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レインボー、お客さん3人から1200枚完売へ。目標は“レインボー3本柱”【ロングインタビュー後編】2022/06/08

レインボー、お客さん3人から1200枚完売へ。目標は“レインボー3本柱”【ロングインタビュー後編】

 “第7世代”のブレークへの葛藤をエネルギーに、男女の駆け引きをリアルに描いた“ロマンティックコント”で唯一無二の立ち位置を確立しているお笑いコンビ・レインボー。6月11日、12日には、鈴木おさむさんを構成に迎えた2日間6公演にわたる単独ライブを開催します。

レインボー、お客さん3人から1200枚完売へ。目標は“レインボー3本柱”【ロングインタビュー後編】

 インタビュー後編では、ターニングポイントとなった出来事や、2020年1月1日から毎日更新しているYouTube「レインボーコントチャンネル」の撮影でのエピソードなどを、ジャンボたかおさん、池田直人さんのお二人にお聞きしました。(前編はこちら:https://www.tvguide.or.jp/feature/feature-1574130/

女装した相方と夫婦の設定で話して、「初めてマジで涙出そうになったんです」

レインボー、お客さん3人から1200枚完売へ。目標は“レインボー3本柱”【ロングインタビュー後編】

――ジャンボさんの“ストレス発散の場所”にもなっている、お二人のYouTube「レインボーコントチャンネル」は、チャンネル登録者数57万人以上、動画の本数は1149本となっています(22年6月8日現在)。

ジャンボ 「え~~~~~!? そんなに!?」

池田 「1000本以上のコントがあるんですね」

――20年1月1日から毎日投稿を開始したとのことですが、悩んだことはありますか?

ジャンボ 「最初の3カ月は伸びなかったよね」

池田 「うん。最初伸びない時は、『どうしたらいいんやろ』って」

ジャンボ 「『クソーーー!』『絶対面白いのに!!』って思ってましたよ。『めちゃくちゃ下心があるのに紳士ぶる男』(19年6月22日公開)はめっちゃ自信があったのに、最初全然伸びなかったんですけど、そんな時、3時のヒロインの福田麻貴さんが『下心があるのに紳士ぶる男、おもろいなー!』ってLINEくれて。そうやって周りの芸人が面白いって言ってくれるから、『悔しいけど、ま、いっか!』って思えてました。でも、そういう時期も楽しかったです」

池田 「具体的な悩みでいうと、初めて借りたレンタルスペースで『外の音、うるさいなぁ』とか(笑)。僕も、YouTubeを始めてからはずっと楽しかったです」

――ネタはお二人で作っているとのことですが、ぶつかることはありますか?

ジャンボ 「ないです!」

池田 「毎日投稿なんで、ぶつかってる暇ないかもしれないです(笑)。どっちかがやりたいんやったら、もう『やろうぜ!』って。どっちかが見えてたら、もうやっちゃいますね」

ジャンボ 「あまりにも変なやつだったら、『これ、何?』って言うくらい。もめることは全くないですよー!」

――1000本以上あるので選ぶのが難しいかもしれませんが、思い入れのある動画はありますか?

ジャンボ 「こういう時、示し合わせてるわけじゃないんですけど、結構2人の意見がかぶるんですよ。『家にまで来たのにその気がない女に説教する男』(19年9月30日公開)っていう、一番再生回数が伸びている動画は、俺が『こういうことがあってさ、こういう女性にムカついてさ。でも相手には直接言えないから、池ちゃんできない?』って聞いたら、『できるよー』って。『えっ、できるの!!!?』ってびっくりしたんですけど、その後も一応『こうで、こうで…』って説明しようとしたら、一言『大丈夫、できるから』って。で、いざ撮り始めたら、池ちゃんが見事にその女性そのものだったんです。撮り終わった瞬間、『100万再生だぁーーー!!!』って叫んじゃいましたよ! マジで俺、言ったよね?」

池田 「ちゃうよ。『100万再生だ…。100万再生だ……!!!』やで」

――手応えを感じすぎて、震えていたんですね(笑)。

ジャンボ 「その動画がきっかけで、確か登録者数が過去にないくらい増えたんです。それが最初の思い出。あと、池ちゃんが持ってきたのかな、『別居中の旦那と会話したら意外にも楽しくて関係が修復された夫婦』(21年1月28日公開)。俺らの中で名作で、大好きな動画なんですけど」

池田 「うん、俺も。かぶるなぁ」

ジャンボ 「思い出とか、息子のこと話してたら『なんで別れることになっちゃったんだろう』っていう動画なんですけど、俺、撮影中に感情移入して、初めてマジで涙出そうになったんです。でも、『女装した相方と夫婦の設定で話してて、感情移入して泣くなんてキモすぎる!!』と思って、必死で涙こらえて」

池田 「こらえてるんはホンマにこらえてるんですけど、涙をこらえる芝居がうますぎるんです」

ジャンボ 「いやいや、違う違う!! 本当に、めっちゃジーンときたんですよ。撮影中は『ヤバい、泣きそう泣きそう! でもここで泣いたらキモすぎる!!』って我慢してたんですけど、初めてコントで泣きそうになったのがめっちゃ思い出深いです」

「吉本の芸人なんやな」と感じる瞬間

レインボー、お客さん3人から1200枚完売へ。目標は“レインボー3本柱”【ロングインタビュー後編】

――2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大し、毎日公演を行っていた劇場が休館したり、テレビの収録もストップするなど、これまでのような活動ができなくて、芸人さんにとって苦しい時期もあったと思うのですが…。

ジャンボ 「いや~、衝撃でしたよ! まさか劇場が閉鎖するなんて!」

――そんな状況の中、レインボーのお二人は、YouTubeで“リモートコント”という形でコロナ禍に立ち向かったと思います。逆境の中で自分たちのやり方で発信を続けて、その魅力が多くの人に伝わって、今では立ち位置を確立しているなと感じるのですが…。

ジャンボ 「(遮って)いや~、すてきな言葉をありがとうございます。姉さん」

――姉さん?

ジャンボ 「僕、女性を姉さんと呼ぶんです」

池田 「俺、姉さんとはよう呼ばんわ(笑)」

――(笑)。劇場に立つ楽しさやテレビに出る楽しさ、YouTubeでの楽しさなど、いろんな場面で楽しいと感じる瞬間があると思うのですが、お二人にとって、一番心が震える瞬間はどういう時ですか?

ジャンボ 「“心が震える芸人”なんで、相方は。心、震えてますよ~!! さぁ、今から心震える瞬間を発表しますよ~!!」

池田 「えっ!?」

ジャンボ 「心震わせてるもんな、いつもなー!」

池田 「やっぱり、劇場で生のお客さんの笑い声の中、変なことをやったり、急に即興芝居を仕掛けて誰もゴール分かってないのに走りもがいて、なんかよく分からんけどウケたりとか、終わった後、『あいつなんやってん!』って笑い飛ばせたりとか。後々考えたら意味分からん空間なんですけど、楽しかったなってなるのが生もののいいとこやなって思うんです。振り返ったら『あいつのあの一言、なんやってん!』みたいなことも、後々思い出やなって。生のお客さんの反応があるのも劇場ならではやし、一番『吉本の芸人なんやな』って感じるのも劇場なんで、一番心が震えるのはやっぱり劇場ですね」

ジャンボ 「そうですね。最近、地方にもやっと行けるようになってきて。この前も長崎に行ったら、もう、たっっっくさんのお客さんが集まってくれたんですよ。俺らが来たってだけであんなに楽しんでもらえるなんて、(声のボリュームをさらに大にして)やっぱりこんなにうれしいことはないなって、あらためて思いました。そういう時、『あ~、芸人でよかった』って。幸せでしたね~」

池田 「『おもしろ荘』で優勝した時も、それがきっかけで営業のお仕事をいただいてたんですけど、僕らが行っても誰も僕らのこと知らないって感じで。お客さん3人の前での営業もあったんで、その頃と比べたら少しは知ってもらえるようになってきたんかなって感じがあって、めっちゃうれしかったです」

――「おもしろ荘」での優勝や、池田さんの吉本坂46での活躍など…。

ジャンボ 「(遮って)いやいや、吉本坂はないですよ~」

池田 「うん、ないです。活躍してないです」

ジャンボ 「待ってよ! それは俺が言う係じゃん! 自分で言うのはダメよ~!!」

池田 「吉本坂で認知度が上がったとか、ないですよ(笑)」

ジャンボ 「俺、買ったんだよ? 君のCD。そういうの言うのやめなって!」

――(笑)。あらためて、お二人にとってターニングポイントだったなと感じる出来事はありますか?

ジャンボ 「もう、『クセスゴ(千鳥のクセがスゴいネタGP)』(フジテレビ系)への感謝は半端じゃないっすよ。『ひやまとみゆき』を2年やらせてもらいましたから。2年ですよ? 1カ月で2本作らないといけなかったので、途中『うぅぅ…』ってなりましたけどね。感謝しかないです、ほんっっっとに」

池田 「それこそ、ご年配の方に覚えていただいたりとか。お子さまとか、普段なかなか劇場ではお会いすることのない世代の方からも『クセスゴ見てるよ~』って言っていただけたりして、やっぱりゴールデンのテレビってすごいなって感じました」

ジャンボ 「反響が別格でした!!」

池田 「『クセスゴ』って千鳥さんはネタをVTRで見るっていう形式なんで、千鳥さんとはなかなかスタジオでご一緒することはないんです。でも、たまたまノブさんとすれ違った時に『うわ! テレビで見てる人や!』って言ってくださって(笑)」

ジャンボ 「(かみ締めるように)ありがたいですね…。本当にありがたかったです」

“レインボー3本柱”

レインボー、お客さん3人から1200枚完売へ。目標は“レインボー3本柱”【ロングインタビュー後編】

――これからも活躍の場を広げていくお二人だと思いますが、今後の目標を教えてください。

池田 「コンビで共通した目標が三つあるんです」

ジャンボ 「はい。“レインボー3本柱”と呼んでおります」

池田 「これは2人で合わせたわけじゃなくて、2人とも、いつの間にか同じ思いを持っていたというものです」

ジャンボ 「その一」

池田 「『キングオブコント』優勝です」

ジャンボ 「その二」

池田 「ラジオです。2人でラジオをやりたい。2人ともラジオが大好きなんです。冠番組を持ちたい!」

ジャンボ 「2人でラジオ局に行かせてもらうたびに言ってるよな。『レギュラー持ちたいな~』って」

――ちなみに、どういう番組を聴いているんですか?

ジャンボ 「おっ、いいですね。姉さんもラジオ好きでしょ?」

――はい(笑)。

ジャンボ 「だから気になるのよ~。同じラジオ好きとして、ね! 僕は、スタートはくりぃむしちゅーさんです。上田晋也さんが昔やっていた『知ってる?24時。』から始まって、くりぃむさんの『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』に入って、『バナナマンのバナナムーンGOLD』を聴き始めて、池ちゃんの影響で『オードリーのオールナイトニッポン』も聴き始めて…。ずっと聴いているのは、空気さんの『空気階段の踊り場』。『踊り場』のヘビーリスナーとして、何度も出演させていただきました」

池田 「ジャンボとも、『えっ、バナナムーン聴いてんの?』っていうところから、グッと距離が縮まったんです。僕は、オードリーさんと、霜降り明星さんの『オールナイトニッポン』とか、向井(慧)さんの『#むかいの喋り方』が好きです」

――お二人ともラジオがお好きなんですね! では、三つ目は…?

ジャンボ 「その三」

池田 「全国ツアーを毎年行えるようなコント師になりたいです」

ジャンボ 「全国各地でうまいもん食って。最高ですよ~~~~~!!!!!」

池田 「全国ツアーとなると、全国にファンがいないといけないので、もっと大きくなりたいなって。『毎年、レインボーを見に行くんだ!』って思ってもらえるような芸人になれたらいいなって思います」

ジャンボ 「よくコメントとかで届くんですよ。『東京には行けないな』って。だから僕らが回って、全国の人に笑ってもらえたら最高ですね」

――お二人とも、温かく迎えてもらえそうな雰囲気ですよね。

池田 「ホンマですか?」

ジャンボ 「いやー、石投げられないか不安ですよー!」

――ジャンボさんなら跳ね返せそうです。

ジャンボ 「ちょっとぉ…。待ってくださいよ~!」

池田 「ぽよーん、じゃないんですよ!」

ジャンボ 「姉さん、そりゃないよ~~~!!」

 お稽古でお忙しい中、レインボーのお二人に取材をさせていただきました。池田さんがジャンボさんの肩に腕を乗せたカットを撮影していると、ジャンボさんが「森川がこのポーズ好きだったわ~」とぼそり。「森川が誰か、知らんやろ」と池田さんがツッコむ中、ふと「(ジャンボさんの元相方の方…?)」と思い出し、「感動ピストの…?」と言ったところ、「姉さん! さすがぁ~!」と大きな声で褒めてくださったジャンボさんでした。

 インタビューは楽屋でさせていただいたのですが、レコーダーを置くのに良い台がなかったため床に置こうとすると、「ここ、置いてください!」とメーク道具が入ったキャスターを持ってきてくださった池田さん。夜遅くの取材でしたが、たっぷりお話をしてくださったり、「TVガイド、よく買ってたんです~!」(ジャンボさん)とうれしいお言葉で盛り上げてくださったりと、とにかく明るく楽しく、サービス精神にあふれたお二人でした!

レインボー、お客さん3人から1200枚完売へ。目標は“レインボー3本柱”【ロングインタビュー後編】
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レインボー、お客さん3人から1200枚完売へ。目標は“レインボー3本柱”【ロングインタビュー後編】

【プロフィール】

レインボー
ジャンボたかお(1989年6月25日生まれ、千葉県千葉市出身)と、池田直人(1993年9月19日生まれ、大阪府吹田市出身)が、ともに東京NSC18期生として入学。それぞれのコンビの解散を経て、2016年に「レインボー」を結成。18年、「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系)内の企画「おもしろ荘」で優勝。「千鳥のクセがスゴいネタGP」(フジテレビ系)で披露している「ひやまとみゆき」が話題に。20年1月1日より、YouTube「レインボーコントチャンネル」で毎日新作コントを更新中。22年6月11日、12日、東京・よしもと有楽町シアターにて、鈴木おさむ氏を構成に迎えた単独ライブ「レインボーライブ2022『スーパーロマンティック』『ノットロマンティック』」を開催予定。会場チケットは完売となり、オンライン視聴チケットがFANYオンラインチケットにて発売中。

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【締切】2022年7月5日(火)正午

取材・文・撮影/宮下毬菜



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