していくのか。僕自身としても作品としても大きな見どころになってくると思います。あとはとにかく全員体を鍛えているので、肉体美もぜひ楽しみにしていただきたいです」

――一ノ瀬さんも、袖からのぞく腕がとてもたくましいです。

「僕もかなり筋トレしていて、食生活もかなり切り詰めました（笑）。それが画面に現れていたらうれしいなと思います！」

【プロフィール】

一ノ瀬颯（いちのせはやて）
1997年4月8日、東京都生まれ。牡羊座。B型。近年の主な出演作に、ドラマ「この恋あたためますか」（TBS系）、「いいね！光源氏くんし〜ずん2」（NHK総合）、「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」第7シリーズ（テレビ朝日系）、「ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○」（フジテレビ系）など。現在、バラエティー番組「王様のブランチ」（TBS系）にレギュラー出演中。