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【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!2022/05/29

【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!

 4月29日~5月5日(5月2日は休演)に神奈川・KOSÉ新横浜スケートセンターで開催された「プリンスアイスワールド2022-2023 in YOKOHAMA『Brand New StoryⅢ』~Our Compass~ 横浜公演」。日本で唯一のプロフィギュアスケート集団であるプリンスアイスワールドチームと豪華ゲストスケーターたちが、華麗な演技で観客を魅了しました。

 その模様が、5月29日(午後2:00)からBSテレ東・BSテレ東4Kで放送。解説を務める町田樹さんに、ショーの見どころを伺いました!

【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!

――「プリンスアイスワールド2022-2023 in YOKOHAMA『Brand New StoryⅢ』~Our Compass~ 横浜公演」の見どころを教えてください。

「今回は、2019年からスタートした『Brand New Story』の最終章になります。コロナ禍によって1年間休止を余儀なくされるなど、波乱の4年間でしたね。そんな中、『Brand New Story』をここまで育て上げた演出のモモナガシマさんら制作陣とプリンスアイスワールドチームに、まずは最大限の賛辞と敬意をおくりたいと思います。今回の『Brand New Story Ⅲ』は集大成として、ここまで積み重ねてきたことがすべて結実しているという印象を受けました。『Brand New Story』の前は今村ねずみさん(THE CONVOY)が演出を手掛けられていて、どちらかというと舞台芸術としての性格が強かったのですが、モモナガシマさん(MOMOX)の『Brand New Story』は、舞台芸術的な側面がありつつもフライングや炎を使った演出など、ライブエンターテインメントの要素も強く出ています。そういった新しい経験は、プリンスアイスワールドにとって貴重な財産になったのではないでしょうか」

【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!

――特に印象に残ったプリンスアイスワールドチームの演目は何でしょうか?

「すべて注目の演目ですが、あえて挙げるとすれば、第1部の女性チームによる『My Angel』と男性チームによる『Centuries』でしょうか。今村さんの頃から男女チームそれぞれの演目があり、長年培ってきた女性チームと男性チームの魅力が凝縮されていると感じました。また、照明の使い方も巧みでしたね。その前の『さくら(独唱)』『Say Something』からの流れはとても見応えがあり、本公演のハイライトの一つだと言えるでしょう」

【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!
【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!

――そのほかにはありますか?

「第1部ラストの『Japanesque Ⅲ』は、『Brand New StoryⅠ』での“ジャパネスク”、 『Brand New StoryⅡ』でのアイスタップを融合させた、まさに集大成にふさわしい豪華なナンバーです。殺陣を取り入れたシーンからタップダンスへと移行していく演出は、北野武監督の映画『座頭市』のオマージュとなっています。振り付けやポーズにも『座頭市』から引用されたものがありますので、そのあたりにも注目するとより楽しめると思います」

【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!
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――豪華ゲストスケーターも「プリンスアイスワールド」の魅力の一つですね。北京冬季五輪で銀メダルに輝いた鍵山優真選手は、「ピアノ協奏曲『宿命』第一楽章」が放送されます。

「映画『砂の器』の楽曲で、’19-’20シーズンのショートプログラムです。今回の演技と当時の演技を見比べてみましたが、以前よりも緩急の付け方にメリハリがついていました。また、『一番身体を美しく見せるためには、腕や足をどの角度でどの位置に置けばいいのか』ということが分かり始めてきているという印象を受けました。プログラムの要所にある大事なポーズがしっかり決まっていましたね」

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――世界選手権2022を制した宇野昌磨選手は、’22-23シーズンの新ショートプログラム「Gravity」をお披露目しました。

「ロックナンバーですが、チルでメロウな雰囲気もありますね。私は、宇野選手の相貌のよさの一つにアンニュイなところがあると思うのですが、それが十分に生かされていました。また、宇野選手の特徴的なメリハリの効いた動きも曲調に合っていると思います。今後ブラッシュアップされていけば、いわゆる“ハマりプログラム”になるのでないかという予感がしています」

【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!

――そして、田中刑事さんは、町田さんが振り付けをした「ショパンの夜に」でプロスケーターデビューを果たしました。

「『よくぞあの難解なプログラムを滑りこなしてくれた』という感謝の気持ちでいっぱいです。このプログラムは田中さんのために作った演目ですので、僕の考える田中さんの魅力を最大限出力するための振り付けをいくつも取り入れていますが、おそらく彼にとってはなじみのない動きばかりだったと思いますので、演じるのは大変だったのではないでしょうか。でも理想的な形に仕上げてくださいました」

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――田中さんとのタッグは「Je te veux」に続いて、2度目ですね。今回も合宿はされたのですか?

「はい。深夜にリンクをお借りして振り付けしたので、昼夜逆転の生活でした。深夜の誰もいない横浜の街を歩きながら、2人で『眠いな、しんどいな』って。…まさに『ショパンの夜に』です(笑)」

【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!

――インタビューで「志(意思)の強い男の精神性をテーマにした」とおっしゃっていましたが、このテーマにはどんな意図があるのでしょうか?

「そもそもなぜショパンの曲にしようと思ったか。舞踊界におけるショパンは、華やかで優雅な作品が多いと思われがちですが、ショパンの音楽はそれだけではなく、闇や苦悩の世界と光の世界を瞬時に往き来するものがたくさんあるのです。私たち制作陣Atelier t.e.r.mは、そのショパンの複雑で繊細な深い世界を表現したいと考えました。ただ、コロナ禍で舞台芸術が普通にできる世の中ではなくなってしまいました。その上に理不尽な戦争まで起こってしまった。そんな中、アイスショーという貴重な舞台で、見てくださる方々に『何を伝えるか』ということを考えると、ただ“絶望に浸っていく”という作品は、意味がないのではないかと。せめて舞台空間では、観ている方々に“意味のある現実直視”をしてほしいと思ったんです。ですので、絶望の中でも最後まで力強く生き抜く男の姿を描きました。ただ、オーディエンスの一人一人が作品をどのようにとらえるかはそれぞれの自由ですので、最後は解釈を皆さんに委ねたいと思っています」

―ありがとうございます。最後にテレVで鑑賞される視聴者の方々へメッセージをお願いします。

「今回の公演は、’19年からの3年間(1年は公演休止)の積み重ねの上にある集大成の公演です。コロナ禍の中でプリンスアイスワールドというエンターテイメント集団がどのように活動し、頑張ってきたのかが見て取れるような映像になっていますので、ぜひご堪能ください。そして番組を通じて、少しでもプリンスアイスワールドに興味を持ってくださった方は、今後も公演がありますので、ぜひ会場にも足を運んでいただければうれしく思います」

 プリンスアイスワールド2022-2023 東京公演『Brand New StoryⅢ』~Our Compass~」 
7月15~18日(東京都・ダイドードリンコアイスアリーナ) 
※詳細は公式サイトをご確認ください。

【独占インタビュー】解説・町田樹が「プリンスアイスワールド2022」の見どころを語る!
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 番組プロデューサー・倉地啓太さんからもメッセージが届いています。

「今年の冬を熱くした北京五輪が終わり、フィギュアスケートは新たな時代を予感させるシーズンに突入します。新ルールの導入、ジャンプの進化、新しい選手たちの台頭など見どころが満載です。そんな中、日本で最も歴史のあるアイスショーがプリンスアイスワールド。現役のトップスケーターの演技はもちろん、一糸乱れることのない抜群の結束力で表現するプリンスアイスワールドチームの群舞(グループナンバー)は必見です。解説はテレビ東京ではおなじみの町田樹さんに今回もお願いしました。かつて私がディレクターを務めていた際に、ご自分の演技について中継車で映像のカット割をくまなくチェックし深夜まで一緒に突き詰めながら、作品を作り上げた思い出があります。クレバーながら非常に熱い思いをお持ちの方なので的確な解説に加え、独自な世界観を駆使した映像との化学反応もぜひ期待してください」

 フィギュアスケートの奥深い魅力を堪能できる「プリンスアイスワールド2022」は、5月29日(午後2:00)にBSテレ東・BSテレ東4Kで放送。どうぞ、お見逃しなく!

【番組情報】

「プリンスアイスワールド2022 横浜公演」
BSテレ東・BSテレ東4K
5月29日 午後2:00~4:00
<解説>町田樹

撮影/蓮尾美智子(町田樹)、麻生えり(演技写真)



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