「マイファミリー」飯田和孝プロデューサーが明かす、二宮和也のすごさを感じたシーンとは？2022/06/12

　TBS系にて放送中の二宮和也さんが主演を務める日曜劇場「マイファミリー」。本作は、「グランメゾン東京」（2019年）、「危険なビーナス」（20年）、「TOKYO MER ～走る緊急救命室～」（21年／すべて同系）など多彩なドラマを世に送り出してきた脚本家の黒岩勉さんによるオリジナル作品で、最悪の事態に見舞われ、“家族の絆”が試される夫婦の姿を描くノンストップファミリーエンターテインメントです。

　今夜放送の最終回を前に、本作のプロデューサーである飯田和孝さんを再び直撃取材しました。見どころはもちろん、特に印象に残っているシーンや、タイトル「マイファミリー」に込められた思いなどについて語っていただきました。

――毎話、放送後にはSNSなどで考察が盛り上がっていました。こういった反響に対してどのように感じていらっしゃいましたか？

「それは、キャストやスタッフ陣のモチベーションにすごくつながっていたのではないかなと思います。とてもうれしいことですし、ありがたいことですよね。特にスタッフがよく『この人が疑われているみたいです』とか『こういう考察が出ています』というような話をしていたので、このシーンで疑われたのかなとか、あの動きがそう見えたのかなと思いながら、話を聞いていました。ただ、そういう考察などがあるからといって、作り方を変えるというのはないのですが…（笑）。とにかく皆さんの期待に応えられるように、ちゃんと最終回を締めくくれたらいいなと思っています」

――飯田さんが全話を通して特に印象に残ったシーンはありますか？

「第8話で、東堂（濱田岳）が友果ちゃん（大島美優）と優月ちゃん（山崎莉里那）を誘拐したことを温人（二宮）と未知留（多部未華子）、三輪（賀来賢人）に告げるシーンですかね。親友が自分の子どもを誘拐したという事実を知り、怒りがありつつも、東堂の誘拐理由を聞くとなぜか同情してしまう。そう思わせるような空気感を作っていた4人の演技力というか、表現力に圧倒されました。また何より、東堂が生きている美咲ちゃん（凛美）を優先して助けてほしいと犯人に電話で話した後の二宮さんの表情が絶妙に良く、二宮さんのすごさをあらためて感じました。ちょっとした顔の表情だけで、東堂を許したのかなと思わせるような表現を自然にされていたので」

――毎週、登場人物のおのおのが犯人なのかなと疑うようなシーンがあるように感じました。これは、あえてそういうふうに制作されたのでしょうか？

「役者さんたちの演技でそう見せるというのはないのですが、役者さんたちの撮り方によっては、そう見えるように意図的にやっていました。そういうふうに見ていただけるのは、見る人によっていろんな見え方があるんだなとあらためて感じ、本当にありがたい限りです」

――ちなみに、キャストの皆さんは最初の段階から犯人を知りながら撮影されていたのでしょうか？

「知らないで演じていらっしゃった方もいれば、最初から知って演じていた方もいるようです。撮影の途中で知った方は、『え、この人が犯人なんだ』というリアクションをされていましたね（笑）。でも、知っている人と知らない人がいるのって面白いですよね。ただ、誰が知っていて、誰が知らないのか全部把握しきれていなかったので、現場で少し混乱しましたが…（笑）。ちなみに、二宮さんは逆算しながら演じられていたので、最初から知っていたみたいです」

――確かに知っている人と知らない人がいる中での撮影は混乱しますよね。先日クランクアップされたとお伺いしましたが、すべての撮影を振り返り、印象が変わったなと思う方はいらっしゃいますか？

「那須（雄登）くんですかね。印象というか、第1話の時から比べると、本当に1人の役者として成長したなと思います。撮影の最初の方は、自分の中で作り上げたイメージをうまく表現するのが難しいのかなと思っていたのですが、次第に自然と役に入り込めていたので、そこは成長した部分なのかなと思います。クランクアップした後に、那須くんと少しだけお話させていただいたのですが、『第1話の演技をあらためて見ると恥ずかしくなりました』とおっしゃっていました（笑）」

――あらためて、本作のタイトル「マイファミリー」に込められた思いを教えてください。

「以前もお話させていただきましたが、このドラマはサスペンスドラマではなく、“家族の絆”を描いたドラマです。もちろん、見ていただく方の興味を引く上でサスペンス要素を盛り込みましたが、毎週見終わった後に視聴者の皆さんに、こんな家族の形もあるんだよという思いが伝わればいいなと思いながら、キャストとスタッフで日々作っていました」

――貴重なお話をありがとうございました！　最後に最終回を楽しみにされている方々へ向けて、見どころを含めたメッセージをお願いします。

「まず、最終回の見どころは大きく分けて二つあると思います。一つ目は、皆さんが気になっている犯人とその全貌。二つ目は、それぞれの家族の未来と結末。そして、先ほどもお話しましたが、サスペンスドラマではないということに、ふに落ちてもらえたらなと思いますし、ノンストップファミリーエンターテインメントだったねって思ってもらえたらうれしいです。毎話予想を超える展開ばかりだったのかなと思うのですが、最終回は、さらに予想がつかないような展開が待っていると思いますので、楽しみにしていてください」

――ありがとうございました！