アイナ・ジ・エンド×爪切男「死にたい夜にかぎって」のユーモアに学ぶ、“愛”「批判することが簡単な時代だからこそ、愛のある人に」2020/03/12
「死にたい夜にかぎって」のユーモアに学ぶ、「愛」
──アイナさんは、主人公の浩史との共通点や、似ていると思う部分はありますか?
アイナ 「共通点がないんですよー! 本当に全く…(笑)」
爪 「僕からも言わせてください、ないです(笑)。アイナさんだけじゃなくて主演の賀来さんと初めて会った時も、何か共通点あるのかなって思ったし(笑)」
アイナ 「それは…(苦笑)。でも、さっき賀来さんとお話した時に『なんとかなる、って考えることはよくある』っておっしゃってましたよ。そういうところは似てるかもしれないですね」
爪 「言い方はあれなんですけど…しぶといじゃないですか?」
アイナ 「私ですか?」
爪 「はい(笑)。何かにたたき潰されそうになってもしぶとく生きてる、みたいな。それはグループ全般に言える魅力かもしれないんですけど」
アイナ 「そうかもしれない(笑)」
爪 「『死にたい夜にかぎって』というタイトルだと“死にたい”ばかりがクローズアップされるんですけど、書いていることは逆なんですよね。僕は“生きたい”と思っていて、今も生きてるわけで。そういう“生きる強さ”みたいなものは、共通点になっている気がします」
──アイナさんもコメントされていましたが、「死にたい夜にかぎって」は生きる中で起こってしまう困難をユニークに捉えたり、「ま、いっか」とポジティブに乗り越えたりする主人公の姿に、どこか救われる思いがするところが、読む人の心をひきつけているのだと思います。そんなふうに人生経験を重ねた爪さんに、アイナさんのような世代の方に向けてエールの言葉があれば伺いたいです。
爪 「いきなり難しい…(笑)。なんだろうな、一概には言えないんですけど…。僕のイメージで、最近の若い子たちって簡単に批判をするように思えて。そういう時代なのかもしれないんですけど…」
アイナ 「(頷く)」
爪 「厳しい言葉になってしまうんですが、今はいろいろな情報を手に入れやすい時代だからこそ、好きなものをもっと増やしていくことが大切なんじゃないかなと思うんです。ただ貶すのは簡単だけど、“好き”が増えることによって、もっと相手のことを知った上での“愛のある批判”ができるようになるんですよね。単純に批判するのはつまらないなと。僕が伝えたいのは、今から批判することばかり覚えちゃうと、将来僕より早い段階で“老害”と言われるような人になっちゃうよ、ということです。もっといろんなものを好きになってほしいですね」
──その人の断片的な部分しか見ていないのに、批判的なコメントが書かれるといったことが、SNSでは日常茶飯事となっているかもしれません。
爪 「そうですね。芸能人に対する批判でも多いですけど、ただ『嫌い』って言うんじゃなくて、もっとそこに愛があるべきだと思います。好きなものをどんどん増やすことで、いろいろな見方ができるようになると思うので。そうすればきっと、後々なんとかなると思います」
アイナ 「確かに今って、批判することって簡単ですね」
爪 「簡単です。『嫌い』とか『気持ち悪い』とかね、すぐ」
アイナ 「言いやすいですもんね…」
爪 「せめてもうちょっと面白い感じで『気持ち悪い』って言ってくれよ、というか(笑)。単純に『気持ち悪い』って言われると刺さるんで、思わず笑っちゃうような、愛のあるいじりをしてほしいですね」
アイナ 「私も言われてみれば、人から何か嫌なことを言われた時、それがちょっと面白かったら自分も笑ってしまうんですよね(笑)。爪さんのお話を聞いて、私もそういうふうに、愛のある人になりたいなぁと思いました」
爪 「(頷く)」
アイナ 「まぁ、愛はある方やと自分では思ってるんですけど(笑)」
爪 「うん、あるある。大丈夫です(笑)」
アイナ 「はい(笑)」
【プロフィール】
アイナ・ジ・エンド
アイナ・ジ・エンド、セントチヒロ・チッチ、モモコグミカンパニー、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dからなる“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバー。2015年3月、BiSH結成。16年5月、1stシングル「DEADMAN」でメジャーデビュー。ハスキーボイスが特徴で、BiSHではほぼ全曲、振り付けも担当している。BiSHとしての活動のほかに、MONDO GROSSO、MY FIRST STORY、DISH//、SUGIZO(LUNA SEA)、ジェニーハイなど、数々のアーティストとのコラボレーションも話題に。20年2月26日、自身が作詞・作曲を手掛けたデジタルシングル「死にたい夜にかぎって」をリリース。
爪切男(つめ きりお)
1979年生まれ。香川県出身。2018年1月、「死にたい夜にかぎって」(扶桑社)でデビュー。現在、「週刊SPA!」(扶桑社)にて勤労エッセー「働きアリに花束を」、「よみタイ」(集英社)にてスクールエッセー「クラスメイトの女子、全員好きでした」が連載中。また、文芸Webサイト「BOC」(中央公論新社)にて好評を博した「男じゃない女じゃない仏じゃない」が書籍化予定。3月18日、大阪・Loft PlusOne Westにて、「フリースタイルダンジョン」(テレビ朝日系)でもおなじみ、またグラビア好きとしても知られるラッパー・呂布カルマと“女について語る”トークイベント「死にたい夜にかぎってたくさんの女を思い出す」が開催予定。
【番組情報】
MBS/TBSドラマイズム「死にたい夜にかぎって」
MBS 日曜 深夜0:50~1:20
TBS 火曜 深夜1:28~1:58
※放送時間は変更の場合あり
※ほか、SBC、ITVなど各局で放送中
(https://www.mbs.jp/shinitai_yoruni/#onair)
<配信情報>TBS放送終了後からTSUTAYAプレミアムにて見放題独占配信。TVer、MBS動画イズムで見逃し配信予定。
【プレゼント】
アイナ・ジ・エンドのサイン入りポラを2名様にプレゼント!
●応募方法:インターネットTVガイドのTwitter公式アカウント(@internetTVG)をフォローし、下記の投稿をリツイート。
https://twitter.com/internetTVG/status/1238028295171477505?s=20
さらに、ツイート内のリンクをクリックし、必要事項を入力してください。
●締め切り:2020年4月6日(月)正午
●発表方法:当選者の発表は、賞品の発送をもって代えさせていただきます。あらかじめご了承ください。
取材・文・撮影/宮下毬菜(TBS・MBS担当)
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